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人間関係腹八分ー天王星の独立性
風の時代は風通しの良い時代。それは人間関係も同じです。私は月が蠍座であることも影響して「特別な相手を持ちたがる」傾向がありました。学校でも職場でも「この人だけにはなんでも話せるという特別な相手」を一人置いておくことで、月(内的な感情世界)が満足して安心するのです。
月の欲求は満たしてあげることが重要ですが、如何せん、私たちはそこに囚われすぎるという傾向があります。月のサインやアスペクトに関わらず、月という天体が教えている重要なことは「感情を掴まないで、感情はあなたの本体ではないですよ」ということです。クルクルと次々に変化していく感情に捕まると、不自由になるのは自分自身です。
感情に主導権を与えると、私のニーズを満たさない他者、私の気持ちを満たさない他者は「なんでやねん、気に入らん」になります。地球上の誰一人として、<私のニーズ>を満たすために存在している人なんていませんw冷静に考えると、そんなことは当たり前なのに、私たちはすぐに他者に依存します。「私が期待するように反応してね」です。何様w
私自身、何十年も安定した関係が続いている友達は一人しかいません。元々人間関係は苦手です。50歳にもなって、ようやく気づいたことは「人間関係は腹八分」という極意です。これは「言いたいことを腹八分で抑えましょう」ということではありません。相手を嫌ったり、嫌悪感や怒りを感じてはいけないということではありません。自分の感情を抑えて無理やりにでも調和を保ちましょうということではありません。
感情はどんな感情でもいい、どう感じてもいいのです。ただ「それを掴むな」ということです。怒りを怒りとして表現できる人はあっさりしています。嫌悪感を嫌悪感として表現できる人は自由です。大嫌いと言える人は健康です。いちいち感情を掴まないからです。でも、怒りや嫌悪感を自分に禁じている人はいつまでもそれを覚えています。それにより自分自身が不自由になるのです。
人付き合いは腹八分ーーそれは人間関係に過度の期待や特別性を持ち込まないことであり、他者に依存しないで独立性を保つということです。相手に心理的依存をせず、自己同一化をせず、お互いの心と行動の自由さを維持するための独立性を守るということ。これができていれば、ちょっとしたことで感情が揺れることは格段に少なくなります。
自分が親友だと思っていた相手だからこそ、「ひどい!裏切られた!そんな人だと思わなかった!」なんて感じますよね。赤の他人ではなくて、家族だからこそ感情的になりますね。それは甘えでもあるということ。相手に依存しているということ。依存しなければ、相手が自分の期待するような態度を取らなくても、落胆することはありません。好きから嫌いの間を激しく揺れ動くこともありません。自分の軸が独立しているからです。
そもそも心や感情は独立性を持っているものです。この独自性を発揮するためのパーソナルスペースが重要になってくるのが、風の時代です。人間関係も軽やかに。去る者追わずーというよりも、はじめから誰のことも「追わないこと」です。ご縁とは自然に近づき、また時が来れば自然に離れていくものだと思います。
人間関係は腹八分あるいは腹六分にしておくと、却って相手への深い敬意が生まれます。私も相手も自由にさせる余白が生まれます。私もあなたも尊重するための独立性を守ることが、風通しの良い水瓶座的人間愛(友愛)の土台にあると思います。
これからは誰かとツルもうとしない方がいい、友達至上主義はやめて、お一人様至上主義の感覚を持つといいーーと私は思います。それぞれが自分の夢や理想や本分を追求していけば、結果的に多くの人と共鳴したり、感動したり、心の交流は生まれていくものだからです。水ではなく風が主体の時代、実に爽やかでいいな〜と思います。
「独立性なるもの」は天体で言うと、水瓶座のルーラー・天王星がもたらします。太陽に天王星がアスペクトしている方にとって、人生とは独自性と独立性を持って切り開くものです。月に天王星がアスペクトしている方にとって、心の安定を維持するために重要なことは、心の独立性とスペースを守ることです。その根底にあるものは「個としての核を染められることへの抵抗」だと思います。それは支配やコントロール、依存と甘えへの抵抗なのです。
天王星が効いていると、変人とか協調性に欠けるとか言われがちでしたが(アタイのことです)。まあ、そらそうやわな。地と水の要素が強い時代を生きてきたんだもの。これからは水瓶座的性質・天王星的性質が強い人たちの価値観がスタンダードになるかもしれませんね。
これからの時代はトップダウンではなくボトムアップです。でも、コミュニティやグループを構成する一人ひとりが知性よりも感情ベース(月主導)で在ったなら、どうなるでしょうか。(想像するだけで恐ろしいw)風の時代の繋がりは機能しません。一人ひとりが自立していないコミュニティは100パーセントぶっ壊れます。
だからこそ月を成熟させ、他者依存を手放し、心の安定と独立性は自分で守ることが大事です。これまでのように、月と海王星をくっつける(自己憐憫、自己同一化)のではなくて、月と天王星を調和させる(独立性から生まれる規律と助け合い)ことが必要ですね。
人間関係腹八分ーーああ深い。先人たちよ、ありがとう。