太陽と月・男性と女性ではその扱い方が異なる
月は肉体レベルに付随するもので、本能的な安心感の在りかや感情を司り、肉体のコンディションも左右します。月という天体が教えてくれる重要なことは「感情を掴まない、常に新しい瞬間を生きる姿勢を身につける」ということです。それはつまり、月を大事にしつつも太陽に向かうということですが、このバランスや方向性が男性と女性では異なります。
月は28日程度で12サインを一周します。それくらい忙しく変化を繰り返す天体です。感情はあなたの本体ではありませんよ、感情とは次々に移ろいゆく儚いものですよ、肉体やメンタル面の変化に飲み込まれずに自分の軸を安定させましょう、自分をケアしつつ、人生を安定的に進んでいく方法を身につけてくださいねーーそのような示唆を与えてくれています。
占星術において、女性性を示す天体は月と金星、男性性を示す天体は太陽と火星です。女性性の代表格が月です。そして、月の影響を強く受けているのは圧倒的に女性ーーなのです。男性には生理による肉体の不安定さがありません。女性は生理周期により、感情と肉体が強い影響を受けます。普段はなんとも思わないことでも、毎月必ず感情のコントロールが普段より難しくなる時期があります。30日の間におおよそ7日程度もそんな時期があるわけです。肉体も同様にしんどいです。
この違いはとても大きいです。男性と女性は感じ方が違う、太陽と月の適切な収め方やバランスも異なります。語弊があるかもしれませんが、男性(または男性性が強い人)は月のネガティブ面にフォーカスする傾向があるように感じます。(ひたすらに太陽を重視する傾向がある)女性(または女性性の優勢な人)は月のネガティブ面とポジティブ面の両方を一体的に捉える傾向があると思います。
私自身は占星術を学び出した頃、月のネガティブ面にフォーカスしていたのですが、段々と矛盾に気づいて違和感が強くなり、月の必要性や重要性にも目が向くようになりました。肉体的性差というものは明確にあって、生来、男性は太陽と火星を使うことが得意です。女性は月と金星を使うことが得意です。この違いを蔑ろにすると、パートナーシップにも影響しますし、下手をすると精神を病みます。
私は就職氷河期真っ只中で社会人になりました。希望の職業に就くこともできず、とある企業の一般職OLをしていました。これがもう実に辛かった!9時に出社して1時間もしないうちに家に帰りたくて仕方がなかったのです。お昼休憩の時は解放されるのですが、午後も時計ばかり見ていました。ただ上司から与えられる仕事を淡々とこなすだけで、やりがいも感じることなく、自分が会社にいること自体が違和感の連続でした。
きっと私は社会不適合者なのだと思いました。会社勤めが辛くて仕方がないのは私がわがままだからだ、私の偏った性質のせいだと思っていました。でも、心理占星術の先生から太陽と月についての解釈を教えていただいた時、目から鱗が落ちました。私が社会不適合者だから辛かったのではなくて、私が女性だから辛かったのだ!!!とハッとしました。
女性は月の影響を強く受けています。心も身体もクルクルと揺れ動く存在です。男性性の強い社会の中で(男性基準で作られた社会構造の中で)男性と同じように働くこと自体に無理があります。毎月の生理時も、普段と同じ時間に起きて満員電車に揺られなければならない。それだけで多大な負荷がかかります。休憩時間だけは解放されていたのも、まさに月の働きです。
月の影響を強く受けている女性は食べることや話すことで満たされます。解決方法を提示して欲しいのではなくて、ただ感情を聴いてもらうことで心を解放し、何かを食べることで肉体意識(素の自分自身)に戻ることができるのです。食べ物を口にすることでホッとして、今ここに着地する感じですね。
美味しいものを食べる、美しいものに触れる、お花をもらう、話を聴いてもらう、肉体のコンディションを考慮してもらえる、リラックスして内側を解放できるあらゆる事柄ーー女性はそんなことに多大な喜びを感じ、そこから活力や自己肯定感を得ています。男性よりも月(+金星)を重視しているわけです。
一般的に、女性はその日にあった出来事を夫に報告することが多いと思います。でも、概ね男性は本気で聴いていませんw奥さんの話に対して「そんなに嫌なら行かなければいいだろ、もう付き合わなければいいだろ」とか、的外れな返答をしたりします。解決方法なんて求めていません。「そうなんだね、そうだったんだね」と、女性はただ聴いて欲しいだけです。
うちの夫は「聴いてるよ感」を押し出して、「それ何の報告❓」という私のオチのない話をうまく聴き流しています。話を受け止めてくれる姿勢を示してくれるだけで満足ですw石田純一さん曰く<女性の話には「へー、ふーん、そうなんだ」以外のワードで答えてはいけない>と。間違っても解決策やアドバイスなんて口にしてはいけないと。さすが、よくわかってるなあと思います。だてに裸足ではないですな。
男性は女性の買い物に付き合うことが苦痛であるとも聞きます。大多数の男性にとっては「明確にこれを買う」という目的の品が定まっていない買い物はあり得ないようです。ウインドウショッピングなるものは時間やエネルギーのロスだと感じるのでしょうね。これも男性が解決や結論(太陽)を重視するのに対して、女性はプロセス(月)を楽しみたいし、積極的に金星を使いたい、という性質の違いから生じるのだと思います。
男性にとって「月という感情の変化・日常的な肉体レベルの事柄・習慣や過去に帰属する意識」に関することは最重要事項ではないのです。だからこそ、黙って女性の報告話を聴くことが難しいのです。男性にとっては、それよりも「外に向かっていく意識、仕事、解決方法」が大事なのです。つまりは「社会の中で太陽を使うこと」が自然にできやすい。
特に女性、そして女性性の強い男性は会社勤めはかなりキツイことだと思います。生活のために働くと決意しても、人間関係やその他諸々が辛くて、会社に行けなくなった・・・これは太陽の目的意識を発揮したものの、月の本能や感情が押し潰された状態です。それを放置すると引きこもりになります。月を軽んじると確実に精神を病みます。
その解決策は月の好き嫌い、快不快を無視しないこと。好きなことや満足感を大事にして、自分の心身にとっての「最適化」を重視した仕事のやり方に切り替えることだと思います。太陽は外に向かう意識であり、創造性であり生命力です。でも月もセットなんです。月(本能的肉体の恒常性や感情、内的世界)を著しく無視しないと適応できないような社会は病んでいます。男性性の暴走です。
太陽ーーその中に月の意識を内在させること。アーティストや好きなことを仕事にしている人、自分にとっての最適化を大事にしている人は概ね月が壊れない・・・太陽と月はバランスが大切であることを教えてくれています。そして、男性と女性ではその扱い方が異なることも忘れてはいけないと思います。特に女性の皆様、会社勤めが辛いと感じていたり、それにより肉体的・精神的に限界を迎えてしまうのは、社会への適応能力が欠けているからではありません。あなたが女性であるからです。どうか自分を責めないでくださいね。
遠慮なく、月を大事にしましょう。そして、男性の皆様、奥様の話をただ聴いてあげましょう。(聴いているフリでもいいですw)食べること、休むこと、愛でること、慈しむこと、解放すること、守られることを重視する女性(女性性)を理解してあげましょう。女性の生理(月)を理解して、包み込んでくれる男性が「女性を幸せにできるいい男」ではないでしょうか。(超個人的意見ですみません)一方の女性は男性に癒しと活力と自信を与える存在であること。(明るく健やかでチャーミングであること)そうして両輪が循環していくのだと思います。