年齢に応じて飲み方も変わる
むかしむかし、サントリースーパーホップスという発泡酒があったんだけど、安くてまずい発泡酒として有名だった。
ネットを検索すると、
-マズかった
-飲めたもんじゃなかった
-嫌いだった
などいう回想がヒットする。
たしかに、そうだったのだろう。麦芽を67%以上含んでいるものが当時のビールで、67%未満、25%以上が発泡酒だったんだけど、スーパーホップスはなんと25%未満だった。
しかし、ぼくはスーパーホップスが大好きだった。安いからだ。いつも量販店で24缶入りの箱を肩に担いでアパートに持って帰っていた。
当時は、よくジョギングをしていたけど、あれは帰ってからスーパーホップスを飲むためにやっていたようなものだった。
またまた古い話になるけど、かつて「アフタヌーンショー」というワイドショーがあり、司会の川崎さんという人が
と番組の中で語っていた。夏に、窓を閉め切ったクルマでエアコンをつけなければ、それはサウナなんだけど、そこまでしてビールをおいしく飲みたかったのだろう。わかる気がする。
ただし脱水症状を起こすのでおすすめはしない。
ぼくもさいきんは、まず水をグラス一杯飲んでからビールを飲むようにしている。こういうことをするとビール好きからなじられるのだが、安全第一である。
そして、安全第一になってからは発泡酒もあまり飲まない。ドライとかラガーとかエビスなどという普通のビールを飲むことが多いが、一番好きなのが黒ラベルである。
バランスがよく、過度の自己主張がなく、料理の味を引き立ててくれるいいビールだ。刺身のような素材の味を引き立てる。
プレミアムモルツもいいが、フルーティーでコクが強いので、バーで渋くきめるための酒だ。ミックスナッツには合うが刺身には合わない。
アサヒのドライもいいけど、やや荒っぽい味わいなので球場でホームランを見るときに飲むのがベスト。からあげ、たこ焼きにあう。
このようにベストビールはTPOで変わる。
とはいえ、じつは最近まで発泡酒でいいと思っていたのである。しかし、あるとき深夜にトップバリューの「富良野生ビール」というのを飲んでいて、あまりの味に
と思い直してから、ちゃんとしたビールを飲むようになった。
その意味では富良野生ビールに感謝しているけど、あれでもスーパーホップスよりはおいしいはずだ。
人間というのは変わっていくものである。スーパーホップスを飲んでいた頃は、ビールの味より、いかに汗をかくかのほうが重要だった。
ちなみに、5キロ走りこんでから富良野生ビールを6本飲むのは若いうちしかできないので、20代のころから「プレモルがどうたら」いうのはもったいないと思う。