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リヴァプール 24/25 スカッド編成大予想 ~トップチームからU16まで~

割引あり

こんにちは、ゆーり ( @nana_ynwa1892 ) です。

本作は三部作のシリーズの3本目、完結編が遂に完成しました。

完結編となる本作は

『リヴァプール 24/25 スカッド編成大予想

~ トップチームからU16まで ~』

となります。

1本目は昨季のローン組通信簿。

2本目は昨季のアカデミー総括。

上記の2作と『リヴァプールアカデミー・プロスペクトランキングTOP60』 / 『ユルゲン・クロップに花束を。アカデミー改革が齎した最後のタイトル。』は本作を読む上での参考になるはずですので是非。


現在移籍市場の真っ只中。

EUROとコパアメリカが終わり、遂にはオリンピックが始まったにも関わらず、買いも売りも動きの乏しいリヴァプール陣営に焦りや憤りを覚える日々を皆さんお過ごしのことでしょう。

新SDのリチャード・ヒューズが以前に公言した通り、リヴァプールは8月に向けて少しずつ噂が増え始め、今後の1ヶ月間は真偽様々な噂で溢れ返り、出入りが活発で多忙な時期を迎えるでしょう。

そこで忙しい1ヶ月間に先駆け、皆さんの退屈を紛らわせ、移籍市場を追い掛ける際の参考になればと思い、スカッド編成に関する文章を執筆致しました。

本作はトップチームだけでなく、ローン組・U21・U18・U16と4つのカテゴリーを全て網羅した文章となっております。今夏または今冬以降の移籍市場、トップチームの試合観戦はもちろんのこと、今年からアカデミーの試合を追ってみたい!と思っている方にも参考になれば幸いです。

また上記2作とは異なり、本作は要課金制となっておりますが、本作は約45,000字の過去最長、3作合計で約80,000字と、原稿を書き上げるのに相応の時間も要しているのでご了承下さい。

3作分でこの金額なので、高くは無いはず…。


また様々な角度から自分なりに相当思索して構成から言語化までを行ったつもりですが、分かり難い内容が有りましたら、ご連絡をいただけると幸いです。また可能な限り理解し易いように書くつもりではあるが、文章構成や言語化には至らない部分が多いので、誤字脱字・理解不能な文章・前後関係が噛み合わない記述があった場合はご連絡下さい。

また数ヶ月前に『プロスペクトランキングTOP60』を書いた際、買いたいのにクレジットカードを所持しておらず購入が出来ない等のご感想が質問箱に届いておりました。
その場合はDMでひとこと言っていただけましたら対応可能ですのでお気軽に是非。

では本題に入ります。
最後まで目を通していただけますと幸いです。

ゆーり





はじめに


スカッド編成とはパズルのようなものだろう。
1つのパーツが姿・形を変えれば他のパーツにも影響を与え、外部からは予測困難な題材と言える。また選手起用や移籍を考える際にも選手間のパワーバランスや表には出てない契約による縛りといった様々な要因が複合的に絡み合い、私のような素人が机上の空論で語り尽くせるものでは無いだろう。そこは大前提、全て織り込み済みで本作を書いたということは先に明記しておきたい。

また本作に記述するトップチームのスカッド編成に関しては読者の皆様も賛否両論様々な意見を持つだろう。私の意見が正しいということは絶対に無く、他者の意見を頭ごなしに批判したり、誹謗中傷しない限りはいかなる意見を持とうとも各々の自由であり、リヴァプールを応援している1人の人間が持っている考え方を参考程度に読んでいただけると有り難い。異なる考え方、感想、意見ももちろん大歓迎だ。また読者の皆様に私個人の意見を押し付ける意図が毛頭無いことも最初に言及しておきたい。

しかしそれでも相応の時間を掛けて思慮を重ね、言語化した内容にはなっているので最後まで目を通していただけると幸いである。

一方でU18とU21に関しては誰が読んでも新たな知見を得られるくらいには充実した内容には仕上がっているはすだ。またU16の章はスカッド編成全体というよりも将来的にトップチーム昇格を狙える有望株個々人を取り上げるという形で記述している。昨季トップチームで数多くの若手が躍動したリヴァプールアカデミーの改革は始まったばかり。プレシーズンの動向を追い掛ける限り、今季は新指揮官アーネ・スロットの下でこの潮流がさらに加速することが予見される。またプレシーズンを契機にLFCTVGOを登録した方々は是非ともアカデミーの試合を観て欲しい。現在のリヴァプールアカデミーは非常にレベルが高く、将来リヴァプールのトップチームで、プレミアリーグの舞台で活躍し得る若者が数多く在籍している。若い年代からクラブに在籍する選手を追い掛け、若者のトップチームデビューを見届けることはリヴァプールを何倍にも楽しむ手段のひとつと言えるだろう。また何よりもアカデミーの試合は純粋に面白い。

今季アカデミーを追い掛けてみよう、試合を観てみようと思う契機になり、そしてその方々の今後の参考になることを願っている。



ローン戦略の方針転換


ローン移籍に関する詳しい内容は3部作シリーズ1本目の『リヴァプール 23/24 ローン組通信簿』に書いてあります。上記のnoteに目を通した上で本章を読み進めた方が恐らく内容を理解しやすいので是非先に御一読下さい。

本題のスカッド編成の話へと移る前にローン移籍について触れる必要があるだろう。なぜなら今夏新体制へと移行したリヴァプールの舞台裏で興味深い戦略の変化が起こっている可能性が高いからだ。

その変化とはアカデミー育ちの若者の去就方針が大きく転換しようとしていること。

これまでのリヴァプールではU21まで順調にステップアップを果たした若手はトップチームに直接昇格を果たす一部の例外を除き、ローン移籍でトップリーグの経験を積むことが大半。契約満了の場合を除き、ローン移籍を経ずに他所へと完全移籍を果たすケースは皆無であった。

しかし今夏はこの潮流が変わりつつある。その方針転換を読み取れるのは現在トップチームのプレシーズンに帯同しているオーウェン・ベック、モートン、ベン・ドーク、ボビー・クラークなどに完全移籍による退団の噂が流れていることだ。またさらにリヴァプールのクラブ側が若手をローン移籍で送り出すよりも完全移籍で手放すことを望んでいるという報道も出始めている。これは以前のリヴァプールには無かった動きだろう。一方でこの動きは必ずしもクラブが上記の若手を見限ったという話には直結しない。リヴァプールアカデミーが優秀な若者を数多く輩出し始めたこと、競争力の高いトップチームを抱えていること、若者に継続した出場機会を与えること。これらが複雑に絡み合った上での方針転換と言える。

「一部の例外を除き、トップチーム昇格を狙える有望株の完全移籍を比較的容易に容認する」
「評価額を明確に定め、資金を回収する」
「高い割合の再売却条項と安価な買い戻し条項を付随することが移籍の条件」

近年、明確にこの方針を採用しているクラブとしてはレアルマドリーとマンチェスターシティの名前を挙げられる。コンテンダーである彼らのスカッドに若手が入り込む余地は非常に小さく、トップチーム昇格を果たし、定着を狙えるのはほんの一部。有望株と謳われ、将来を期待された若者も出場機会を求めて外部にキャリアを進めるケースが大半だ。

そしてリヴァプールでも今後は同様の方針を採用する可能性が高いだろう。優秀な若手を数多く輩出し始めたリヴァプールアカデミー。しかし毎年タイトルを目指すメガクラブであるリヴァプールのトップチームに彼らが組み込まれるチャンスは少なく、アレクサンダー=アーノルドやカーティス、バイチェティッチやナイオニといった一部の例外を除き、トップチームへの門はほとんど閉じられており、数年間にわたってトップチーム定着を果たすことは非常に難易度が高い。そこで若手の完全移籍を容易に容認することで資金を回収、さらには再売却条項で将来的にも利益を生むことができ、予想以上の成長を果たした場合も買い戻す権利を所持と、クラブにとってメリットは大きい。

また上記の方針には若者たちにとっても少なくないメリットが存在する。それは移籍先で腰を据えて競争に挑めること、さらには新天地で継続した出場機会を確保する難易度が比較的下がることの2点だ。前者に関しては特に説明する必要が無いだろう。ローン移籍を繰り返す若者は毎年新たな環境、新たな指導者、新たなチームメイトに適応する必要がある。20歳前後の若者にとってこの問題は想像以上にハードルが高く、セップのように度重なるローン移籍に悲鳴を挙げるものは少なくない。また後者に関しても間違いなく若者たちに大きな恩恵をもたらすだろう。プレータイムの確約が契約に盛り込まれてない限り、移籍先のクラブがローン中の若者に継続した出場機会を与えるには移籍後早々に目に見える結果を出し、チームに貢献することが必要不可欠。仮にローン移籍を果たした選手が環境適応に苦しみ、チームに貢献出来てない場合、来季以降在籍し続けるか不透明の若者を辛抱強く起用し続けるメリットはクラブにとってはほんの僅か。高いポテンシャルを持ちながらも明確な弱点を抱えるバラギジやクメティオが出場機会確保に苦しんだのもこれらが理由だ。

しかし上記のように完全移籍の場合は全く異なる状況となる。移籍先のクラブにとってハイシーリングの若者が本来の実力を発揮した場合のリターンは大きく、その後の転売を考えると、より年齢の若い選手を積極的に辛抱強く起用することに繋がり得る。移籍金を支払って完全移籍で獲得したポテンシャルの高い若者ならば、クラブも現場もサポーターも多少のミスには目を瞑り、長期的な視座である程度のチャンスを与えるだろう。

今、リヴァプールは変革の時を迎えている。アカデミー改革により、優秀なアカデミーっ子を数多く輩出出来るようになったものの、当然スカッドの数には限りがあり、全員を編成に組み込むことは出来ない。アカデミーからトップチームへ誰も送り込めない時期が長く続いた過去を考えると、なんと贅沢な嬉しい悲鳴だろうか。また若手たちにとってもリヴァプールで限られたチャンスに苦戦するよりも、新天地で多くの出場機会を得てピッチの上で脚光を浴びる方が良い場合もあるだろう。そしてリヴァプールアカデミー育ちの若者が躍動することがクラブの評価を上げ、次世代の育成、リクルートメントに繋がっていく。今夏の若手有望株を完全移籍で手放し得る方針転換を悲観的に捉えるのでは無く、さらに競争力の高いクラブへと進化を遂げる段階に達したことをポジティブに考えるべきだ。




前提条件


先ず初めにスカッドを考える際の前提となるルールを幾つか纏める。

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