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恋の散文 -満期
お互いにまだ大好きなのに
もうこの関係での満期を迎えてしまい
離れるしかないときに
生きていて人と関わるってこういうことだよなぁと思う。
選べないし、いつくるかもわからなくて。
ただ、このときにあれこれ思考でつなぎとめようとしたり、まだキラキラ残っている大好きの気持ちにすがって一緒にいてしまうと、結局どんどんお互いに重くなって、腐ってきてしまう。
下品なことなんだと思う。
流れを受け入れること、
軽くあること、
品よくあるということ。
ただ、そううまくはできなくて、ぐちゃぐちゃになっちゃって、死からの再生を経験することも、それはまた人間味あふれて悪くないとも思うけど。
***
そっか。大好きな家なのに、人生が進んで、もうそこに住むことは自然ではなくなって、引越さなればいけない時と同じなんだな。
愛着があって、良かったこともつらかったこともなんでもない日常も、思い出が詰まってて、子供みたいにだだをこねてまだここに居たいって泣きたいのに。
大好きだから別れがつらいけど、お互いに大好きなままで離れられることは幸せなことなんじゃないか。
彼だってまだ私と居たいのだ。本当は知ってる。
あたりまえにその体の温もりにふれて、
いつだって、いろんなことでずいぶん疲れた足で向かいたい場所は私のもとなのだ。
そう思えたら、この感傷も少しだけましになった。