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干潟のアイドル・ムツゴロウに会いに行く 国内旅行記・佐賀編Vol.1
こんにちは。ここでは日本の色々なスポットを巡りながら、その土地の魅力と感じたことを書き綴っています。
今回からは新シリーズ・佐賀編が開幕! 6月の上旬、九州の佐賀県へ旅行してきました。その記録をゆるーく綴っていきます。
旅の出発は成田空港から。
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この日の成田は発達した梅雨前線の影響により、記録的な大雨。無事飛んではくれましたが、離陸してしばらくはかなりの揺れで、結構怖かった…。
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関西あたりの上空からは、荒れた川の水が海に流れ出ている様子がはっきり。自然って凄いですよね。
成田から佐賀までの飛行時間は約2時間。ずっと外を眺めている内に到着です。
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佐賀国際空港に到着! こじんまりとしているけれどキレイで立派な空港。
さて、今回はめずらしく車を借りて移動します。行きたいところと観たいものがいっぱいで、少しの時間も惜しい。ビールもしばらく間我慢して最初の目的地に向かいます。
余談ですが、レンタカーで借りた車のサイドブレーキはボタンひとつで掛かるタイプ。普段乗っている車が古い&車に全く興味がないため、ボタンのブレーキなんて発想がなく、ひたすらレバーかペダルを探していました…。
出発から30分ほどで最初の目的地に到着!
海遊ふれあいパーク
ここに来た目的は、干潟のアイドル・ムツゴロウに会うため。かなり近い距離から彼らを観られるらしく、さながらライブのアリーナ最前列です。
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駐車場からしばらく歩いたところで、観察できるらしいので勇み足で向かいます。
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この日の現地はとっても天気がよく撮影日和。でも干潮の時刻は16時頃の予報で、当時は10時過ぎ。もしかしたらまだ見れないかなあ…と海をみてみると…。
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い、い…た…! 街中で好きな芸能人を見かけた時と同じように、一瞬頭が真っ白になったのちテンションは爆上がり。仕事中も恋焦がれ続けていた、あのアイドルに会える! と思いすぐに駆け寄ります。
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写真では見えにくいと思いますが、結構な数のムツゴロウがのそのそ歩いていていて、もうこの時点で佐賀に来てよかったと感涙。
さあ、バシバシ写真を撮っていきますぞ!!!
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いやあ、かわいい…。ただ、ぼーっとした顔とは裏腹に、ムツゴロウの警戒心は強め。写真を撮るために少し動くとすぐに巣穴に隠れてしまいます。
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いやあ、本当に実家の犬と同じくらいかわいいです。しばらくずっと似たような写真が続いてしまうので、ここで一旦、ぜひムツゴロウについて語らせてください。
佐賀が誇る珍魚・ムツゴロウとは?
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ムツゴロウはスズキ目ハゼ科に属する魚。国内では九州のごくわずか一部の海域・干潟でしか生息しておらず、その代表的なスポットが有明海です(いま居るとこ)。
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なぜ限られた海域にしか生息していないのか? それはムツゴロウの体構造と、有明海の限定的な環境が理由です。
皮膚呼吸ができるムツゴロウ!
ムツゴロウといえば、干潟の上をヒレでのそのそと移動している姿がお馴染みですよね。実はムツゴロウはエラ呼吸のほかに皮膚呼吸することができ、そのため水中でなくとも活動ができるわけです。
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ただ、ほかの皮膚呼吸ができる魚である、うなぎ、どじょう等とは違い、体にまとっているヌメリが少ないムツゴロウは、呼吸に必要な水分の保持が上手くできません。そのため、ときおり体をコロンと泥に転がして水分を補給する習性があります(萌え)。
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ムツゴロウはわがままボディ
ムツゴロウの皮膚は効率よく皮膚呼吸を行うために、ほかの魚と比べるととても薄いのが特徴。そのため海底・干潟の泥の粒子が大きいと、呼吸がしずらい、体が傷つく、といった問題が生じてしまいます。
日本のほとんどの海域では、ムツゴロウの要求する細かい粒子の泥はないため、生息地が限定されているのはそれが大きな原因です。
まったく…手のかかる子たちです(好き)。
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有明海の奇跡的な環境
有明海の海底・干潟に溜まっている泥は、およそ9万年前に噴火した阿蘇山(熊本県)の火山灰が堆積したもの。砂や土よりも粒子が細かく、水と混ざると、まるでスライムやクリームのように滑らかな感触で、肌触りバツグン。そのため、超繊細肌のムツゴロウでも生息ができるのです。
さらに有明海は潮の干満の差が日本で一番大きく、その差は最大7mにもなります。この大きな潮の動きによって海中のみならず、ムツゴロウが棲む泥にも満遍なく酸素が行き渡り、餌となるケイ藻類や、他の生物たちを豊かに育てているとのことです。
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まだまだ語りたいことはありますが、流石にみなさん飽きてくる頃だと思うので、ここらで一旦解説はストップ。
目がハートの形をしていたり、求愛のダンスや食事シーン、体の青い斑点などなど、ほかにもたくさんの特徴があるので、気になる人はぜひ調べてくださいね!
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夢中で撮影を続けて1時間。次の予定が迫ってきているので、また来ることを誓い、ムツゴロウたちに別れを告げます。絶対また来ます…!!
ちなみに、ムツゴロウは食用可能。実はこのあと食べに行ったのですが、運悪く品切れ…。残念、今度は絶対に食べてやります…。
最後に少しだけ。
今回の主役・ムツゴロウですが、実は最近まで絶滅が危惧されている魚でした。
干拓の開発、海中ゴミ、乱獲が原因で生息数が激減していましたが、地元の人々の環境改善、保護活動によって絶滅の危機を回避したとのこと。
自然と共存するというのは、時に難しいかもしれません。でも、不可能ではないはず。
自分がこうしてムツゴロウに会えたのも、人々の努力と知恵のおかげ。たくさんのことに感謝していかなければなあ、改めてと感じました。
この記事をみて、少しでもみなさんにムツゴロウとそういった人々への興味を持っていただけたらとても嬉しいです。
それではまた!