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オレは間違ってはいなかった いまでも揺さぶられる言葉

15巻41ページ(初版本)のあの名台詞。
この台詞に限らず、このマンガについて今さらとやかく言うことはないだろう。今や宮沢賢治を研究している文学者より、こちらの方を研究している人の方が多いのではないかというぐらい有名なマンガ。マンガの世界ではバスケットボールのものはヒットしないと言われていたにもかかわらず、見事なまでのバランス力と、人を引きつける描写力、そして何より一つ一つのその言葉で、バスケットボールのマンガ、ではなく漫画界そのものに金字塔を打ち立てている。

SLUM DUNKである。

オレは間違ってはいなかった
この台詞に出会って、もう25年以上経つ。高校生だった当時の私は、バスケットボールではないが、スポーツに全てをかけていた。
中学では成しえなかった全国大会出場を高校で実現できたのも、仲間に支えてもらったのと、マンガに支えてもらったからだった。人を支え動かす力がマンガにはある。

オレは間違ってはいなかった
赤木剛憲の放ったこの台詞には長い年月の思いが込められている。仲間に恵まれなかった頃のこと。ようやく信じ合える仲間に出会えたこと。自分と自分の未来を信じて練習してきたこと。そして、今最高の仲間に巡り会えて、最高の敵と互角に渡り合っていること。
全ての条件が整ったからこその、心からの叫びであろう。
そんな兄をある意味一番そばで見ていた晴子には、その言葉は届いていないにもかかわらず、晴子は号泣する。努力、想い、というものは伝わるものである。真剣であればあるほど。
熱く生きる理由がそこにある。
晴子もまた熱く生きている。

オレは間違ってはいなかった
今、自分はこの言葉を吐けるだろうか。ここに来て、なんだか間違いだらけなのではないだろうかと思わされてしまう。なんとも意志の弱い私は、毎日不安と葛藤の連続だ。あの頃の方が堂々と生きていたのではないか。
間違っているとか間違っていないとかを赤木は問うてはいないだろう。大切なのは、間違っていなかったと言える生き方をせよということなのだ。
人生の折り返し地点に立たされる。
それは、時が過ぎれば誰にでも訪れるもの。
間違ってはいなかったかどうかは、結局今はわからないんだ。だから、これからも問いながら、そして、答えを出しながら生きるしかない。

熱く生きていれば、たどり着けると信じて。

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ゆりてる
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