月に寄り添うための感情リテラシー
占い師やセラピストの方とお話ししていると「なぜか同時期に似た星回りを持っているクライアントさんが集中する」「自分と同じような配置を持っているクライアントさんとご縁ができることが多い」と言われます。確かにそれはあります。私は水の要素が強い方とご縁があります。
それは私自身が水サインの月と土星を持っているから・・・(だろうなと思っています。)そうすると、自ずとカウンセリングを生業とされている方、医療的セラピーに関わっている方、または将来的に心理学方面に進みたいとご希望される方とのご縁が多くなります。
占星術では三大キャラクターとされているものがあり、それが太陽・月・アセンダントです。この3つが調和的に働く方が好ましいのですが、ほとんどの場合、そうはいきません。一人の人間の中に3つの顔がある。あるいは3つの人格が存在していて、連結が上手くいかずギクシャクするーーそんな状態になります。
だからこそ、若い時はなんだか生きづらいし、自分をうまく扱えないことが多い。でも、多くの場合、年齢と経験を重ねていくうちに、この3つのキャラクターの連結(外に表現される能動的な顔、内向きで受動的な顔、社会性を伴った顔の融合)がスムーズに運ぶようになります。異なる3つの側面を融合していき、「統合された一つの人格」としてうまく使えるようになります。
特に、太陽・月・アセンダント、さらに土星のいずれかが水サイン(蟹座・蠍座・魚座)である場合、感情の扱い方を知っているのと知らないのでは、人生に大きな違いが出るように思います。心理学は大好きな分野なのですが、最近購入したもので「自分や他人に振り回されないための感情リテラシー事典」という本がとても良かったので、ご紹介させてください。(水要素が強い方や感情に振り回されがちな方におすすめです)
感情リテラシーとは「感情を正しく理解して上手に活用する力」です。感情を外から眺めて、理解・分析・解釈する。感情と自分を一体化させないで、感情の使い手(感情のマスター)になることを指します。強い感情(怒りや憤り、激しい絶望感や身を切られるような喪失感など)が沸いた時、まずは6秒待てーーと言われます。
激しい感情のピークは6秒程度しか続かないとされているからです。これも一つの事実だと思います。さらに、まずは深呼吸してから、その場を離れることが効果的です。つまり、物理的・心理的に距離を取るのです。怒りをぶつけたい相手から一旦離れる。喪失感や希死念慮を感じたら、とりあえず場所を変える。死にそうな気持ちのままでお茶を入れて飲んでみる。倒れそうなままベランダに出て空を見上げるなど。
感情とは複雑な構造になっていて、実は自分自身でも「今感じている感情の正体」を掴めずにいることが大半ではないかと思います。よく言われるのが「怒りは一次感情ではない」というものです。怒りは二次的なものであり、いくつかの感情の複合体=二次感情です。
二次感情とは「一次感情の連なりの上に発生する感情」のことです。多くの場合、怒りは「飽和状態になった悲しみと痛み」から生まれると思います。不安、寂しさ、虚しさ、後悔、困惑、恐怖・・・そんな一次感情が積み重なり、怒りという感情が生まれます。
「私のこの激しい怒りは何が原因で発生したのか」を外側から分析・理解・解釈することの重要性。どうしてこんな大切なことを学校で教えないのでしょう。(と半ば本気で思います)私たちは自分の感情をことごとく無視しています。つまりは月を無視しているということです。これがほとんどの不幸や悲劇の土台にあると思っています。
自分に寄り添い、自らの感情の面倒を見てあげることなしに、どうしてイキイキと自分らしく生きていけるというのでしょう。はじめから感情をうまく扱える勇者。そんな強者は少数派です。
ネットから貼り付けます。
怒りそのものが突然発生することはなく、そこには必ず何かあなたの「こうあってほしい」「こうあるべき」が裏切られたことから生まれた感情が潜んでいます。怒りを感じた時、『どういう感情が隠れているのか?』を考えることが大切です。自分の心は何を訴え、何を本当は伝えたいのかな、と立ち止まる。
これって、本当に大事なことだと思います。私はよく「嫌悪感」を感じます。これも自分自身の感情を注意深く見るようになってから気づいたことであり、以前はスルーしていました。私はよく嫌悪感を抱く人間ですーそう言えるのは感情リテラシーを意識しているおかげであり、その恩恵は大きいです。意識しないと感情が主導権を握り、強い力で引っ張られていくからです。
感情リテラシー辞典によると、「嫌悪感とは不快な体験を避けるために起こる自然な自己防衛反応のひとつ」です。嫌悪感を理性でコントロールできると考えると目測を誤ります。嫌悪感を抱かないようにしようと努めるのは全くの逆効果です。嫌悪感を感じてもいい!ただ、嫌悪する原因を相手にあると思うのではなく、自分にあると認識することが大事です。自分の認識を拡大していくこと。
感情リテラシー辞典には、その具体的方法が項目別に書かれています。たとえば、劣等感が強い場合は劣等感の項目を開いてみる。謎の怒りを抱いている場合はその奥にある一次感情に該当する項目を開いてみる。その都度都度に必要な箇所をピックアップして読めるところが画期的だなと感じます。
私たちは様々な感情を抱く生き物ですが、感情にコントロールされないためには、まずはじめに「課題の分離」をしなくてはなりません。アドラーが提唱した課題の分離は心理学の土台の一つだと思います。他者の課題に対して土足で踏み込まないこと。高校生にもなった子どもに勉強しなさいと言うーこれも課題の分離ができていないことから生じます。友人にそんなことはやめた方がいいと言うーこれも同じです。
私もよくやっていましたが(あー穴があったら入りたいw)、これって本当に余計なお世話です。勉強しないで困ることがあるとしたら、それを引き受けるのは子ども本人ですし、子どもは親の所有物ではありません。別人格です。好奇心や目的意識を持てば勝手に勉強するでしょう。訊かれてもいないのに、友人におせっかいなアドバイスをする。これも1000パーセント余計なお世話!です。
水瓶座時代は月を成熟させないと始まらないと思います。海王星のマジックにより、私たちは長い長い夢を見ていたのではないでしょうか。(いや間違いなく幻影を魅せられていたのです)自己と他者を同一化させることが愛であり優しさであると・・・(腹立つわw)
あなただけ自由になるなんて許さないわよ、あなただけ思うように生きるなんて許さないわよ、私は自分の人生に責任を負わないのだから、あなたが責任の半分を請け負いなさいよーーそんな悪魔的依存心が世界を支配していたと思います。私たちは月と海王星のマジックにかけられていたのです。
でも、呪というマジックは気づいてしまうと解けてしまうのです。人の課題に土足で踏み込む暇があったら、自分の心を自立させよ!です。どなた様も自分の本分を全うせよ!です。たとえ家族であっても、人のことは放っておけ!ーー厳しいけれど、これが受け入れ難い真実だと思います。余計なお世話をするのではなくて、ただ信じてあげることです。頼まれた時だけ手助けをしたらいいのですから。
人の反応や言動にいちいち感情が揺さぶられてしんどくなるーこれも自己同一視であり、課題の分離が必要です。私たちは皆、自分の人生を自ら切り開いていく力を必ず持っているように、地球上の誰の中にも同じ力がある。それを信じてあげることが最大の敬意であり、水瓶座的友愛だと思うのです。心配もおせっかいも必要のない水瓶座時代です。