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大磯クリテリウム 2022年 第5戦ビギナークラス(2組目1位)レースレポート

2022年2月13日(日)、大磯ロングビーチで行われた自転車のレース大会である大磯クリテリウムのビギナークラス(2組目)に参戦し優勝。走行データや戦術、状況、心境を交えながらレースの振り返りをする。

コースについて

大会HPより引用

大磯ロングビーチの駐車場に設けられた1周880mほどの周回コース。画面右側の「平塚コーナー」は大回りのカーブとシケインがあり、画面左側の「小田原コーナー」は道幅が狭い180度ターンがある。

平塚コーナーのシケインはイージーではあるが、加速しながら曲がる為、それなりに注意が必要。小田原コーナーは侵入前にしっかり減速さえすればコケる事は少ないコーナーだ。

ビギナークラスでは10周回(うち1周ローリング)で約8.8kmほどの短距離勝負となる。

事前の作戦について

2021年秋に参戦した宮ヶ瀬クリテでは前を引き過ぎて消耗した事、ラストのアタックがまんまと発射台として利用された事の2点が大きな敗因として反省し、以下の点を事前に意識して臨んだ。

  • 先頭には自分から仕掛ける時以外出ない

  • 前の展開に反応出来る位置にいる

  • 他のアタックが起きれば乗る

  • どこかで自らアタックを仕掛ける

レースによって展開が違うので決めつけてはいけないが上記をイメージして、あとは流れに応じて対応しようと決めていた。

因みに、プロのレースで見るようなキレイな先頭交代はこのクラスではほぼ起きず、先頭にいる=消耗を意味するという事を少ない経験ながらこれまでに学んだ。(エンデューロレースでは先頭交代が必須な印象)

姑息かもしれないが、今回は極力消耗は避けてここぞというタイミングで仕掛ける走りを決めていた。

走行データ(周回別)と戦況振り返り

※最初の1周はローリングのためバイクが先導

当日は気温5℃、雨、ホームストレート区間が強烈な向かい風となる最高(最悪)な条件。寒さで震えが止まらない。23人エントリーで13人の出走も頷ける。

1周回目(ローリング)

スタートは3番手あたりにいたが途中で位置取りにしくじり、1周を終えるアクチュアルスタート時には身動きが取りにくい真ん中あたりにいた。まぁいい、焦る時間じゃないと心を落ち着かせる。

2周目

アクチュアルスタートから勢い良く飛び出す選手がいるか様子を伺っていたが、激しく逃げようとする選手はいなかったので、先頭の動きを確認しながらかなり後ろの方で待機。(と言っても13人だが。。)

3〜4周目

目立った動きがなく、なるべく人の後ろや集団の中でひたすら温存。パワーを振り返っても平均200W程と節約具合が分かる。この時はとにかく力を使わない事に全力を注いでいた笑

5周目

ここで少し動きがあり、先頭2名が仕掛けた様子で後ろもそれを追うようにペースアップ。ここでも特に焦らず、中切れだけに注意をしながら先頭の動きを見る余裕があった。2名のアタックも1周で吸収。今日は冷静でいられる自分に気付く。

6周目

前4名ほどのペースが徐々に上がって行くのを感じた。自分は7番目くらいに位置、前4名と中切れが起こり始めてるのを瞬時に察知してバックストレートで間を埋めに行く。何とか前の動きに付いていく。ここの反応がなければ取り返しの付かない遅れになったかもしれない。ちょっと焦った瞬間だった。

7周目

また少し動きが落ち着く。ホームストレートで一瞬先頭に出たが先頭の選手の表情を伺い、すぐ前を譲った。何故先頭に出たのか自分でも良く分からないが、今思えば先頭集団が緩んでいただけかもしれない。ここでアタックも面白いが、早すぎる気がしたのと、3名ほど常時頑張って先頭を引いていた選手をもう少し疲弊させようと4番手に留まる

8周目〜9周目

先頭3名と少し間が生じた。何故間が空いたのか分からないがじわじわ間が空くのを感じた。どんなやり取りか分からなかったが、先頭3名がコミュニケーションを取っているように見え、協調しているようにも見えた。マズイぞと焦る。

差が縮まらないが開きもしない。キツイ時間だった。ここで諦めたら終わる事を覚悟して何とか粘る。

9周目の平塚コーナーシケイン明けで知り合いから「前追いつけー!」と声援を貰い。バックストレートで踏み込めた。小田原コーナー前で何とか3番目の選手の背中に追いついた。この声援が無ければ負けていたかもしれない。ありがたい。

小田原コーナーで一瞬脚を休めて3番手の選手を抜き、ホームストレートで2番手の選手の背中を捉え、ここでも少し休憩出来た。

ラスト1周

ラスト一周のジャン(鐘)が鳴る直前で1、2番手の選手が一瞬だけ緩んだのを感じた。

ここだ!!

ジャンがなる中でとにかく全力で踏んだ。後に1名が張り付いて来るのが音で分かったが、とにかく自分の出せる力を振り絞り全力を出してそのまま突き進む。ラスト1周は一切後ろを振り返らなかった。

小田原コーナーでちょっと間を詰められたがコーナー明けも後は踏むだけ。ラスト100mほどでスプリント体制に入り、後ろの選手が視界に入る事なくゴール。

先頭でゴールするのはとても不思議な景色だった。当たり前だが、前に誰もいない。その瞬間は喜びというより不思議な感じだったのを記憶している。

走り終えて

ロードバイクに乗り2年半、競技を始めて1年ちょっと。レースも片手で数える位しか経験していなく、もちろん今まで着順に絡めた事すら無かった。ゴール後、一緒に走った選手と少し会話し別れた後に沸々と喜びが込み上げてきた。

ビギナークラスで決して満足はしないが、1位を取れたこと、勝てる走りが出来た事は純粋に嬉しい。そして、これから上のクラスに行き、もしかしたら一生勝てない可能性も十分にある。みんな頑張るし、本当に厳しいスポーツだ。

この嬉しさをまた味わえるよう努力しようと心から思えた。そして、欲を言うなら今度はチームで勝利したい。

自分が考える勝因

ビギナークラス1勝で偉そうな事は決して言うつもりはないが、冒頭に述べた前回の敗北から学んだことが活かされたと考える。

また、クリテリウムを意識した短時間高強度のズイフトでのワークアウトは本当に効いていると感じた。コーナー明けや中切れを埋める動きなどインターバル耐性がまさにそのもの。

そして実走ではなるべくチーム員と走り、強度だけではなくスキルの意識も欠かさず走れた事が大きい気がする。

おまけ走行データ各種

1番上のパワーデータはインターバル練のまさにそれ笑
パワーゾーン
心拍ゾーン。自分にしては安定している?

レース動画

この大会が有難いのはYouTubeにレース俯瞰動画を上げてくれるところ。

ありがとうございました!

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