トランジットの影響を分け合っている私たち
先日、出生図・経過図・進行図の三重円で見れば、より詳細で的確な運命が読み取れるという内容のことを書きました。出生図は個人の人生の地図、経過図は万人に適応されるトランジットの影響を見るもの、進行図はソーラーアークやプログレスと呼ばれる方法を用いたものです。
進行図はソーラーアークが主流になってきていますが、いずれにせよ、進行図とは個別の星回り(個々人特有の周期や具体的出来事)を見ることができるため、二重円(トランジットのみ)よりは、三重円チャートの方が格段に精密度が上がります。
何を読み取るにせよ、出生図が要です。次に、万人が共通して受けるトランジットの影響というものがあり、その上で個別の星回りが読み取れる進行図が生きてくるということになります。(これは読み取る順番の話ではありません。生まれてきた意味や宇宙のプログラムのことです)このように占星術の仕組み(枠組み)はとても重要で、優先度を間違えると本質から離れていきます。
まずは10天体です。10天体と12星座と12ハウスの意味はどこまでも深いので、一朝一夕で理解できるものではありませんが、この基本を深めていくことを忘れなければ、占星術の核心部から離れることはないと思っています。
さて、運命なるものはとても立体的にできています。個人のトランジットの影響がご本人のみの体験で完結されるとは限りません。それがご家族の体験となって現れることもあります。たとえば、トランジット冥王星がICにきている女性がいるとします。しかし、大変緩やかな影響に留まっているという場合、近しい人が代わりにその影響を受け、緩和してくれているということもよくあります。
ご夫婦のシナストリーチャートを見ると、それがよくわかります。上記の場合ですと、ご主人様の太陽が奥様のICと合になっていたりします。(奥様にとってご主人様が内なる太陽のような存在であることを意味し、運命的で大変よい組み合わせです)同時期に同じポイントで、ご主人様の太陽が冥王星の影響を受けていることで、奥様の方には緩やかな出方になっているのだと思われます。
個々人の出生図において、すべてのバランスが取れることは不可能であり、長い人生においては切りぬけることが困難なことが必ず生じてきます。冥王星や土星の激しいトランジットが来たら、誰でも怯むと思うのですが、大丈夫です。私たちはひとりではありません。自分ひとりでそれを受ける必要はないということです。必ず助けがあります。だから、私たちは無事に生きていけるのです。
生命はお互いに助け合っています。ご夫婦のシナストリーを見ると、人と人との繋がりや愛が、この世界をあまねく循環していることを感じ、胸がいっぱいになります。とても美しいハーモニーです。不安に押しつぶされそうになった時こそ心を開き、この世界を満たしている愛というエネルギーを感じてみてください。
どうせ大丈夫なんです。苦しみや困難をひとりで受け取る必要はありません。この地球の生命は皆、お互いに助け合って存在していることを占星術は教えています。その最たる存在がパートナーです。70億の人の中で、お互いがお互いを選んだ神秘を信じましょう。そして、月(囚われ・恐怖)を成熟させていきましょうね。
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