授業のちょっとしたコツ4 子どもが子どもの発言を聞かないのは先生が……
子どもの発言を繰り返し唱えているからではないでしょうか。
こんな単純なことなんだが、これが意外に効果てきめんなのだ。
学習指導要領が新しくなり、対話重視だと言われているが、それはもうずっと以前からそうだ。先生との対話、子ども同士の対話、教科書との対話、相手や自分自身と対話することで自分の考えというのは構築されていく。言葉による見方考え方について以前noteに書いたが、言葉を使いこなすというのは、国語科の命題でもある。
さて、その対話の中核をなしてほしい、子ども同士の学び合いに欠かせない「子ども同士が発言を聞き合う」という活動。これがなかなか難しいと悩んでいた後輩がいた。発言している子どもの話を他の子どもが聞かないらしい。
「先生、子どもの発言を繰り返し唱えてない?」
私が聞いてみたところ、うーん、と考え込んでしまった。どうやらその自覚がないし、それの何がいけないのかピンときていないようだった。
子どもの発言を繰り返して唱えてしまうのは、ベテランの先生にも多い。私は即刻やめた方が良いと思っている。なぜなら、その発言はその子のものだからだ。考えに考えて勇気を持って発言したその子の言葉を教師が簡単に取り上げてしまってはいけない。しかも、その子の発言の直後に。
それに、教師が発言を繰り返すと、子どもたちは『先生が言ってくれるから聞かなくても良いや』と聞かなくなってしまうのだ。
(例)
子:ごんは兵十が喜んでくれたと思います。
教師:ごんは兵十が喜んでくれたと思ったんだね。
あるあるでしょ?(笑)
これを繰り返してしまっては、子ども同士の対話は生まれにくい。
だから、私は絶対に子どもの発言を繰り返さない。
へえ
ふうん
すごい!
良い意見だね
よく思いついたね などなど。
そんなことを言いながらすぐに板書をする。
子どもの発言を繰り返すこと、クセになってしまっていなかな?
明日から気をつけてみて。
自分の授業を録音して帰りの車で聞いて帰るのもオススメです。
ただ、晩ご飯がおいしくなくなるかもしれませんが……。