【屋久島空港問題 ♯10】 屋久島町の急激な人口減少
“偽りの需要予測”も“法外なでっちあげ経済効果”もお手の物のパンフが、観光による経済効果だけは捏造できなかった背景には、人口減少社会とそれに伴う経済の縮小という抗いがたい趨勢がありそうです。
データで見る屋久島の人口減少
グラフのとおり屋久島町の人口は2009年頃まで1万3千人台を維持していましたが、以後は国勢調査の度に1000人ずつ減らして、2014年に1万3千人台を割り込み、2019年に1万2千人台を割り込んでいます。
町報掲載の2023年5月の町民人口は11,634人、この分だと次回2024年の国政調査では1万1千人台も割り込むかもしれません。この減少ペースは「屋久島町人口ビジョン」平成27年版に記載された、国立社会保障・人口問題研究所の将来予測よりも、はるかに急ピッチです。(太字筆者)
2018年以降の減少具合が気になって、町のHPの「人口増減の内訳」を調べてみたら確かに自然減が著しく、一昔前の1学級に収まりそうな2022年の出生数に驚かされました。
2019年(令和1年) 出生数 74 死亡数 170
2020年(令和2年) 出生数 81 死亡数 203
2021年(令和3年) 出生数 70 死亡数 179
2022年(令和4年) 出生数 49 死亡数 177
パンフ曰く、屋久島の人口は横這い
一方パンフは人口減少の事実に目をつぶって、1万3千人台で推移と言ってのけました。
県の刊行物が、国勢調査結果も国立社会保障・人口問題研究所の人口推計も町の人口分析も無視して、堂々とウソを書けるのはある意味本当にすごいです。
でも感心してもいられないのは、「国内航空需要予測の一層の精度向上等について」の中に、こう書いてあるからです。
パンフにとってデータ操作はデフォルトですが、誰でもすぐわかる人口統計まで平気でごまかす神経が理解できません。高齢単身者の増加を意味する単身世帯の増加を、何の意図で書いたかもわかりません。
同じく「町の存続に関わる大変由々しき問題であると認識している」町長が、なぜ異議もなくそのままパンフを配ったのでしょうか。
つくづく思うに、私たち町民がよっぽどなめられているのでしょう。
だからさも有難いもののように、2,000m滑走路を押し付けてられてしまうのでしょう。
記事まとめ
【屋久島空港問題 ♯0】 「屋久島空港の滑走路延伸計画」は2,000 m滑走路の必要性を捏造している ~その首謀者と目的は?~
【屋久島空港問題 ♯1】 2,000 m滑走路の目的は、屋久島‐羽田間のジェット機就航。1,500m滑走路でジェット機就航中の空港もあるのに。
【屋久島空港問題♯2】 1,500m、1,800mでもジェット機が飛ぶなら、2,000m滑走路の必要性はない
【屋久島空港問題♯3】 鹿児島県の態度急変と同期する2,000m滑走路。因果関係があるのでは?
【屋久島空港問題 ♯4】 情報隠しとウソとごまかしのパンフ
【屋久島空港問題 ♯5】 「新規事業採択時評価」と評価の基準
【屋久島空港問題 ♯6】 需要予測なんかしないで出した “偽りの需要予測” 14万人
【屋久島空港問題 ♯7】 14万人よりかけ離れて少ない実績値(関東からの鹿児島便乗降客数)
【屋久島空港問題 ♯8】 羽田直行便就航後は軒並み採算ライン割れ それでも就航する航空会社は?
【屋久島空港問題 ♯9】 関東方面からの旅費低減と時間短縮で、223億5千万円の経済効果?!
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