私がガチ恋さんを避ける理由【前編】
こんにちは、ふうかです。
今回は私の昔話だよ。
大きく感情が動く出来事
って
いつ己の身に降りかかるものか
誰にも想像できない。
「大きく感情が動いた場所」
に足を踏み入れると
無意識でちょっとした
緊張感を人は抱くものなんだって。
人の記憶装置を支配しているのは感情だ
と心理学を学んだ時に知ったんだけど
過去を思い出してみると妙に納得したんだ。
そんな中でもちょっと重めの話。
少しでも軽くお話しできるために
ストーリー調にしてみたよ。
コーヒー片手にどうぞ。
その男、矢島先輩。
学生の時のこと
よくOBが出入りする部活に所属していた。
その先輩とも部活で出会った。
仮に矢島先輩としよう。
お互い車が好きで話が合い
矢島先輩はとても素敵な車のオーナーだった。
愛車の写真を見せてもらっては
かっこいい!
かっこいい!
と褒めていた。
何度目かの部活での交流の後
先輩は私に連絡先を聞いてきた。
『嫌いではなかったし
趣味が合うし
色々教えてくれるし
まぁ、いっか』
そんな気持ちで連絡先を交換し
その日は別れた。
夜、寝る前に一通の連絡に気づいた
「今日もありがとう
会えて嬉しかったよ。
たまに連絡していい?」
私は当たり障りなく
「ありがとうございます!
私もお会いできて嬉しかったです!
はい!いつでも連絡ください!」
と返した。
すぐに一言
ありがとう。おやすみ。
と返事が来た。
部活で疲れていた私はそっと画面を閉じ
眠りについた。
矢島先輩は本当にたまに連絡をくれた。
「今日はお台場まで走りに来たよ!
今度ここでモーターショーやるんだよね」
「また来週部活に顔出そうと思ってるんだけど
ふうかちゃんいる?」
(私は他の部活と掛け持っていたため
毎回部活にいるわけではなかった)
いつも何通かのやり取りをして
話は途切れていた。
基本的に私が連絡無精だったからだ。
すると矢島先輩からの連絡は
徐々に頻度が増えてきた。
連絡が増えただけなのに。
「次いつ部活いる?」
「今日はちょっと山梨までほうとう食べに来た〜」
単純接触効果
というものだろうか
頻繁に連絡を取ることが習慣になっていったし
それが自然なことになっていた
部活に行けば矢島先輩に会って
直接話ができる
そう思った私は
以前よりも頻繁に部活に行くようになった。
そんなある日
部活に矢島先輩が来てくれた。
「イチゴのケーキ買ってきたから
みんなで食べよう」
みんなで一度休憩しようということになり
早速手を洗いに水道に向かった。
「矢島先輩、いつも差し入れ
ありがとうございます」
「好きでやってるから気にしないで!
ほら、イチゴのケーキ好きって
ふうかちゃん言ってたじゃん」
「あ、覚えててくれたんですね」
ある日のやりとりで
イチゴのケーキが一番好き
という事を伝えていた
こういうスマートな振る舞いって
かっこいいなぁ
そんな感情が顔を覗かせていた。
その日の夜は
私から連絡した。
「今日はありがとうございました
矢島先輩が下さったイチゴのケーキ
すごい美味しかったです」
お風呂に入る前に送り
私は本を持って長湯をした
お風呂上りに冷やしたジョッキに
キンキンに冷えた牛乳入れて飲み干し
矢島先輩から返事が来ているかと確認すると
20分前に連絡が来ていた
「喜んでもらえてよかった!
選んだ甲斐あったよ
ふうかちゃんの誕生日もお祝いしたいな
誕生日いつ?」
「来月の、29日です」
「おー!もうすぐだね。
何か欲しいものある?」
「えーっと、そうだな…
考えておきます」
基本的に私は昔から物欲がない。
何よりも食欲と睡眠欲が勝っているからだ。
今でも欲しいものがあるか聞かれると
とても悩む。
直後に矢島先輩から
「わかった!じゃあ今度
ウィンドウショッピングでも行かない?」
と誘われた。
これが最初で最後の矢島先輩とのデートだった。
最初で最後の矢島先輩とのデート
約束の日、私の最寄りまで
矢島先輩は迎えに来てくれた。
「お待たせ。いい天気だね。」
「そうですね!
これが例の愛車さんですね〜
う〜〜ん、かっこいいなぁ〜」
私がまじまじと見ていると
矢島先輩は一度車から降りてきて
隣どうぞ、と
助手席の扉を開いてくれた。
「相変わらず、してくれることが
とっても大人の方ですね」
「そんなことないよ。
さ、乗って。
まずはランチから行こう」
「安全運転でお願いしますね」
「当たり前だよ!
こんなに素敵な人と一緒なんだから
いつも以上に安全運転に努めます!」
ハンドルを握ると矢島先輩は
目がキラキラしていた
こち亀でバイクに乗ると
キャラ変わる人いたけど
あれなんて人だったかな〜
と思い、気持ちをごまかしていたが
初めての親以外の人の助手席
というものに内心とてもドキドキしていた。
小洒落たイタリアンでランチをしたのだが
パスタを頼めば可愛かったのだろうけど
肉食女子代表の私は
元気にイタリアンハンバーグを頼んでいた。
サイゼじゃないぞ。
お肉を頬張る私に矢島先輩は
今日どこに行こうか考えてきた
というプランを発表してくれた。
なんとなく知ってる名前の店から
普段自分でも足を運ぶ店まで
いくつか提案してくれた中から
ティラミスを食べながら厳選した。
サイゼじゃないってば。
その日は3つに絞って回ることにした。
最初に行ったのは
アクセサリーショップ。
正直未だにピンとこない場所だ。
なので省く。
次に行ったのは
お洋服屋さん。
私の私服を知っている
数少ない友人たち曰く
私は恐ろしいほどセンスがない。
恐ろしいほどファッションセンスがない。
ゆえに、ここでも持ち前の
やばいセンスを炸裂させてしまったので
比較的すぐにお店を後にした。
最後に行ったのは
いわゆるバラエティーショップ。
実は私は最初からここに来たかったのだ。
「何かいいのあ「これがいい!」
私は食い気味に
お店の中で一番大きい
リラックマのぬいぐるみの前に
矢島先輩を連れて行った。
物欲がないないと散々言った私が
唯一欲しいと思っていたのが
大きなリラックマのぬいぐるみ
だった。
「これは…大きいね…」
「一番大きいのがいい!」
「今日連れて帰るのは大変そうだね。
覚えとくね。」
「わーい(*^-^*)」
そのあと、スタバでフラペチーノを頂き
いろんな話をして楽しい時間を過ごし
夕方に最寄りに送ってもらった。
後編に続く
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