メルカリでバーキン買ったら警察から連絡が来た話
こんにちは。kikiです。
今回は少し経路の違ったエルメスに関するトラブルのお話を。
経験して少し時間も経ったこと、最近少し怪しい取引がメルカリで見受けられるので注意喚起を兼ねてnoteを書くことにしました。
つらつらと書いておりますので、少し長いですがお付き合いください。
メルカリでバーキン買ったら警察から連絡がきた話
何か欲しいものがあれば、「メルカリで売ってないかな〜」と、気軽になんでも買えるプラットフォームとして愛用しているメルカリ。
数年前、どうしてもエルメスのバーキンが欲しくて必死にエルパト（エルメスで目当てのものが欲しくて店舗を巡ること。エルメスパトロールの略称）をしていた。
なかなか出会えず、ふとメルカリを開いてみるとそこにはたくさんバーキンが出品されている。専門店で買うには高いが、少し背伸びすれば手に入りそうな価格帯もちらほら売れている。ただ、フリマサイトでバーキンを買うのはなかなか決心がつかない。そりゃそうだ、専門店より安いとはいえ定価より100万円以上は高い。
そこから私はエルパトをしつつ、メルカリで専門店より割安でバーキンが買えないか、並行して探し始めることにした。
メルカリパトロールとエルパトを並行すること数ヶ月。なかなかバーキンに出会えない日々を過ごしていた。そんなある日、当時同棲していた恋人が深夜に腹痛を訴える。
ちょっとした腹痛なら「整腸剤飲んで様子見ようか」ですむところだが、尋常じゃない痛がりよう。それに加えて脂汗まで出ている。これはさすがに…と思い救急車を呼び、そして総合病院に運ばれた。
その場ですぐ帰ってもよかったのだけれど、もう電車もなく、何より大丈夫か気になって仕方がなかったので、待合で待つことに。待合には同じく救急搬送で付き添った方々が何名かいらっしゃった。
どれくらい待つのか…
すでに深夜1時。明日は仕事だけど、とりあえず上司に連絡しないと、と上司に明日少し遅れて出勤したい旨を申し出た。すぐ「了解」と返事が来て、自分の勤め先のブラック企業さを垣間見る。
病院の待合とはとにかく暇で、深夜でもありテレビも当然ない。待ち時間が読めない中待つのは、いつも以上に時が長く感じるのはなぜだろう。と思いながら、メルカリを立ち上げていつものようにバーキンを探す。すると。
つい5分前に出品された、美しいバーキンがあった。そして、値段も定価＋40万円程度と、これまでの労力やこれからバーキンを探し求める苦労を考えると十分リーズナブルに感じる値段だった。
ーこれは、深夜にも関わらず恋人の救急搬送に付き添い続ける私へのご褒美なのだろうかー
今までこんな時間にメルカリでバーキンを探したことはなかったし、こんな時間だからこそライバルは少ないはず。
私は急いでコメントをした。
私「こちらはどちらで購入されたものですか？また購入時点のレシートや正規品であることがわかるものは付属しますか？」
出品者「〇〇百貨店です。レシートとショップカードをおつけすることは可能です。ご検討ください」
私「ありがとうございます。目立つ傷などはございますか？」
出品者「特に見当たりません。追加画像をアップしましたのでご確認ください」
これはきっと、朝まで置いていたら売れてしまうだろう。私は、少し躊躇しながら購入ボタンを押した。心臓がドキドキしていた。何ヶ月にも渡って求めてきたバーキンをついに手に入れたも同然なのだから。加えて、百万円単位の決済をしたことも初めての経験だった。
そこから数十分すると、恋人の応急処置が落ち着き看護師の方に呼ばれて処置室に入室できた。結果的に恋人は即入院となった。
その時もちろん恋人の心配はしていたが、内心どこかで「その間にバーキン届くといいな」と思っていた。こんな大きなお買い物は内緒にしておきたかった。
そして、わずか1日でバーキンは到着した。
ドキドキしながら開封をすると、ふわっと香る革の匂い。これが、バーキン。到着が嬉しくてたくさん写真を撮る。これで私もようやくバーキンを手に入れたのだ。すぐに受け取り評価を…と思ったが、過去SNSで「ブランド物を買った時は買取店に出してから値段がつくか確認したらいい」と見ていたので、一番近くの買取店へ行った。
その店は店長が1人しかいない。バーキンを持ち込むととっても驚き、「高価な品なので30分ほど欲しい」とのこと。少しの間預けることに。
しばらくして店に戻ると、「250万円でどうでしょう」との回答だった。心底驚いた。
売ってくれととても熱意を感じたが、目的は換金ではなく買取可能か（＝スーパーコピーではない）の確認だったので固辞して失礼した。
帰り道、心から幸せを感じていた。
実は心の中で、少し偽物を疑っていたからだ。
ーよかった、こんなに幸運なことはないー
本物だと安堵し、受け取り評価をしないと…と思いながら帰宅している途中、どこからか「もう一つ買取店に出した方がいい」と聞こえた気がした。
高価な取引なので、早めに受け取りした方がいい、が、この声を無視してはいけない気がした。今から銀座行けば、2時間以内に受け取り評価ができる。出品者に迷惑じゃない範囲だろう。
そこから急いで銀座へ向かった。
さすがは銀座、徒歩圏内に5軒も買取店がある。
まずは、エルメス専門の買取店へ。
そこで衝撃の言葉を聞くことになる。
「これは買取できません」
頭をトンカチで殴られた気分だった。
複数の買取店を回って、結果的にどこも買取不可だった。そして、最後に行ったお店は、見るや否や一言。
「ほんとは言えないっすけど、バッチリ偽物ですね。触っただけでわかります。これいくらで買ったんですか？」
頭が完全に冷えた。
どこかで信じたくなかったが、ここまではっきりと言われてようやく現実を受け止めた。
【これは本物のバーキンではない】のだと。
メルカリで出品者に連絡を取った。
嘘をつく必要もない。正直に買取店に査定に出しこと、メルカリの規定に則り返品させてほしい旨を伝達する。
出品者はお詫びと共に指定住所に返送してほしいとのことだったので、すぐ返送して、すんなりと取引キャンセルが成立。無事手元にお金が返って来た。
せっかく手に入れられたバーキンだと思ったけれど、やはりそう甘くはなかった。危うく偽物に百万円以上のお金を費やすところだったのだ。メルカリでバーキンを探すのはやめよう。と誓った。
そこからしばらくして、この取引のことをすっかり忘れていた頃に警察からいきなり連絡が来たのだった。
警察「いきなりすみません。〇〇さんの携帯でよろしいですか？〇〇警察署の△△と言います。今お時間よろしいですか」
人間、警察からいきなり連絡が来るとパニックになるもので、心臓がバクバクした。
（例え悪いことをした覚えがなくても、大いに焦るのはなんでなんでしょうね）
まるで身に覚えがない。そして〇〇警察署は全く縁もゆかりもない土地。そのまま言葉を待つ。すると、
警察「以前、メルカリでバーキンを購入しませんでしたか？」
なるほど、あの時のバーキンか。
警察から連絡が来たということは、あの出品者は捜査対象になっていて、もしかして複数の被害者がいるのかもしれない。
忘れかけていたはずなのに、すぐ察した。
私「はい。少し前ですが。でも、買取店で買取不可と言われたので偽物の可能性が高い為、取引はキャンセルしました」
警察「え？そうなんですね。」
私「はい。なので私の手元にバーキンはないです。」
警察「そうでしたか…」
警察はきっとメルカリで偽物のバーキンを買わされた被害者だと思って電話掛けてきたのだろう。取引をキャンセルしたことに驚いた様子だった。
少し前まで心臓がバクバクしていたが、なんだか無性に出品者に腹が立ってきた。やりとりは丁寧だったが、こうして警察から連絡が来たということは初めから、誰かを騙すつもりでメルカリにバーキンを出していたこと。バーキンが犯罪に悪用されていること。丁寧にやり取りをしたフリをして私を騙そうとしていたことに。
逮捕されてほしい。
そう思いを強く持った。
私「取引キャンセルの際、返送先住所や宛名を聞いているのと、取引のスクリーンショットを撮っているのですが、参考になりますか？」
警察「ありがとうございます。よければ教えてください。」
すっかり忘れていたが、念のため色々とスクリーンショットを残していた。何度かの警察とのやりとりの後、私からも質問した。
私「どうやってこの番号がわかったんですか。」
警察「はっきりとどことは言えないんですが、捜査協力を要請して知りました。」
私「ちなみに、警察が動かれているってことはこの出品者はいくつか悪いことをされてる方ってことですか。」
警察「被害届が出ているのは事実で、どの程度の被害があるかはまだこれからです。」
私「わかりました。」
その後も少しやり取りをして電話を切った。
改めて、取引をキャンセルして良かったと思うと同時に、複数の買取店に行って心底良かったと思った。あの時、もういいやと取引を完了していたら私は『被害者』になっていたのだろう。
九死に一生といえば大袈裟かもしれないが、まさにそんな経験だった。
ここまで読んで頂いて、私から注意喚起したいことは以下の3点です。
フリマサイトでブランド品を買う時の注意事項
・基本的にフリマサイトでブランド品を買わない
・フリマサイトで買う場合は、信頼できる方や二次流通専門の出品者から買うこと
・買う場合、①開封動画をしっかり撮る、②安心鑑定などを活用する、③複数の買取店に持ち込む（正規店に修理持ち込みも手）、④受取評価は「絶対に本物」と複数人が自信を持って言えてから にすること
今思えば怪しいことばっかり！なのですが、都合よく解釈したくなるのがバーキンの魔力なのでしょうか。
私は幸い被害なかったですが、全国のどこかに被害者がいるのは事実ですし、最近メルカリでも怪しい出品物が売れていて、今も被害にあっている方がいるかもしれません。
情けないお話でしたが、これを読んでいただき少しでも同じような思いをする方が減ることを願っております。