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【初青森県】ねぷたと太宰にちょこっとだけ触れる旅 国内旅行記・青森編Vol.1
こんにちは、Tsuchinocoです。国内の色々な所へ旅をして、その場所のこと、そして感じたことを綴っています。
今回からは青森編! 旅の出発から五所川原周辺で過ごした記録を紹介します。
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■旅の始まり
2月某日、例のごとく早朝の東北新幹線に乗車。今回の旅の舞台は青森県。まずは新青森駅を目指します。
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今回の駅弁はしらす弁当。一面に敷き詰められたしらすはほんのり塩味。少しだけ物足りなさはあるけれど、これをビールで流し込むとちょっと大人の気分になれる。いくらも美味!
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乗車時間が少し長いのでサイドメニューとして、「チキン弁当」のから揚げも購入。揚げ粉多め、ちょいしっとりと食感にノスタルジーを感じる美味しさ。
そんなこんなで過ごしながらいよいよ新青森駅に到着。途中で少し遅延したけれど、時間を調整してくれたので問題なく乗り換え完了! ここから約50分かけて五所川原駅へ向かいます。
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■ストーブ列車に乗るため五所川原駅へ
今シーズン(2024年2月)の冬はとにかく暖冬。旅行前にライブカメラで積雪状況を確認する度に「雪少な……」と絶望してたけれど、出発の前日に本格的な雪が降ったみたいで雪があって一安心。
ただ別の不安材料が……。五所川原へ向かう車内には外国人旅行者がたくさん。「そういえば春節か……」と、嫌な予感を抱きながら五所川原駅に到着。
旅の最初の目的は、津軽鉄道が冬季に運行する「ストーブ列車」。その名通り、だるまストーブが設置された車両に乗りながら、津軽五所川原~津軽中里間の景色を眺められるエモスポットです。が……
始発の津軽五所川原駅の前は長蛇の列……。嫌な予感が見事に的中してしまった。
1分ほど悩んだ挙句、今回は断念することに(泣)。長い時間をかけてはるばる来てもったいなさはある、でもあの光景を目にしたら誰もが揺れ動くと思う。それほど並んでいた。
列車は乗らなかったけど駅舎の写真は収めておきました。レトロでいい感じ。
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今回は特別に混んでいましたが、平日はだいたい空いているそう。この日も平日だったけど……。皆さんもぜひご注意ください。
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■高さ20m超のねぷた!立佞武多の館
さて、やることが無くなったので急遽近くの観光スポットへ。
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やってきたのは駅から徒歩10分ほどの場所にある「立佞武多の館」。毎年8月初旬に五所川原市で開催される立佞武多にて、実際に運行されるねぷたが展示・保管されています。
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早速入場してみると、巨大なねぷたがドドドン!とそびえ立っています。なんと高さは20m超え。デカすぎて画角に収まらない。
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展示スペースは大きな吹き抜けフロアになっています。一番上からだとねぷたの顔をよく見えます。下から見るのとはまた違った迫力がある一方、細かいところまで丁寧に作られてすごい。
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荒々しい雰囲気のこちらのねぷたは『素戔嗚尊』。ご存じ日本神話に誕生する神様です。これはヤマタノオロチを退治している場面なのかな? だとすれば手に持っているのは草薙剣? とにかくかっこいい。
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これは歌舞伎の演目のひとつ『暫』のワンシーンを表現したねぷた。モデルは鎌倉権五郎景政(かまくらごんごろうかげまさ)。
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歌舞伎だから見得切りの姿かな? 迫力満点で力強さを感じます。
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このねぷたは『かぐや姫』だったかな…? 着物や指先の流線形の表現が綺麗で女性っぽさを感じる。こんな風にも作れるんだなあ。
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台座にはウサギの装飾も。テーマに沿った遊び心が組み込まれていてかわいい。
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展示フロアの道中には、制作手順や過去作の写真・説明がところどころにあります。ちなみに自分の推しは、2010年(平成22)制作の『又鬼(またぎ)』。理由はマタギが好きだから(笑)。
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ゆっくり時間をかけて見物は終わり。正直、あまり期待はしていなかったけどここにきて大正解だったと思う。立佞武多はもちろん、紹介映像や細かいところまでとても満足できた。
ちなみに立佞武多の歴史って意外と短いんです。明治頃に源流となるものはあったそうですが、社会的な変化で途切れてしまったとのこと。
現在の立佞武多は平成に地元の方たちが復活させたものだそうで、それを紹介している動画はとてもアツい内容でした。今度は実際に街を練り歩く姿を見に行きたい! めちゃおススメです。
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■あの文豪も食べていた名物グルメを食べる
じっくりと見学したので時間はいつのまにお昼時。次の目的地は弘前ですが、電車までの時間があるので駅の近くでランチすることに。
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伺ったのは津軽鉄道五所川原駅前にある『でる・そーれ』。店頭に津軽鉄道沿線の食材を使った「津鉄汁(つてつじる)」とあり即入店。せっかくなら地元グルメ食べたいじゃん。
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注文したのは「若生おにぎりセット」。地元ゆかりのものがたくさん使われているそうで、店員さんにおススメしてもらいました。はしいれメロス(笑)。
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まずはお目当ての津鉄汁をすすってみる。やばい、ありえないぐらい美味しい。青森県の地鶏シャモロックの旨味が出まくっているスープ、地元で獲れた新鮮な野菜がとっても美味しい。ほんのちょっとだけど鶏肉も入っていて噛むと旨味がジュワッと広がる。シャモロックやばい。マジで。
名産の山芋でできているすいとんもモッチモチでスープと相性抜群。色々なものを食べたけど、これが青森旅ベスト飯。衝撃的な美味しさだった。
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『人間失格』や『走れメロス』など、たくさんの文学作品を生み出した作家・太宰治。そんな彼が幼少期におやつとして食べていたが、この「若生(わかおい)おにぎり」です。若生は成長間もない薄くて柔らかい昆布のことで、それを海苔の代わりに巻いたシンプルなおにぎり。ほのかな塩が効いた優しく素朴な味です。
横向きのままだと繊維がちぎれにくいので、縦方向からかぶりついて食べるのが現地スタイル。太宰も同じように食べていたのかなあ、なんて思いを馳せながらバクバク食べました。
いやあ、素朴だけどとっても満足感のあるランチを楽しめました。食材のほかにも、食器は五所川原の焼物である「金山焼」が使われているとのこと。持った感じ保温力があって最後までアツアツの状態で津軽汁を味わえました。五所川原でランチを考える時はぜひ行ってみて下さい。
さて、いい感じに時間を過ごすことができたので、次の目的地・弘前への電車に乗り込みます。
車窓からは津軽富士こと、岩木山の雄大な姿を見ることもできました。越谷オサム原作『いとみち』で憧れた景色もちょこっとだけ見れてよかった。
ストーブ列車にはじまり斜陽館、賽の河原などなど、計画していた所には行かなかったけれど、それでも充実した時間を過ごすことができたと思います。ありがとう五所川原。好きです。
今回はここまで。次回は県内第3の都市、弘前でアップルパイ、津軽三味線、冬に咲くさくらライトアップなどの様子を紹介します!
Tsuchinoco