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夢を描いた画家:シャガールの生き様とその魅力


マルク・シャガール(1887-1985)は、ロシアのヴィテブスクに生まれた画家で、彼の作品は夢のような幻想的な風景と独特の色彩で知られています。
彼はユダヤ人であり、故郷のロシアを離れ、パリやニューヨークで生活を送りながらも、その絵画には常に故郷への郷愁と愛が溢れています。


シャガールの絵には、彼の人生経験が深く反映されています。
彼は幼少期をロシアの小さな町で過ごし、その後、芸術家としての道を歩むためにサンクトペテルブルク、そしてパリへと旅立ちました。
彼の作品には、愛する妻ベラや故郷ヴィテブスクの風景が頻繁に登場し、それらはシャガールの心の奥底にある大切な記憶と結びついています。

シャガールの作品に見る人間性


シャガールの作品には、彼の人間性が強く表れています。
現実的でありながらも非現実的な要素を含み、しばしば夢や幻想のように描かれています。
彼自身の内面的な感受性の豊かさを示していると同時に、彼が世界をどのように見ていたかを表しているようですね!
たとえば、彼の代表作『誕生日』では、彼と妻ベラが浮遊しているように描かれ、愛の歓喜と自由を象徴しています。

シャガール 誕生日

この絵は、結婚する数週間前に描かれた絵だそうです。
結婚する直前の浮き足だった幸福感が絵によく表されていますよね!
ただ、なんとなくですが、幸せ直前のこの絵に所々黒が使われているせいか、暗く感じる部分もあるように感じました。
また、シャガール本人も顔色が悪く、幸せは幸せなんだけど結婚生活への若干の不安もあるのかな?なんて思いました!
今でいう、マリッジブルーみたいな感じ?

時代背景を調べてみると、第一次世界大戦が始まったばかりで、シャガールはドイツに、妻となるベラはロシアにいたそうで、それぞれ敵国同士となっていることもあり、そんな不安も描かれているのかなということがわかりました!

また、シャガールはユダヤ人としてのアイデンティティを持ち続け、宗教的なテーマも多く扱いました。
しかし、彼の宗教的テーマは単なる信仰の表現にとどまらず、人間の生きる力や希望を描き出しています。
たとえば、『』という作品では、青い背景の中で恋人たちが幸福そうに抱き合っている様子が描かれており、シャガールの愛と平和への深い信念が感じられます。

シャガール 枝

この青はシャガールブルーと呼ばれていて、シャガールの師匠であるレオン・バクストは「色彩が歌っている」と賞賛したほどです。
シャガール・ブルーは、生涯を通じて変わらずに描き続けた色です。
青は故郷や愛する人への想い、神秘や夢、希望や憧れなどを象徴する色だったようです!

人間愛とシャガールの魅力


シャガールの絵の中には、いつも人間への深い愛があります。
自らの経験や感情を通して、愛、喜び、悲しみといった普遍的なテーマを描き続けました。
彼の作品は、私たちに人間としての弱さや強さを思い出させ、人生の美しさとその儚さを感じさせます。


シャガールは、自分の心に正直に生き、絵を通じてその人間性を表現し続けました。
シャガールの生き様と絵画は、私たちに「人生をどう生きるか」という問いを投げかけ、私たち自身の内面を探るきっかけを与えてくれるのではないでしょうか?

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