月のノードが逆向きに進む意味
通常、天体を始めとする占星術の基本概念は12星座の並び順通りに進んでいきます。(ホロスコープ上では反時計周りの方向に進む)でも、逆向きに進むものがあります。たとえば約二千年ごとに移り変わる大きな時代区分がそうです。これは宇宙的春分点の移動によるもので、約二万四千年をかけて一周します。現在はその春分点が魚座から水瓶座に移ったばかりと考えられており、そのため、これからの二千年間は水瓶座時代と呼ばれます。
春分点とは黄道(地球から見た太陽の運行ルート、天球上における見かけ上の太陽の通り道)と天球の赤道(地球の赤道面を天球にまで延長し、天球上に交わってできる大円)が交わる点のことです。春分点は黄道と天球の赤道が南から北の方向に向かって交差する時に発生します。この春分点は全ての基準なので大変に重要です。
これは個々人の出生図ではアセンダントにあたります。アセンダントはその方の象徴でもあります。西暦2000年ごろに宇宙的アセンダントは水瓶座に移動したことになりますので、これからの二千年間は<水瓶座的な地球・水瓶座的な人類・水瓶座的な時代>となっていくことが示唆されています。
高い次元の水瓶座的生き方と在り方。それは自我を手放すことではないかと思います。特定の概念や思い込み、特定の思想や宗教観を超えて、爽やかに風通しよく生きる。自分は自分として自由に誇り高く生きる。小さなエゴに支配される在り方を潔く捨てて、あらゆるしがらみから解放されて、真の霊性を生きる。
そして、月のノード(ドラゴンヘッド&ドラゴンテイル)も逆向きに進みます。私はこの意味を考え続けてきたのですが、一つの推論に行き当たりました。通常、占星術には「一つ前の星座を反面教師として進化の方向に向かって進みづつける循環の輪としての概念」が存在しています。それなのに、逆向きに進む・逆向きの進化とはどういうことなのか。
行き着いた一つの答えは<次元を上げる>ということです。天体も12サインもレイヤー構造になっています。高い次元で使うこともできれば低い次元で使うこともできます。逆向きに進むのは「前回よりもレイヤーを上げる」ということです。そうしないと逆向きの意味が破綻するからです。二万四千年前の水瓶座ではなく、私たちはこれから、前回よりさらに進化した水瓶座を体現していく必要があります。
これは月のノードで考えても矛盾がありません。ドラゴンテイルは土星的な方向性を持っていて、ドラゴンヘッドは木星的な方向性を持っています。ドラゴンヘッドは進化の方向性であり、そちらに進むと出会うべきご縁が結ばれるとされます。でも、それだけではありません。人のご縁だけではなく金脈でもあるのです。ヘッドの方向へ進むとなぜだか上手くいきます。
魂の願いでもあるヘッドの方向に進むと、「そっちであっているよ」と言わんばかりに「良いご縁や物質面を含めた宇宙的な援助」が受けられます。だから、自分自身で必ずわかるものなのです。ヘッドの方向に進んでいった時、一応は上手くいったけれど、強い反発や妨害も受けたーーこんなケースがあります。それは半分は合っているけれど、半分は間違っているよということだと思います。
それくらい単純には解釈できないものが月のノードでもあります。特に月のノードと重なっている天体があれば、それは特別に重要な意味を持ちます。木星的な方向性であるヘッドと重なる天体は、そもそも高い次元で発露させることができるポテンシャルを秘めています。またはその天体を高い次元で使うことが避けられない大切な課題です。一方、土星的な方向性であるテイルと重なる天体は「魂の進化の上で大々的な縛り・足枷」となっているものを示しています。あるいは過去に後悔したポイントそのものでもあります。
現在、ドラゴンヘッドは牡羊座にありますが、年明け早々には魚座へと移動します。残り数ヶ月の間に、人類の皆々様、高い次元の牡羊座を獲得しましょうーーということになります。たとえば、出生図においてドラゴンヘッドが牡羊座でそこに月が重なっていたとします。その場合、今世では牡羊座の良い面を全面的に発揮していくことが進化と繁栄の方向性です。牡羊座の良い面とは「極めて本能的で純粋、混じり気のないストレートさを発揮すること、そして、あらゆる概念や思想に染まることのない直感力と生命力」です。
さらに月が重なっているのなら、月を高い次元で発揮していくことです。月の良い面とは「極めて純度の高いピュアなあり方や性質」を体現していくこと。そして「自分の感情に正直に生きて健全な本能に従うこと、自分を自分でケアして満たすことができる能力」でもあります。さらに、月の美点は「深く情緒的で詩的な才能、芸術的かつ文学的センス」でもあります。
ヘッドが牡羊座であれば、テイルは天秤座です。テイルはそのサインの悪い面を増幅させない、低い次元での発露の仕方を避ける、それを再び繰り返さない、そこに逃げ込んで自己擁護しないーーという意味があります。天秤座を低い次元で使うと「周囲に合わせて自分を蔑ろにする性質」として現れます。そして、善悪二元論・既成概念・特定の思想や宗教的枠組みに取り込まれた過去を持っている可能性が高いです。それが全てのバイアスとなって、過去と同じ道にしがみつくことがあります。
ドラゴンヘッドの方向性は自分でわかるもの。しかしながら、その道を邁進するのはかなり難易度の高いことでもあります。それは土星の課題を避けたくなるのと非常に似ていて、どうしても認めたくない、それをやりたくはないと感じるポイントでもあります。でも、それは如実に現実的結果として現れるので、魂が望んでいる方向性は必ずわかるものなのです。