金星の年齢域とその重要な役割
金星の年齢域は7歳から14歳であるーーというお話を聴きました。一般的には月の年齢域が0歳から7歳、水星の年齢域が7歳から14歳、その次に金星の年齢域(14歳から24歳)があるとされています。でも、よく考えてみると確かに違和感しかありません。
月の時代は肉体と感情体を作り出す時期です。親から与えられた『いわば仮の肉体』から自分自身の肉体が作り出される時。この時期は感情を自由に表現してもいいということを学びます。月の時代に感情が制限されると、自分らしさや個性の核が消えていきます。
この時期は、誰か一人でもいいから、ありのままの私たちを肯定して温かく受け入れてくれる存在が必要です。もしも親からそれを得られないなら、近所のおばあちゃんでも大自然でもいいと思います。どんなあり方でもいいから、ありのままの私でいても認めてもらえるという体験が必要な時。その安心感がそのまま他者や世界への安心感となっていきます。
その次に金星の時代があり、ここで私たちは自分の快不快を自由に感じて、それを表現することを学びます。私を喜ばせ、私を心地よくさせ、私を満たしてくれるあらゆる要素を体験していきます。美味しいものを食べる喜び、美しい服を纏う喜び、美しい音を聴き、美しいものを見る喜び・・・
この金星の時代に、親や世間の価値観に従うことや記憶力などの一面的な知性を発達させることにばかり集中させられると、自分自身の快不快がわからない人になり、感受性が傷ついて未発達になります。感受性が閉じ込められることは自分を守ることができないことと同義です。
痛いのに痛くないことにする、怖いのに怖くないことにする、辛いのに辛くないことにする、怒りを感じているのに怒ってないことにする、おかしいと思うことをおかしくないことにするーー極端な言い方をすれば、人間に備わっている自己防衛反応や自己愛が失われたロボットのようになってしまうということです。
月の時代に感情の自由・本能的自由が奪われているのに、さらに金星の時代にも感受性の自由を奪われる。そうやって育っていくと、やがては社会の理不尽さに押し潰されます。辛いことに耐えられない人になります。自分を守る手段、自分を愛してもいいのだということを知らないからです。
不当な扱いを受けても、自分を蔑ろにされても、どんなに失礼なことをされても、怒ることもできない。生きることは喜びであり、自分を心地よくさせるあらゆることを自由に味わってもいいのです。でも、そのこと自体がわからなくなるのです。
月や金星が傷ついていない人は稀です。月が傷ついていれば、一生をかけてそれを取り戻していくことになるように、金星も同じなんです。金星が傷ついていれば、意識的に取り戻していく必要があります。金星は自分の価値観です。何を美しいと感じ、何を醜いと感じるか。何が善であり、何を善ではないと感じるか。何が心地よく、何が不快であるのか。そこに理屈や善悪や優劣なんで存在しません。
その価値観はあなただけのもの、私だけのものです。本当はとても不快だったったのに、とても嫌だったのに、とても悲しかったのに・・・それを認めることさえ許されず、平気なふりをして生きてきたから感受性が麻痺してしまったーーフリーズしている自分を救済すること。そんな一大仕事が金星を取り戻すことです。
特に女性はわがままになっていいと思います。自分が着たい洋服を着てもいい。年齢や容姿なんて関係ない。体型や歳を考えろーーなんて好きなだけ言わせておけばいい。自分が欲しいものを欲しいと認めていい。私の心地よさと喜びを享受していい。たとえ、それが親や世間からは非難されるようなものであってもです。
だって、月と金星が満たされないことには、他のすべての天体もうまく使えるはずがないのですから。私たちはすべてのスタートである月でさえ、健全に機能させることがままならない世界に生きています。私たちが本能的に強く欲しているものは月と金星が示しています。それが十全に満たされた時、水星が方向性と手段を得て太陽が輝き、その光は社会や周囲へと勝手に漏れ出します。
私、これ好き、私、これ嫌いーーこれが金星です。それイイ、それヤダーーそれで十分です。それをちゃんと感じて、ちゃんと表現するだけ。それが自己愛です。計算ドリルのように段階を踏んで、その練習をしていくだけでOKです。私、どっちでもいいよーーなんて、本当は絶対に感じてません。私は特に何も感じてない、どっちでも平気だよーーその得体の知れない癖(脊椎反射)を徹底的に止めることです。
金星が示すものは「私が大切にしたいもの、満喫したい喜び、私を喜ばせるあらゆる事柄」です。それは物質的にも精神的にもです。それを大切だと表現することさえ許されなかったのならば、何歳からでも金星を取り戻していいのです。全力で取り戻すべきです。
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