文章は耳からはじまる
数日前のツイッターで、ミュージシャンのつんくさんが書いたnoteを引用した。
読めばだれでもわかるが、内容が面白くて、文章も読みやすい。ぼくはこれまで長いnoteを読むのが苦手だったので、自分でも短く書こうと努力してきた。しかし、つんくさんの文章を読んで認識が変わった。長くてもラクに読めるものもあるのだと。
読みやすく感じた理由は3つあると思う。
①文章の流れが良い
②書かれているアイデアがおもしろい
③ぼくが文章を読みなれている
③については割愛する。②についても、着眼点をかんたんにまねるのは無理なので割愛。
今日注目したいのは①である。あの文章の流れの良さは、作詞家ということに関係があるのではないか。つまり音だ。
詞は、メロディがつくことを前提に書かれたコトバなので、音やリズムがとても大切なはずだ。そういう作業を長年続けてきた人だからこそ、あれだけ流れのよい文章が書けるのではないか。
だとすれば、ぼくらが読みやすい文章を書く際にも、参考にすべきは音の流れに注意することだ。意味の流れだけでなく、音がスムーズに流れているかどうか。どこかでひっかかってないか。
そのためには、流れのよい文章にたくさん接するのがいい。そこでおススメなのは名文の朗読です。
ぼく自身は、
・俳優の加藤剛さんが朗読した、川端康成『雪国』
・俳優の神山繁さんが朗読した、永井荷風『濹東綺譚』
・俳優の鈴木瑞穂さんが朗読した、夏目漱石『夢十夜』
を寝る前によく聞いている。名優が朗読しているので自分で黙読するより文章のリズムがよくわかる。
3作とも新潮社のオーディオブックで、すでに廃盤だが、ほとんどの市立図書館に備えられているみたいなので、かんたんに借りられる。
名作にこだわる必要はないし、自分の好きな作品でいい。流れのよい文章を耳で聞くのが、よみやすい文章を書くためのいいトレーニングになると思う。