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ソーシャルディスタンスをどう訳すか

今年は新しい言葉が増えに増えたため、流行語大賞もタイヘンみたいだけど、訳すのも大変だった。今日はめずらしく仕事にからめて年末バナシです~。

最初に"social distance strategy"という言葉を聞いたときは、いろんな社会学者の記事や論文を参照して、どうやら「社会距離戦略」と訳すのが学会の定番らしいということがわかったのでそう訳した。しかし、ジャパーンの世間はあっさりとソーシャルディスタンスで落ち着いたのであった。

まあ、わかりやすいのがいいよね。

"contact tracing"は、またちがう。そもそもビジネス関連で「コンタクト」の定訳は「取引先」である。なので、最初は取引先の追跡かと思っていたが、どうやら感染者の接触履歴を追跡することらしいとわかってきた。そこで「接触追跡」と訳すことにした。だが、これもソーシャルディスタンスの流れで、ルー大柴化するのではないかといちはやく時代の流れを感じ取ったボクは「コンタクトトレーシング」を推したのである。しかし、ジャパーンの世間は「接触確認」で落ち着いた。わからないものだ。

最近だと"transformation"がある。この数年「変革」と訳していたがこのところウェブでは、「トランスフォメーション」とそのままカタカナ化する"ルー現象"が頻発している。そこでぼくも12月に入ったあたりから、トランスフォメーションにチェーンジしているのだが、クライアントがどういうディシジョンを下すのかはノットクリアー。

いずれにしろ、訳者が自分の技にこだわってどう工夫するかどうかはあまり問題ではなくて、それを読んだビジネスパーソンが受け入れるかどうかがポイントだ。「デジタル変革」より「デジタルトランスフォメーション」のほうが見てくれがイイいいとビジネスパーソンが感じれば、そっちが流行るので、そっちの流れに乗る。

というわけで、このnoteでは毎日好き勝手なことを書いているワタクシですが、普段の仕事では、我を出すこともなく、オトナの対応に終始しているのであります。

初めて聞く言葉の多いということは、初めて遭遇する事態が多かったということですねえ。来年はどーなるんだろー。

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