春を呼ぶ八戸伝統の神事「えんぶり」を見に行く 国内旅行記・青森編Vol.4
こんにちは、Tsuchinocoです。日本の色々なところを旅して、その土地のこと、感じたことを書き綴っています。
今回は青森編の第4弾。八戸の伝統の神事「えんぶり」を見に行った記録を紹介します。
本州最北端の地「大間崎」で一晩過ごし、明朝からバスと電車を乗り継ぐこと4時間半ほど、青森県の第ニの都市「八戸」に到着!
すでに町中ではお目当てのえんぶりが行われていましたが、詳しい話はのちほど。とりあえずご飯を食べに行くことに。
さて、やってきたのは地元のラーメン屋さん。ここで八戸ラーメンをいただきます。
いざ着丼! なんてノスタルジックなビジュアルなんでしょう……。煮干しがふんわりと香るスープは、シンプルではあるけれど奥深くに色々な食材の旨味を感じます。ちぢれた細麺もどこか懐かしい。心が満たされる感じで、とっても美味しゅうございました!
■春を呼ぶ八戸伝統の神事「えんぶり」
自分が「えんぶり」を知ったのは、2023年の3月のこと。おすすめで前振りなく流れてきた動画には、大きな烏帽子を被って力強い舞を披露するおじさんが映っており、その姿に一目惚れしてしまい、絶対に現地で観に行く、と決意しました。
※「八戸トピックス Hachinohe Cable Television」YouTubeより
そもそもえんぶりって何? という人に向けて簡単に解説を。
えんぶりとは、八戸地方で伝統的に伝わる神事・お祭りのこと。
毎年、2月17〜20日に行われ、その年の豊作を祈る、新緑が芽吹く春を呼ぶことが目的とされています。
田植えをはじめとした農作業などの動作を表現した独特な動きの舞のほか、古くから伝わる伝承を演じる舞もあります。
詳しく書くと長くなるので、気になる方はこちらを参考に。
■荘厳な雰囲気の中で舞う「お庭えんぶり」
えんぶりは本八戸エリアの様々な場所で行われますが、なかでも国の登録有形文化財「更上閣」で行われるお庭えんぶりは、荘厳な雰囲気を味わえる特別な公演です。
更上閣の内部はこんな感じ。縁側から部屋の奥までずらっと客席が並んでいます。
客席にはえんぶりのガイドブックや、ちょっとしたお土産が用意。さらになんと、八戸エリアの郷土料理である「せんべい汁」と「甘酒」がサービスされます。
せんべい汁が冷えた体に染みわたる…! 南部せんべいってそのまま食べると物足りないけど、これはおいしい。
また、ほかにも会場ではおつまみやお酒(熱燗)の販売コーナーもあります。ほとんどが青森にゆかりのあるものです。
地元のお酒をいただきながら伝統行事を見られるなんてとっても贅沢ですよね。
さあ、いよいよえんぶりがスタート。前半に行われるのはゆっくりと優雅な動きが特徴の「ながえんぶり」。主役(太夫)の烏帽子には牡丹や白いウツギの装飾が施されており、とっても華やか。
動きは大人しめ、とはいいつつも、全身を大きく使った舞は迫力があります。
えんぶりの演目ではお馴染みの『えびす舞』を踊るのは、およそ中学~高校生くらいの青年。100人以上の前で堂々と演目をこなしていて、最高にクールでした!
後半は、ながえんぶりとは反対に激しい動きが特徴の「どうさいえんぶり」。えんぶりの烏帽子は、農耕や荷運びなどで重要な存在だった馬を象ったもので、馬のたてがみのような飾りを豪快に振り回す派手な舞はどうさいえんぶりならでは。
調べてみると、烏帽子はおよそ2~3kgあるらしい。しかもデカいから振り回すので、首への負担が大きそう。
主に子どもが演じる事の多い「松の舞」は、松の枝を持って踊ったことが由来とされているもの。声高らかに演技する子どもたちがとってもかわいい。
松の舞を踊る子どもたちよりも、少し年齢が上の子どもたちが躍るのは「えんこえんこ」という演目。
銭が付いた輪をが付いた「銭太鼓」という道具を持ちながら踊るのが伝統だそうですが、今回は銭太鼓を使った新しい舞を披露していました(南京玉すだれ的なやつ)。なんでも子どもたちからの発案だそう。
伝統の上に新しいアイデアを組み合わせる。しかもそれが若い世代からの案なんて素晴らしい。
さて、約2時間のプログラムを経て、これにてお庭えんぶりは終了。
正直、今回座っていた席が2列目だったので写真はちょっと微妙……だったけれど、憧れていたえんぶりを生で観ることができて感無量!
■人情たっぷりの素敵な八戸の夜
さて、えんぶりを鑑賞したあとはもちろん飲みに行きます。
やってきたのは「八戸みろく横丁」。八戸はかねてから横丁文化が根付く街。そこら中に雰囲気のある横丁がたくさんある中、みろく横丁は雰囲気も明るくアクセスも良いので、気軽に立ち寄りやすい横丁です。
日曜日の夜遅くだというのに、どこのお店もお客さんがパンパン。なんとか入れたお店で晩酌です。
地元のおじ様やお姉様たちとの談笑がとっても楽しい! 八戸の人たちは誰もが「八戸はいいところ」と胸を張って口にしていたのが、とっても印象に残っています。そんなに長く滞在していないけれど、それには自分も同感。八戸は本当にいいところだと思う。
さて、今回はここまで。次回は青森編最終回! 三戸と八食センターを巡った記録を紹介します! (もう5カ月も経過しているので、早く早く書かなければ……!)
素敵な旅を!
Tsuchinoco