ソーシャル分野に明るくないデザイナーの私が、ソーシャル・ベンチャーを支援する団体(SVP東京)で2年間過ごして分かったこと【後編】。
私は2018年の4月からソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(以下、SVP東京)というNPO法人にパートナーというカタチで関わってきました。この4月から3年目に突入しています。ソーシャル分野に明るくなかった私がこの目で見て経験した、SVP東京の実態(?!)についてリポートします。
前編をご覧になっていない方は、前編からご覧ください。
後編では主に投資先「にんしんSOS東京(現在はピッコラーレ)」との協働ストーリー(採択後)をご紹介します。投資先との協働スタイルは団体の状況によって様々です。したがって、本記事に書かれている体験談はあくまで一例であり、私の経験の断片に過ぎません。
リーダーはふたり体制がいい
前編で書いた通り、私が仮の協働期間から応援していた団体は、2次選考を無事通過しました。
どのタイミングだったかは忘れましたが、「ソーシャル分野に明るくない私にリーダーが務まるのか?」「そもそも本業との両立はできるのか?」「他にリーダーを希望する人がいるのではないか」と思った私は、チームに対してリーダーの再検討を提案しました。ちなみに、SVP東京では、VチームのリーダーをLP(リードパートナー)と呼んでいます。
すると、「マサさん一緒にやりませんか?」と、Wリーダーの提案と同時にリーダーに立候補するパートナーが現れたのです。私と同じ2018年入会のRさんです。これには驚きました。その時の状況を詳しく覚えていませんが、結果的にRさんとダブルLP体制で団体を支援することになりました(その後、SVP東京ではダブルLPが定番になりました)。
Rさんは、外資系金融会社の代表取締役社長を務めている方で、1次選考通過後にfacebookメッセンジャーで、仮Vチームに参加したいと私に連絡をくれた方です。当時、私はRさんのバックグラウンドをまったく知りませんでした。ただ、自分とは考え方や価値観が異なり住む世界が違う人であることは、最初の打ち合わせにおける発言や態度から分かりました。
ダブルLP体制でのスタートは、困った時や忙しい時に助け合えるという意味では少し気が楽になりましたが、当時は、Rさんと対等にやっていけるのかと別の不安がありました。
多様なリーダーシップを受け入れる
私はRさんと一緒にVチームのリーダーをやることになったのですが、そもそもリーダーシップのスタイルが真逆です。分かりやすく例えると、Rさんはピラミッド型組織の頂点にいる方なので、どちらかと言えばグイグイ引っ張る系でした。
逆に私は、そもそもVチームのように自律した個人が集まったチームは全員がリーダーでよいと思っており、言い換えるとメンバー全員が目的を共有し、後は各々が(必要に応じて)協力しながら、その人らしいリーダーシップを発揮すればよいと思っていました。
また、仮の協働期間中に先輩パートナーから、「リーダーが頑張りすぎるのもよくない」というようなアドバイスも頂いていました。そんなこともあって、私自身は自然体で「支援先団体との窓口です」くらいのスタンスでリーダー役を捉えていますし、Rさんのやり方も受け入れています。
このような関わり方がベストかどうか分かりませんが、Rさん流のリーダーシップにも支えられて、ダブルLP体制のカタチが少しずつ出来上がっていったのも事実です。Rさんには本当に感謝しており、経営者の視点や人との接し方など多くを学ばせていただきました。
Vチームメンバー(一部)
結果的には、協働が破綻するといった大きなトラブルもなくお互いに支え合って相談しながら、Vチームのメンバーと一緒に団体の支援ができているのかなと思います。もし仮に私ひとりでリーダーをやっていたら、どんな結果になっていたか想像できません。
協働1年目の課題は土台づくり
私たちが経営支援に関わることになった団体の1年目における課題を一言でいえば、事業を前進させるための土台(組織)づくりだったと思います。
これはSVP東京に支援を求める多くの団体に共通する課題です。少し考えてみれば当たり前のことですが、事業の拡大フェーズにおいては、人とお金をどのようにして集め、それらのリソースをいかに最適に配分するかが重要になります。社会課題に対する想いから起業した社会起業家にとって、最初に直面する大きな課題と言えるでしょう。
この土台づくりのことを別の言葉で、「キャパシティー・ビルディング」と呼びます。公益財団法人 日本女性学習財団のWebページよれば、「組織的な能力・基礎体力(キャパシティ)を形成・向上・構築(ビルディング)していくこと」と、その定義が紹介されています。
また、米国の非営利組織では、キャパシティー・ビルディングの構成要素を4項目挙げているようです。
・リーダーシップ力
・適応力
・マネージメント力
・技術力
ソーシャル・ベンチャーが、志を同じくする創業メンバーだけで走っていたステージから次のステージに進むためには、自らを振り返り、組織強化と持続可能性の向上に向けて何が必要かを認識することが不可欠です。
私たちSVP東京のVチームは、社会起業家の想いに共感しながらも、第三者的な視点でアドバイスなどの支援を行っています。
キックオフ合宿で他メンバーを巻き込む
最終選考も無事通過し、本格的な協働がスタートするタイミングで、私たちは日帰り合宿を企画しました。合宿の目的は以下の2点だったと思います。
・SVP東京Vチームと団体メンバーとの関係作り(チームビルディング)
・「団体が目指すありたい姿」と「実現に向けた課題」の共有
初めての合宿(2018年9月)
本協働に入ると、団体側から打ち合わせに参加するメンバーが増えることがよくあります。すると、「SVP東京って何?」「この人たち誰なの?」「どんな風に関わってくれるの?」と思う方が必ず現れます。また、本協働からVチームに入るパートナーの方もいます。
お互いのことをよく知らないまま、話し合いを進めてしまうと、どうしても立場や役割で関係性がつくられてしまいがちです。
そこで、チームビルディングでは、私が以前開発した「インタレストマップ」という手法を使って、お互いのことを理解する時間をたっぷり設けました(ファシリテーションは他のパートナーが実施)。
チームビルディングワークの様子
また、合宿の後半に実施したワークでは、団体が目指す方向や、協働期間に取り組むべき課題がざっくり意識合わせできたと思います。
キックオフ合宿の最終アウトプット
この合宿がきっかけとなり、SVP東京との定例会に参加する団体メンバーが増えたのです。
定例会の空気が悪い
協働のベースとなるのは団体との定例会です。1年目は月に2回のペースで実施しました(1回2時間)。下の写真は、半年くらい経った頃のものだと思います。
団体との定例会の様子(最大これくらいの人数でやってました)
女性が大半だということもあり、基本的には終始賑やかで、笑いも絶えません。毎回テーブルの上にはお菓子がいっぱいです。写真からも楽しそうな雰囲気が伝わってくるかと思いますが、実は最初からうまくいったわけではありません。
合宿直後に実施した定例会では参加人数も増えたため、特定の人が(意図せず)発言を独占してしまい、ぐいぐい引っ張っていく場面があったり、数名のメンバー間で会話のやり取りが始まって、他の人は置いてきぼりという状況もありました。
これでは、SVP東京との打ち合わせに興味をもって参加してくれた団体メンバーのモチベーションやコミットメントが上がりません。お互いの気持ちも離れてしまいます。定例会の帰り路に一緒になった団体の方からも、この点についてフィードバックを頂きました。
またしても早いうちにお互いが思ったことを安心して話せる関係を作ることが必要だと思いました。
定例会をワークショップに変える
また、キックオフ合宿の場では対等な関係が築けたように見えていましたが、定例会になると、SVP東京と団体との間に上下関係を感じさせる発言や態度が時々見られました。
団体の方から「私たちは、SVP東京の意見に従わなくてはならないの?」とストレートに言われたこともあります。
本協働がスタートした初期段階で、SVP東京のVチームと団体から定例会に新しく参加したメンバーとの間で信頼関係をつくることはとても大切です。最悪の場合、お互いの関係が悪化し、協働が事実上ストップしてしまうことだってありえます(夫婦の離婚と同じですね)。
そんな危機感を感じた私たちは、何度目かの定例会から、私がファシリテーション役を担うようになりました(Rさんからご提案いただきました)。事前に団体側と決めたアジェンダと当日の参加人数を考慮し、私の方で進め方をワークショップ風にデザインしたのです。
正解よりも納得解
定例会をデザインする上で、私が大切にしていたことは、以下の3点です。
・全員が会議のプロセス全体に主体的に関わるようにすること
・ポジティブな空気をつくり、協働へのモチベーションを高めること
・その場で結論をだすよりも、関係作り(他者理解)を大切にすること
どれも私がいつもワークショップをデザインするときに大切にしていることですが、特に(3)については意外に思われる方が多いかもしれません。
仮の協働期間の頃から、協働の場で求められているのは、「(誰かの考えた)正解」ではなく「納得解」なのではないか、という仮説がありました。
そのために必要なのは、まず最初に多様な意見を判断せず話し合いのテーブルに出すことです。その後、それらの意見やアイデアをグルーピングしたり関連付けたりして、ディスカッションを進めます。そうすると、ある程度方向性が見えてきます。
基本的な考え方は以上ですが、リモートで参加する方がいたり、定例会を行う会議室の制約もあるのでやり方は毎回工夫して進めていきました。
プロセスだけみると、ポストイットを使って意見を出し合えばよいのかと思う方もいらっしゃるかと思います。また、早く結論を出したいと思う方ほど、回りくどいプロセスに感じるでしょう。
重要なのはそこではなく、「全員が納得できる答え」を導くプロセスに全員がコミットすることです。そのためには自分の意見を主張するといういつもの思考をいったん脇に置いて、他者の多様な意見にも耳を傾けるという姿勢、オープンマインドがとても大切になります。
人は自分の頭で考え手を動かして生み出したものに強くコミットするものです。遠回りのように見えるプロセスが、実はそうでなかった場合に起こりうるコミュニケーション上の問題を最小化してくれるのです。
ソーシャル・ベンチャーで働いている人の多くが、金銭的なインセンティブだけで動いているわけではないことを考えると、オープンな対話を重視した意思決定プロセスの方が向いているのではないでしょうか。
チェックインとチェックアウトが有効
団体との関係作りで一番効果的だったのは、定例会の冒頭と最後に、毎回必ずチェックインとチェックアウトの時間をもうけたことです。参加したメンバー全員がそれぞれ一言ずつ話します。
特に1年目は、定例会に参加する参加者が多かったので合計で15~20分近くかかることもありました。それでもその効果は絶大だったと思います。
キーワードは「心理的安全性」です。Googleが2015年に発表したことで注目を集めた言葉なのでご存知の方も多いのではないでしょうか。Googleのリサーチチームは、チームの生産性向上に重要なのは「高い能力を有したメンバーを集める」ことよりも「チームがどのように協力しているか」であることを突き止めたのです。
チェックインでは、なるべくプライベートな出来事(気になっていることなど)について話してもらいました。そうすることで、お互いの心理的距離はぐっと近くなります。また、仕事以外でうまくいっていないことや、体調がすぐれないことを自己開示することで、周りの人が気づかうという現象も生まれていました。
回を重ねるごとに、チェックインの時間は盛り上がり、収拾がつかなくなるほどでした。一方、最後のチェックアウトの時間は、定例会での学びや気づきを共有しました。チェックインもチェックアウトも一人ひとりの時間はとても短いですが、これによって、誰がどんなことを大切に思っているか、その人の価値観のようなものがなんとなく分かるのです。
チェックインとチェックアウトの時間は、全員が全員の話に耳を傾ける時間でもありました。これはチームの関係作り(他者理解)に効果的に働き、「全員が納得できる答え」を導くプロセスに全員がコミットする状況を、知らず知らずのうちに生み出していったように思います。
結果的に、定例会でのディスカッションの質とスピードが上がり、しかも、ポジティブな雰囲気を最後まで維持することができたのです。
団体から学んだ支援のあり方
数々の試行錯誤の末、定例会は上手く回り始めましたが、少し気がかりなことがありました。
そのことに気づかされたのは、本協働がスタートして半年ほどたった定例会での出来事です。いつものチェックアウトの時間に団体の代表が発した一言に、「ハッ」としたのです。
「私たち相談員は、相談者からの困りごとに対して、知識を武器に正確にQ&A対応することだけが価値だと思っていたとしたら認識を改める必要がある」
私たちは、仮の協働時から計算すると8~9カ月も団体と関わっていたにも関わらず、相談の現場を実際に見たことがありません。団体がもっとも価値を生んでいる瞬間に何が起きているかを、正しく理解していなかったのです。
私は、サイトビジットとして最初に団体を訪問した時に、「私たちの相談(メール)対応はとてもクリエイティブなんです」と代表の方がおっしゃっていたことを思いだしました。その時に書いたメモを今あらためて見てみると、そこには、「支援のアート」「相談支援の新しいあり方」「(相談者の)力をうばわない」「(相談者の)力を引き出す」「(相談者の)可能性を考えている」という言葉が残っています。
ピッコラーレのWebサイト
私はデザイナーとして、「クリエイティブ」ってどういう意味だ?という素朴な疑問からその話を覚えていたのですが、その答えが分かった瞬間でした。知識や情報をただ提供するだけであれば、いくらでもコンピューターで置き換え可能です。彼女たち相談員がやっていたことは、もっと人間らしいことだったのです。
「ピッコラーレ」に込めた想い(Webサイトより)
代表の言葉は、団体メンバーに向けられたものでしたが、私は自分たちVチームに対して言われているように感じました。私たちは団体が本来もっている力を本当に引き出してきたと言えるでしょうか。支援という言葉の意味をどこまで深く考えたことがあったでしょうか。
団体の新たな挑戦が始まっています
定例会の新たな価値を発見
先述したとおり、協働1年目のある時点から、SVP東京との定例会に団体の事務局メンバーだけでなく、運営をサポートする現場の相談員さんも多く参加するようになりました(相談員:相談窓口で電話やメールで応対するスタッフ)。
定例会が、相談員同士や、相談員と事務局が顔を合わせて情報交換する機会になっていたことが理由の1つとして挙げられます。相談員は自宅でのリモートワークが基本なので対面での交流はあまりありません。
当時は団体内のコミュニケーション基盤が整備されておらず、現場の相談員からすると、知らないところで意思決定が行われたり、方針変更があってもその背景事情を知ることがなかなかできませんでした。
団体のメンバーが増えたり事業規模が大きくなるにつれ、メンバー間の情報格差が不信感に発展し、スケールアップのボトルネックになることがあります。定例会に参加していた一部の相談員にとっては、情報格差を解消する手段になっていたというわけです。
定例会に相談員の方が増えたもう1つの理由は意外なものでした。団体の代表が、「相談員がエンパワメントされる場になっている」と教えてくれたのです。
今私たちは、新型コロナ危機によって、リモートワークをすることが一気に当たり前になりましたが、一方で孤立し「孤独」や「さみしさ」を感じる方が増えています。
つまり、妊娠によって孤立した妊婦(相談者)をエンパワメントする立場にいる相談員が、(リモートワークによって)組織の中で孤立状態にあるという構図が浮かび上がってきたのです。
SVP東京との定例会は、相談員同士がちょっとした雑談で盛り上がったり、想いを共有するなど、お互いの信頼関係を高めるといった、組織にとって大事だけれど見過ごされがちな役割も担っていました。
もう一つ付け加えると、団体の活動に共感し、目の前の課題に対して一緒に悩みながら関わっている私たちVチームの存在も、団体メンバーにとって大きな自信に繋がっていました(代表談)。
協働2年目の合宿は相談員のために
協働も2年目になると、事業の拡大とともに相談員の数も増えていきました。団体が成長ステージに入ると、起業初期から苦楽を共にしたメンバーと新しく入って来たメンバーとの間で、様々な温度差を感じるようになります。
特に、「ピッコラーレ」の働き方はリモートワークが中心で副業の方も多いため、メンバー間のコミュニケーションがどうしても少なくなります。したがって組織にとっては遠心力が働きやすい環境だったのです。
また、新しく相談員として関わった方が、現場に慣れずに不安を抱えていることも、SVP東京が協働1年目に実施したヒアリングでも分かっていました。
そこで、協働1年目の途中から、相談員同士のコミュニケーションを活性化し、エンパワメントするプロジェクトが団体内に立ち上がったのです。交流会を開催したり、以前あった社内報を復活させるなど、様々な取り組みが始まっています。
そんな取り組みの1つとして、団体の中で日帰り合宿の企画が持ち上がりました。新しく仲間になった方も、ピッコラーレにいることの意味や喜びを感じられる一日にしようと企画されたのです。
SVP東京のVチームからも数名が合宿に参加し、私は合宿全体の企画と当日のファシリテーションをサポートいたしました。
ピッコラーレの合宿の様子
その時の様子は以下のページをご覧ください。
協働のフィールドを肥沃にする
これまでの行動を振り返ってみると、私は協働のフィールドをいかに「肥沃な場」に変えることができるかを探求しつづけ、リーダーシップを発揮していたのだと思います。
職場に「笑い」がなければ何かやり方が間違っている
これはある本に書いてあった一文ですが、
協働に「笑い」がなければ何かやり方が間違っている
のではないかと思います。
懇親会の様子(2020年2月の合宿後)
私は、自分自身が毎回行くことを楽しみにできる定例会にしたいと思っていました。そのために、3か月に1度は定例会後に懇親会をやりましょうと提案しました(これは1年目から協働スケジュールに組み込んでいます)。
定例会の様子をfacebookでライブ配信
定例会に参加できないVチームメンバーや団体メンバーのために、協働開始6か月目から、定例会の一部始終をfacebookでライブ配信することも実験的に始めました(仮の協働期間からfacebookグループを開設)。
私の提案にいつも賛同し協力してくれたダブルLPのRさんをはじめ、Vチームのメンバーにも恵まれ、楽しく協働ができました(引き続きよろしくお願いします)。団体の事業の成長に直接貢献したのは、他のメンバーがもつ専門知識やスキルであることは言うまでもありません。大変勉強になりました。
前編でも書きましたが、私はSVP東京に入会当初、「場違いなところに来たのではないか、ここで自分は何ができるのだろうか」と思っていました。そんな自分に対して、今は自分なりの答えを見つけることができたのではないかと思っています。
定例会での「場づくり」は立派な経営支援だったのです。
団体との不思議なご縁
私は2016年に「ゆるゆるクリエイティブTOKYO」という個人的な活動を始めました。その時に、
ゆるめると、生まれやすい。
というコピーを考えたのですが、まさか「助産師さん」の活動を応援し支援する時がやってくるなんて自分でもビックリです(笑)。このことは最近になって気づいたのですが、不思議なご縁を感じています。
私が協働の現場でやったことを凝縮すると、上のグラフィックに書いてあるとおりで、本当にたったこれだけです。
デザイナーとしては当たり前のことが、他のメンバーにとっては新鮮に映っていたようです。
これからの時代の組織とは
入会前、私はSVP東京に対して「コミュニティ」のイメージを強く持っていました。それは「自由」です。しかしながら、これは完全に自分の勘違いでした。というのも、私はSVP東京が「NPO法人」であることも知らず、入会後しばらくたってから気づいたレベルだったのですから(笑)。
そんな軽い気持ちで入ったSVP東京に対する印象は想像以上に「(組織的な)制約」があるな、というものでした。誤解のないように補足しておくと、一般的な大企業に比べたら自由です。希望すればSVP東京の組織運営にも関わることができますし、むしろ団体としてはウェルカムです。毎年多くのパートナーが入れ替わるので、傍から見ていても組織運営の大変さはありますが、きっとやりがいもあるでしょう。
今多くの企業では、これまで築き上げてきたピラミッド型組織がもたらす弊害(意思決定に時間がかかる、他責文化の蔓延、サイロ化、自律型人材の育成が進まない、等)が顕在化しつつあります。
これからは、ネットワーク型の組織形態をどのように既存の組織に取り込んでいくかが課題だと感じており、SVP東京における組織運営のトライ&エラーにはたくさんのヒントがあるように思います。
SVP東京のダブルミッション
SVP東京にはダブルミッションと呼ばれる、以下の2つのミッションがあります。
(1)SVP東京は、パートナー個人が自らの動機や情熱に基づいて、自らの時間と資金を投資し、専門性を発揮することを通じて、ソーシャルベンチャー(社会的な課題に対し革新的な進歩をもたらそうと試みる事業)と協働し、よりよい未来の構築に取り組む場です。
(2)SVP東京は、志ある個人のコミットメント、別の個人の勇気とやさしさを引き出す、ポジティブな共感再生産の場である。自分を見つけ、友人を見つけ、生きる意味を見つける。肩書きを離れ、自立した自由な個人として歩き始めるための道場です。
SVP東京に投資・協働パートナーとして関わり始めたことで、今は本業のほかに、まるで2つの組織に所属しているような感覚があります。
なぜなら、SVP東京も協働支援先のピッコラーレも、今はslackを活用したコミュニケーション基盤が整備され、ほぼすべての情報がオープンになっているからです。slackでは、日々たくさんのやり取りが行われているので、今誰がどんなことをやっているかが可視化されます。
情報がオープンであることは、信頼されていることの証であり、逆に言えば組織に対する帰属意識を高める効果があります。
そのような環境の中からも、私たちパートナーはたくさんのことを学んでいるのではないでしょうか。SVP東京には実に多様な職種や専門知識を持ったパートナーがいます。ソーシャルオタクを自称する方から、私のようなビギナーまで様々で、卒業された方とのネットワーク(facebook、ML)も整備されています。
普段、同質性の高い組織で働くことになれていると、SVP東京での活動はとても刺激がある反面、合意形成が上手くいかずにストレスを感じる場面もあります。本記事が少しでもよりよい協働の参考になれば幸いです。
もし、私のnoteを読んで何か引き寄せられる感覚をもった方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、SVP東京のドアを叩いてみてください。人生に新たな1ページを開くのはあなた次第です。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。
冒頭でも書きましたが、本体験談は私が見て体験したことの断片です。他のパートナー(Vチーム)や団体のメンバーは、きっと違った感想や見方を持っていると思います。なお、守秘義務契約の関係で具体的に書けないところもありました。
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