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「めんどくさくない」だけで素晴らしい説。
私は料理が苦手だ。
正確に言うと、料理自体は楽しいと思ってる。
ただし、平日仕事から帰ってたあとに料理をする時間が苦手だ。身体も疲れてるし、献立を考えるのもめんどくさい。お腹がすいてヘロヘロの状態でスーパーにいくと、大事な材料を買い忘れたりする。食べ終わって食器を洗うのもおっくう。
毎日きちんと自炊してる人を見ると、それだけで「ははぁ」と頭が下がる。偉いなぁ、とちょっと眩しく思う。
だけど最近その話を友達としてて、新しい発見があった。
彼女は特に「料理好き」ではないのだけど、毎晩自炊をしている。お弁当だって職場に持参している。私から見れば雲の上の人である。
「偉いねぇ・・・」とため息混じりに称賛すると、彼女はこう答えた。
「別に、苦じゃないんだよねぇ」と。
驚く私に、
「単純に気分転換になるし、特にめんどくさくないのよね」と続けた。
たしかに私だって、料理がまるっきり「出来ない」わけじゃない。休日、好きなものを作るのは楽しい。だけど、めんどくさく感じる人とそうでない人のあいだには、決定的な溝があるんじゃないかと思った。
逆に言えば、「ものすごく得意」とか「心底大好き」という事柄でなくとも、「めんどくさくない」というだけで、ずいぶん価値があるかもしれないのだ。心理的な抵抗がないとか、毎日つづけても苦痛じゃないとか。
仕事だって同じだと思う。数字と向き合っても疲れない人。本を読みつづけても頭がパンクしない人。事務処理し続けて吐きそうにならない人。しゃべり続けてうんざりしない人。請求書を迅速にさばき続けられる人。
自分にとって、「めちゃくちゃ得意」とまで行かなくとも、「めんどくさくない」「苦痛じゃない」ことがあれば、すこし自分を褒めてあげてもいいのかなぁと思ったのでした。
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