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蟹座の月
月のサインは私たちの感情パターン、自動的反応パターンを示しています。月のサインが持っているニーズを満たしてあげると、心はお腹がいっぱいになって、安心感を得ます。でも、幼子のような月をただ満たしてあげるだけでは、いつまでも自立ができません。月は成熟させていくことの方が大事です。
どの月であれ、依存する対象・寄りかかる何かを必要とするのが月だからです。その最たる存在は母親です。母親と子どもの密接な関係性は、やがて子どもが自立の時を迎えるまでの布石です。いつまでも母親と自分自身を同一化させていると、私たちは永遠に自分の人生を生きることができないように、月を掴むのではなくて、成長させてあげなくてはなりません。
月は自分自身では輝くことができないーー最終的には依存から生じる感情反応パターンを乗り越えて(手放して)、感情や外界に翻弄されない自分自身になることの重要性を教えているのが月という天体でもあります。月のサインは、私たちが乗り越えていくべき感情のパターン・その依存の形とスタイルを教えてくれます。
蟹座の月が必要としていること〜絶対的なホームを求め、安心と愛情を切望する月
水エレメントの月(蟹座・蠍座・魚座)は共感能力と感受性が高く、あらゆる事柄に対して感情を通して反応します。言葉の裏にあるものまで読み取り、人の気持ちを深く理解する。無意識的に感情エネルギーを読み取って相手に配慮する能力があるので、他者が自分に対してもそうであってほしいと願うでしょう。
私を十分に理解してほしい、私の心に配慮してケアしてほしい、私を支えて包みこんでほしいーそれが蟹座の月が求めてやまないものかもしれません。蟹座は自らの心の柔らかさや危うさ、感じやすさと傷つきやすさを知っているので、自己防衛反応がとても強くなります。
気心の知れた仲間や身内、安心できるテリトリーを大切にします。知らない人に囲まれること、知らない場所に一人で行くことを避け、自分が十分に理解され、受け入れられていると感じられる状況を必要とするでしょう。安心と愛をとりわけ強く求めている月です。
相手からの庇護と理解、愛情を感じられないと、何かでそれを埋めようとします。依存性が強い性質でもあり、特に食べ物に依存しますので、過食や拒食に陥りやすい傾向があり、そのことで非常に苦しむこともあります。感情的な危機を感じると、懐かしい幼少時代に戻ってそこに安住しようとする心のパターンを持っており、それは母親のお腹の中にいた時の安心感への回帰願望かもしれません。
蟹座の月(4ハウスの月も同様に)を持つ人は「ホーム」が重要です。安心できる家や拠り所を持つことが心を安定させてくれます。幼い時、それが両親から得られたならば理想的ですが、なかなかそうはいかない宿命を持っているでしょう。
蟹座というサインは(月だけに関わらず)そもそも好奇心が旺盛で人が好きで、人との繋がりや温もりを求めていますが、そうできない葛藤を通じて、生きる喜びと勇気や強さ、自立を獲得していく宿命を持っています。月が蟹座であれば、とりわけ感情世界においてそのプロセス(心理的自立)を体験していきます。
蟹座の月が恐れていること・乗り越えるべきテーマ
自分で自分の感情を引き受け、自分を支える方法を学ばなくてはなりません。溢れる感情エネルギーを自分自身で受け止め、感情的な不安定さを育てていくプロセスを学ばなくてはなりません。
自分の感情をうまく扱えない場合は、それを外側に投影する傾向が強くなります。自分自身が求めている愛情が得られないと、自己犠牲的行動や誰かをケアすること、忙しく世話をやくことや同情を愛情だとすり替えることなど(過干渉や過保護、共依存関係を作り出すこと)でそれを埋めようとしたり、それを愛だと勘違いする傾向があります。
しかし、それは自分を維持して守るためにやっていることなので、お互いのパワーを奪います。相手との関係性に危機が訪れると、冷酷に相手を突き放したり、感情を爆発させてヒステリックになったり、早急で破壊的な行動に出ることがあります。投影として行なっていた自己犠牲や同情、世話を焼く行為が、愛ではなくて自己防衛であったと気づくことで、大きく成長できるでしょう。
自分で自分を支えられない、心が不安定で依存性を持っているーその大元は両親との関係にあり、特に母親からの愛情を得られなかったことに大きな原因があるかもしれません。蟹座は絶対的な安心を求めています。それを「他者ではなく自分の内側に」見出すことです。
月は過去を示すため、蟹座の月を持つ人は「身近な人に支えられて生きてきた体験から生じる強い分離不安の記憶を持っている」とされます。そのため、今世では心の自立が課題となります。お互いに依存し合うことなく、対等に温かい絆を結ぶことができた時、人を慈しみ育てる優しさと包容力が開花します。元々、持っている安定性と母性を発揮して、あなた自身が「ホーム」となることができます。
その時、自分が生き延びるためには「支えてくれる他者」が必要だという幻想から解放され、自分自身の目標や目的、夢に向かっていく力強く安定した人生を手に入れることができます。そして、人をサポートする能力が開かれ、満たされた人生を歩き出せるでしょう。本当のあなたは誰よりも人の痛みがわかる強い人であり、他者に対しても「心理的独り立ち」を教えることができる稀有な能力を持っている人なのです。