ビールとグラスの関係性①
シャツがほんのり汗ばむ暑さが続く今日、この頃。もうすぐビールの恋しい季節がやってきますね。都内でも、ヒビヤやケヤキなど大規模なビアフェスが迫っていてわくわくです...!
さて、ここでビール党のあなたにお尋ねしたいことがあります。
ジョッキでぐびぐひ飲むだけが「ビール」じゃないって知ってますか?
お恥ずかしながら、半年前の7月まで私は「ビールは喉越し!キレ!辛口!」というハードモードな飲み物だと勘違いしていました。
(今考えると、あの頃の自分は本当にビールに関して無関心で無知でした...)
学生時代は安い居酒屋にしか行ったこと無かったし、まだ22歳で飲酒年齢で言えば2歳だから仕方ないって言えばそれまでなんだけど...。
それでも飲んだこと有ると無いではお酒に対する楽しみ方も違う。何よりビールをここまで好きになることもなかったと思うんですよね。
今年のクラフトビール関係のイベントは全部参加しよう!という目標を個人的に立てているのですが、その中で「ビールのグラスセミナー」という興味深いイベントがあったので参加してきました。
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天空の城で飲む「クラフトビール」
開催場所は主催者実良力さんのご自宅。まさかタワーマンションの50階でクラフトビールを飲むことになるなんて。(気圧で瓶破裂しないのかな...大丈夫かな...)
北海道生まれ秋田育ちという生粋の田舎娘なので、エントランスのコンシェルジュさんに戸惑いながらも何とかエレベーターまでたどり着きました。50階まで登るエレベーターに無事乗り合わせ、耳抜きを2回程したくらいに到着。
この時点で20分ほど遅刻してたので内心ドキドキしながらチャイムを鳴らすと出てきたのは爽やかな笑顔の男性....!
(...はっ!この人が実良さんか!思ってたよりも若そうな人だぞ...。一体いくら稼いだらここ住めるんだろう...。)
とゲスな考えを繰り広げるゆるみな。を優しくエスコートしてくれました。男女の割合は4:6くらいで思っていたよりも女性の参加率が高くて意外でした。でも私と同年代の女の子はさすがにいません。
テーブルにはわかりやすくグラスの名称が書いた紙の上にグラスが綺麗に並べられていました。見たことのあるものから初めて見るものまで、もう早く講義を受けてくて(ビール飲みたくて)ウズウズ。
初めに頂いたのは「IPA」。これをIPAグラスとパイントグラスで飲み比べました。下の写真がIPAグラスです。
底の方がキュッと引き締まっているのに、実は三段腹な隠れ肥満の人みたいな形です。IPA特有のホップの香りが立ちやすい構造になってます。またパイントグラスに比べて薄いので触った時の温度が全然違いました。
ここで実良さんの豆知識が飛び出します。
グラスが厚い方が保温性は高いと言われますが、それはグラスを冷やして置いた時の場合で常温のグラスを使うときは薄い方が長く冷たさを保てるんです。冷蔵庫にグラスを入れると匂いがつくのであまりお勧めはしません。
し、知らなかった...!
薄いグラスが「良い」ことは知っていましたが、味だけじゃなくて温度にも関係があったんですね。
さらにIPAグラスの特徴でもある三段腹の構造(勝手に命名した)は、抵抗があるので何度も傾けて飲んでいると香りが飛びやすいんだとか。そして持ち手に液体が入っているので温度も上がりやすい。立食の時は不向きかもしれませんね。
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次に頂いたのは「スタウト」。これはスタウトグラスとIPAグラス、そしてパイントグラスで飲み比べてみました。左からIPA、スタウト、パイントです。
スタウトグラスはIPAと一見似ていますがよく見ると段差はなく底に向かうにつれて山の裾みたいに広がっています。
下半身に脂肪が来るタイプの人みたいな形です。(擬人化したがり)こちらはスタウト特有のコーヒーのような香ばしさを引き立てる構造になってるみたいです。
ここで実良さんの豆知識②
クラフトビールとセットでグラスを売り出しているところがありますが、あれが一番美味しくなるグラスだとは必ずしも限りません。寧ろ、自分が本当に美味しく感じるグラスを選択することが大切かなと思います。
なるほど...!そういえば出されたグラスが絶対正しいと思って飲んでたし、疑ったことなかったなあ。出されたビールを受け身で飲んでた気がする。
もっと飲み手が能動的に飲まなければビール業界のクオリティだって向上していかないのでは...!?と身が引き締まりました。スタウトグラスはIPAグラスと同じように抵抗で香りが飛ぶ、持ち手で温度が上がりやすいということも覚えておきたいです。
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三つ目は「ブロンシュ」。これはウィートグラス、IPAグラス、そしてパイント...は今回やめておきました(笑)左がお馴染みIPAグラス、右がウィートグラスです。
ウィートグラスはくびれはあるものの頭でっかちの丸顔で他と比べて短足というなんとも親近感を抱いてしまう形...。どうみてもゆるみな。をグラス化したらこれです。他意は認めません。
こちらはウィート特有のフルーティーな香りを引き出し、爽やかな風味とバランスよく調和させる構造になっているそうです。
お待ちかね実良さんの豆知識③
グラスにすり切りでビールを注いでしまうのはアロマを減少させるのですごくもったいない。お店側がすり切りで注ぐ理由はいくつかあると思う。個人的な見解を述べると一つは海外で1パイントで測る為にパイントグラスすれすれで注ぐ風習がそのまま反映されたこと。もう一つは日本の大手ビール業界のCMなどでよく目の当たりにする「当たり前」とされているイメージからくる先入観によるもの。
この半年間、日本中のビアバーやクラフトビール専門店に足を運びましたが、確かにどこのお店も並々注いでくれました。写真映えする上に、たくさん飲める幸福感は満たされます。
しかし、あれではせっかくの美味しいビールのアロマが減少してしまってもったいないなことに気づきました。美味しいビールを極限まで美味しく飲む。ビールを愛するものとして、大切にしていきたい考え方でした。
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ここで一度、テイスティングはお休み。
序章でこのボリューム、、、!
実良セミナー凄すぎるw
そしてここから中盤戦として、
・グラスの仕組み
・舌の仕組み
・グラスと舌の組み合わせによる変化
を、詳しすぎる自作のレジュメを用いて座学で学び後半戦では、応用・まとめとして
・自分用の基準を作ってみよう
→再びテイスティング
・注意と今後の課題
という感じで幕を閉じました。
全て書くと長くなってしまうので、ここまでで一旦締めさせて頂きます。
明日は中盤戦以降のお話をまるっと公開しちゃいますのでお楽しみに!
ちなみに今週末はビールセミナーを開催してくれるみたいなので楽しみです◎
ここまでで勉強になった!ビール愛が伝わった!と思った方は是非ヒビヤガーデンで行われるビアフェスのweb投票にてNO.2渡部有未菜に投票よろしくお願いしますm(_ _)m