第十六稿 思いは時空を越える 献杯
高校の同級生の死を、同窓会で知る。なんという虚無感。
「お前知らんかったのか」
――知らなかった。仕事で忙しいなんて、そんなことが理由になるはずがない……
* * *
森永中 K先生
二〇二〇年六月二十九日――
件名「ガンダムもコアだよ。コアファイターだよ。一休宗純はもはや長渕剛にしか見えない。」
高校の時の同級生がジプシーキングスが好きだったんだよね。サッカー部ですげえ良いやつで、たまーに遊んだりもしてて。そいつのおかげでジプシーキングスを知ったよ。
高校卒業して、めっきり会わなくなって、どうしてるかなあなんて時たま思うぐらいだったけどやっぱり会わなくて。俺の大学生活は腐ってたから高校の時の友だちとは本当に会わなくなってしまっていたんだよね。
で、就職して山奥へとんでいって、本当に大変な3年間だったけど鍛えてもらったのは確かで。でも、山にずっといるのは気が滅入りすぎるから週末はこちらに帰ってきていたんだ。
そんなとき、もうどうしても無性にジプシーキングスが聞きたくなったんだよ。夜更けだったけどいてもたってもいられなくなって、近くのマジカルへCDを買いに行ったさ。
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文学者と批評家。だが、互いにその作品を干渉し合うことはなかった。ただ、書簡を交わし合うのみ。
あるとき、二人にとって共通の恩師がこの書簡に触れる。詩人であり文学者であり思想家であるY氏。
初めての出会いから20年が経っているのに、それぞれがお互いのことを何も知らなかったような気がする。
書簡を介して、本当の自分を見つけていく。
往復書簡
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大学時代の先輩にあたる教師――仮にO氏と記しておく――との、事務的なやりとりから発展した往復書簡の一部始終である。ただのメールのやりとりと…
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