見出し画像

水瓶座の月

月のサインは私たちの感情パターン、自動的反応パターンを示しています。月のサインが持っているニーズを満たしてあげると、心はお腹がいっぱいになって、安心感を得ます。でも、幼子のような月をただ満たしてあげるだけでは、いつまでも自立ができません。月は成熟させていくことの方が大事です。



どの月であれ、依存する対象・寄りかかる何かを必要とするのが月だからです。その最たる存在は母親です。母親と子どもの密接な関係性は、やがて子どもが自立の時を迎えるまでの布石です。いつまでも母親と自分自身を同一化させていると、私たちは永遠に自分の人生を生きることができないように、月を掴むのではなくて、成長させてあげなくてはなりません。



月は自分自身では輝くことができないーー最終的には依存から生じる感情反応パターンを乗り越えて(手放して)、感情や外界に翻弄されない自分自身になることの重要性を教えているのが月という天体でもあります。月のサインは、私たちが乗り越えていくべき感情のパターン・その依存の形とスタイルを教えてくれます。



水瓶座の月が必要としていることー感情移入しないクールで客観的な性質
水瓶座の月を持っている人は「心の独立性」を大事にします。パーソナルスペースを強く必要とする人です。どこにいても、自分だけの聖域が必要だからこそ、他者と自分の感情が一体化してしまう状況を嫌います。それは論理性と独立性が奪われないためです。



感情で反応しないで、知的で客観的な解決策を求めるといった「論理的で合理的な反応」がデフォルトです。個人の産物としての感情をコントロールしようとする自己抑制力や冷静さを持っています。本能剥き出しで感情を露わにしたり、感情的に反応することはほとんどないでしょう。訊かれるまでは自分の気持ちや考えを積極的に言わないけれど、求められると正直にストレートに話す実直な人です。(※月が冥王星や海王星とアスペクトしている場合などはまた別のお話になります)



水のサインの月とは対照的で、感情の切り替えと切り分けができる月。また、そのような自らの性質を強さや賢明さという美点と感じる傾向があると思います。自分自身の独自性と自由を重要視するように、他者の独自性と自由も尊重します。博愛的な友愛の精神と強い個人主義が同居しているのは、土星と天王星という正反対の天体をルーラーに持っているから。



水瓶座というサインは(外側から見ると)二律背反的な要素を持ちますが、本人にとっては全く矛盾していません。太陽水瓶座の方が非常に革新的で個性的な考え方をする一方で、実は伝統を重んじ、現実的で合理的な視点を持っているのは天王星と土星の性質からくるものでしょう。



天王星はインスピレーションの星です。何かの学問を積み上げて積み上げて、一歩ずつ高みへ上がるような土星的性質を持っていると同時に「一瞬で高次の情報や叡智を受信する」天王星的な性質が同居しています。ゆえに、水瓶座は往々にして奇人に見えることがあります。



いわゆる霊能力は海王星の管轄ではなく、実は天王星が司ると言われます。(個人的に深く納得しています)実際に、天王星が強い方や水瓶座の性質が強い方は天の叡智を受信するという本当のスピリチュアリティーや霊的感受性を持っています。だからこそ、受信した精度の高い情報と地球物理次元の適応がうまくいかないし、なかなか常人には理解されない。そこに天才水瓶座のジレンマと哀愁、孤独感があります。



だからこそ、水瓶座は反応が極めて頑固で極端になることがあります。極論に至る。極端な解決方法をとる。天王星と土星のダブルの影響に対してどうにか折り合いをつけようとして、常識やぶりの性質が生じます。自分の内的世界に篭って、答えを探して探して、最終的にやっぱり破天荒な極論になるしかない。(でも、その斬新な極論は必ず高い真実性を含んでいます)太陽水瓶座の場合、その天才性は社会に通用するものですが、月水瓶座はそうではありません。



水瓶座の月が恐れていること、乗り越えるべきテーマ
個人としての感情を表現することを避けることで、あるいは他者と感情的に深く繋がることを避けることで、自分自身の心の安定を保とうとします。過剰な個人主義や独立性を確保しようとすることで、自分が脅かされず傷つくこともないようにしようとコントロールします。



集団性から逸脱して孤独になること、自分が無能であると思われることを恐れるあまり、自然な情の交流や感情の発露を避けようとする不自然なまでの自己防衛パターンを持っています。いつも外側から物事を見る。当事者になることを避けて、合理的思考で対処することで自己の安心と優位性を保とうとします。



自らの感情や人間臭さを認め、人々と情を交わし、他者と深く繋がることができるようになった時、水瓶座の月はありのままでそこに立っていられるようになります。その時、内側にいる明るくて無邪気で素直なあなた、生きることを無条件に楽しむことができる楽観的で陽気なあなた、自然体で風通しの良いあなたが表に出てきます。


人や物事と主体的に関わっても、何も傷つくことはないし、自分の存在が脅かされることもない。そんな境地に至った時、水瓶座の月は揺るぎない安定感を得るでしょう。天才である必要もない、ただの人間でよかったんだーーそうやって肩の荷を下ろした時、生きることが楽しくラクになれると思います。どこかモノクロで窮屈だった世界が鮮やかな躍動感と自由を得て輝き出すでしょう。




いいなと思ったら応援しよう!