女帝・海王星と物質世界の王・土星のダンス
2023年03月07日に土星が魚座入りすると、海王星と合となる。2025年03月30日までは土星・海王星の魚座マリアージュとなる。(この期間、同じホームにいるが、正確に重なるのは3年後です。)海王星は美しい慈愛の星であると同時に、太陽系最強の冷徹な顔を持っている。
木星と海王星が魚座で合となった時期も、真綿で首を絞められるような、微細ながら痺れが生じる程の圧力を感じた。本当のあなたはどこ?あなたの真実はどこ?ーーという問いかけが、インパクトのある鈍痛となって、身体中に響き渡るような感覚を受けた。(腰痛でダウンしたのもこの時期だった)
ホームグラウンドである魚座にいる海王星は、だだでさえ本気を出してきている。その氷の女神が土星と手を取り合ってダンスを踊るわけだ。いや、ちょっとビビるやんかw背筋がピンと伸びるような思いになる。
大事なことは自分の感情や感覚に向き合うこと。違和感をスルーしないってこと。それに尽きると思う。土星の課題から逃げていると、自分がそれを一番よくわかっているものだ。私は逃げているーーという重さがいつだって自分を縛っている。土星が求めてくる課題から逃げて逃げて逃げ尽くして、私は物質をすべて失った体験がある。
私たちは月という偽りの自己像を持ったところから、この人生を始める。月の虚像に捉えられ、本当の自分を見失う。まずは、月のメガネをはずさないといけない。そうしないと今世は始まらない。肉体が生まれているだけで、本当にはこの世に誕生できないのだ。
魂の目的のために生まれてきたのに、月の幻影の中で生きていると「恐れを避けようとする自己防衛反応」のままに生きることになる。傷つかないように、失敗しないように、自分の感情を見ないように・・・表面的な偽りの防衛的人生を生きてしまう。熱くチャレンジしていく人生、魂の目的に向かっていく主体的人生が始まらないのだ。
海王星はそこを突いてくる。自分の違和感や感情や感覚をスルーしていると、衝撃的な内的インパクトを与えて気づかせようとする。月の幻想を捨てよ、自分自身を愛せよ、本気になれよと囁き続ける。魚座で合となった海王星と土星は、本当の私たちではないものの一切を消し去っていくだろう。月で躓いて、土星の課題から逃げていると、この禊に呑まれてしまう。
海王星は「本当の私たち自身でないもの」「真実ではないもの」をすべて溶かしてしまう。嘘くさいものの一切を、私たち自身(魂・真我)から生じてないものの一切を融解させて、海の一滴に戻してしまう。
海王星は本気だ。現在、ホームグラウンドである魚座にいる海王星は本気を出している。「それはあなたじゃない。それは嘘ですね。それは本当のことではないですね」とバッサバッサと切り捨てる。そうやって、真実ではないものの一切を融解させていく。
冥王星の破壊はどこか男性的だが、海王星はもっと容赦ない。女性的なのだ。氷のように美しいお顔で眉ひとつ動かさずに、瞬きひとつで消し去っていく。あの美しい海王星は一切の情けもなく、すべての偽りと虚像を洪水のように押し流していく。冥王星のように残骸を残したりはしない。きれいさっぱりと無に帰すのだ。
今こそ魂の目を開き、自分自身で自分の真実を体験しないことには自分が消えてしまう。自分のコアが消えてしまう。幻想と迷妄感渦巻くこの世界の中で、今、自分の真実を見つけない限り、アクエリアスは来ない。アクエリアスは天王星の時代だから、自分自身でない限り決してそこにはたどり着けない。
地に足のつかない外側主体のスピリチュアルや精神性は海王星がかけた魔法なのだ。自分の感情を曖昧にして、自分自身の真実を曖昧にして、生まれてきた目的さえ曖昧にして、麻痺させている方が楽だから、多くの人がそこに逃げ込む。本当は違和感や感情が叫んでいるのに、それをなかったことにして虚像を生きている人間たちを見て、彼女は恐ろしく美しい微笑みを投げかけている。
女帝・海王星は問いかける。本当のあなたはどこにいったの?あなたの真実はどこにあるの?ねぇ、あなたは、いつ、お目覚めになるのかしら?
月のメガネを外し、ワイドレンズに取り変えよう。死ぬ瞬間の自分の視点から、この人生を俯瞰して観るのだ。私はそれで後悔しないか?生まれてきてよかった!最高の人生だったと言えるか?今世の目的に向かっているか?ーーいつも、そのワイドレンズで世界を見る、自分を観る。
海王星と土星のマリアージュは、自分から目を逸らさなければ、本当の理想の実現という宝ものを与えてくれる。目を逸らしてしまうと、きれいさっぱり水に流されてしまう。私たちはそんなドラマチックな「時」に突入しようとしている。