間違いとわかっていても

Discussの後には名詞が続く、aboutはいらない。
こんな英文法は何度もやったし、テストで出れば100%間違わない自信がある。

ただ現実の会話の中で間違わないかと言うとまた別の話、何回かに1回どうしてもつい「about」と言ってしまう瞬間がある。

友人曰く、ネイティブでもよくやってしまうミスらしい。

ミスは誰にでもある、間違えても何くわぬ顔で話続ければいい。

ただ散々やってはダメと教え込まれたミスをしてしまうと、会話の途中、少なからず動揺し、流れを悪くしてしまうことがあるから始末に悪い。

特定の間違いに注目して、その表現は失礼にあたるだの、文法的に間違っているだの学生はおろか、なんなら社会人になってまで散々英語のテストばかりやらされていたのだから無理もない。

これは日本の英語教育のよくない点の1つだと思う。

自分は結構な英語文法通だと思う、これまで読んだ文法書は数知れず。

だからこそ頭が硬くなり、アメリカ
に来た当初はかなり苦労した。

所謂テストの点は高いけど…というタイプだったのだ。

例えば、愛読する文法書の1つに「with regard to(〜に関して)」は現代では古い、と書いてあるものがある。

だから、これは現代では使われない古語みたいな表現だと思っていた。

なんと自分の同僚はこの表現を多用するのだ!

なんなら「他の表現を知らないんじゃないか」と思うくらい、よく使う。

そして、その英語を聴いている自分も、他のメンバーまでその癖が移ってしまい、同じく多用。

あの文法書を書いた大先生はこの状況をどう感じるだろう?

他にも日本にいた時に、How come〜?はWhyとほぼ同じ意味だけど、砕けた相手としか使わないから、ビシネスでは御法度みたいな説明を某英会話教室で受けた。

だからか、バリバリのビジネスシーンで、アイビーリーグの1校に数えられるアメリカの超名門校の教授から受けた質問がHow comeで始まった時は、耳を疑った。

「初対面だし、私達まだ砕けた関係じゃないよね…?」
妙におかしくなったのを覚えている。

そんな経験を通じて、当たり前だけども「言葉は伝わってなんぼ」と言う考えに落ち着いついた。

丁寧な表現が必要なシーンは勿論あるけれど、これから英語を勉強する人にはニュアンスの違いなど気にせずにまずは会話を楽しんでほしい。

細かな違いは上級者になれば自然にわかってくる。

思えば自分はWould youとCould youの使い分けとか、あまり意味の無いところをうだうだと悩んでいたように思うから…

先日、日本に一時帰国した際に、書店の英語コーナーを覗いてみた。

昔英語のコーチングをしていたことがあったからか、どんな本が出ているか、ついつい見てしまう。

相変わらず、ニュアンスの違いを説明する本はそれなりに出版されていて、
タイトル曰く、その表現は失礼だの、ハラハラするだの、中にはネイティブがカチンとくるみたいなものまで様々。

思わず笑ってしまった。

おいおい、そんな些細なことで怒るなよ!

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