欠乏はすでに持っているギフト、マジョリティはメイン課題と捉えてみる
ホロスコープ解釈が難しいものである原因のひとつが「一部だけを見て単純に吉凶や意味を判断できない」点にあります。たとえば、ソフトアスペクトが多い方が葛藤と苦悩の少ないラッキーな人生を歩んでいくかというと、実際はその限りではありません。また、ハードアスペクトだらけでも手応えのある成功と充実感を手に入れている方もたくさんいます。
天体の品位についても同じくです。第一線で活躍されたスポーツ選手の火星を調べてみると、牡牛座や蟹座(火星のパワーが発揮しづらいと言われているサイン・デトリメントやフォール)であることも多く、むしろ、牡羊座や山羊座(火星の力が発揮されやすいサイン・ドミサイルやエグザルテーション)の方は少ないのです。そして、もうひとつ、エレメントの欠けについても大変興味深いものがあります。
10天体の四区分(火・地・風・水の分布)を見た時、ひとつのエレメントがゼロで「欠けている」ケースがそれなりにあります。私自身も地エレメントの天体がゼロ、夫は火エレメントの天体がゼロです。占星術を学び始めた時、私はここにひっかかりを感じました。というのも、夫は火の性質が非常に安定しており、生命力と行動力を一定のテンションで出していけるリーダー気質だからです。
エレメントの欠けを持っている他の方々にも同じような傾向がありました。つまり、ゼロである(欠落)ということはすでに持っているもの(ギフト)ではないかと思われるのです。一般の方の実例では分かりにくいので、有名人で出生時刻が判明している方(動きの速い月を特定するため)の四区分を見てみると、以下のようなことがわかります。
〇火エレメントの欠乏を持っている方
長嶋一茂、小泉今日子、薬師丸ひろ子
〇地エレメントの欠乏を持っている方
所ジョージ、松下幸之助、ビル・ゲイツ、ドナルド・トランプ
〇風エレメントの欠乏を持っている方
桑田真澄、野茂英雄、エドガー・ケイシー、中山秀征、杉本彩
〇水エレメントの欠乏を持っている方
酒井法子、田中真紀子、ベートーベン
地エレメントが欠乏している方はまさかの大富豪ばかりですね。火が欠乏している長嶋一茂さんはスポーツ選手でしたし、小泉今日子さんは「元アイドルが政治的発言をするな」などと揶揄されても、全くひるまない強さと実在感があります。自分の信念と生き方を貫く姿勢が、特に女性からの支持を得ています。
風エレメント欠乏の中山秀征さんは頭の回転が速い方ですし、あれだけの情報を体系化したエドガー・ケイシーさんが風の性質に劣るとは思えません。かつて私が動物愛護活動をしていた時、杉本彩さんの情報によく触れていましたが、大変頭のキレる方だな~という印象が強かったです。法的視点からも的確に切り込み、活動に協力的な政治家とも接点を持ち、動物愛護運動のリーダーのお一人と言える方だと思います。
水欠乏の酒井法子さんは歌や演技に滲み出る哀愁やウエットさがあります。田中真紀子さんが情に欠けているとは思えませんし、不思議な魅力で大衆を惹きつけます。うーん。やはり、欠けているエレメントが「単純に欠乏である」とは思えません。地エレメント欠乏の方は周囲から金銭面や物質面を満たしてもらえるケースが多いですし、風エレメント欠乏の方は生来の頭の回転の速さと情報収集力・コネクション力を持っていることが多いのです。
では、何が大切なことかと考えた時、欠けている要素は今世のメイン課題ではなく(放っておいてもできること、満たされやすいこと)、まずはマジョリティをとことん深めていけばいいというひとつの答えに行き当たります。エレメントの欠けを持っている場合、ホロスコープに偏りが生まれるためマジョリティ(ステリウム)が存在することが多くなります。
たとえば、風欠乏の杉本彩さんは蟹座ステリウム(太陽・水星・火星)です。今や動物愛護活動家として多くの人から信頼を得ているのは、まさに蟹座の要素と性質(動物たちや弱い存在を守りたいという生来の慈愛)を全面に出していった結果だと思います。杉本彩オフィシャルブログ 杉本彩のBeauty ブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)
水欠乏のベートーベンは射手座ステリウムです。「仕事ができなくなった父に代わっていくつもの仕事を掛け持ちして家計を支え、養育と学校教育が必要な二人の弟たちの世話に追われる苦悩の日々を過ごした」ーーベートーベンが水の要素に浸っていては芸術活動はおろか、生活さえままならなかったことでしょう。
「20代後半頃より持病の難聴が徐々に悪化。28歳の頃には最高度難聴者音楽家として聴覚を失うという死にも等しい絶望感から、1802年には自殺も考えた。しかし、彼自身の芸術(音楽)への強い情熱をもってこの苦悩を乗り越え、ふたたび生きる意欲を得て新たな芸術の道へと進んでいくことになる」ーー苦しみ多き人生でありながら、前を向き続けた不屈の精神こそが彼を支え、偉大な芸術家となり得たのではないでしょうか。実に射手座的生き方です。
マジョリティや太陽をとことん追求して深めていくーーそれが人生の土台です。何事もとことんやると突き抜けて反対側へ出ます。批判されても誤解されてもやるんです。そうすれば、自分の至らなさやアンバランスさは自然的に矯正されていくことになります。自分を思いきり表現していけば、勝手に痛い目に遭って、勝手に成長を余儀なくされますwだから、大丈夫!!!ドーンといこうぜ、皆の者。
そうして初めて、ひとつのサインは完成するのです。太陽サインにも長所短所があります。でも、そんなことは気にしなくていいのです。とことん自分をやる。そうすれば太陽は成熟して、反対側の性質が内包されて洗練されていきます。ある意味、不安定極まりない月も同じなんですね・・・
出生図は人生の地図です。あなただけの地球の歩き方。ここをしっかりやろうね、ここを頑張れよ、そうすればちゃんと上手くいくよーーそれが描かれています。星って優しいですね♡欠乏しているエレメント(サイン)はすでに資質として持っているはずですから、それを太陽やMC、そして、魂の目的のために上手く使えばいい(援助してくれる人やチャンスもね)のです。
天体の品位が良くなくても、アスペクトが厳しくても、欠けたエレメントがあっても・・・全く気にすることはありません。何より、私たちは10の天体を持っているのですから!どんな厳しい出生図でも激しいトランジットが来ても大丈夫です。私たちは出来事により幸せになるのではありません。捉え方によって反転し、今ここが天国にも地獄にもなるのです。私たちの意志の力、意識の力の方が強いのですから。
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