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【屋久島空港問題 ♯0】 「屋久島空港の滑走路延伸計画」の2,000 m滑走路ができると・・・自衛隊機や米軍機が飛んでくる?!
鹿児島県の南方60 ㎞沖に浮かぶ屋久島に、県が設置、管理する屋久島空港があります。
現在1,500mの滑走路で、鹿児島便、福岡便、伊丹便が就航していますが、東京方面に向かう直行便がないので、
ジェット機による東京直行便の就航を目的として、
滑走路を2,000mに延伸する「屋久島空港の滑走路延伸計画」
(以下本計画と称す)が進行中です。
東京直行便の就航で起こり得ること
しかしながら本計画どおり2,000mに滑走路に、想定ジェット機が東京直行便として定期就航すると、次から次にこんなことが起こり得るのです。
1 肝心の東京直行便は採算割れで、ほどなく運行停止に。
2 東京直行便に乗降客を奪われた鹿児島便も、採算割れで大幅減便に。
3 東京直行便が就航しても観光客は増えない。
4 運航停止と減便で離着陸回数が減って、2,000m滑走路の有り余るスペースに自衛隊機や米軍機が飛んでくる。
風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話じゃないか、とても信じられない・・・という人のためにこのノートで、その現実味のほどを逐次明らかにしていきたいと思います。
前半 #1~
前半部では、「屋久島空港の滑走路延伸計画(案)について」という10ページのパンフレット(以下、パンフと称す)を、ひたすら読み解いていきます。そこに見えてくるものは・・・
ジェット機就航の目的に対して2,000 mもの滑走路長さは必要ないのに、現実とかけ離れた過大な需要予測をして必要性があるかのように見せかけています。過大な需要予測に基づいて就航すると当然赤字になるので、上記1,2の現象が起きてきます。
滑走路延伸事業による法外な経済効果をでっちあげて、費用対効果が大きいとしていますが、観光への波及効果については一言も言及しておらず、上記3の事象が起こりえます。
このような相次ぐ捏造の当然の帰結として、本計画は予算化に不可欠な「新規事業採択時評価」の評価の主な基準を、満たすことができていません。
評価の基準を満たせなければ、国の予算がもらえず着工不能になるので、本計画は完全に破綻しています。
ところが実際のところは、破綻した計画が「新規事業採択時評価」で却下されることなく、そのまま予算化される公算が非常に大きいのです。
・・・とここまでが前半部です。風が吹けば…くらいに息の長い話になるので、先に結論を知りたい方は「#12の中間まとめ」をご覧ください。
後半 #13~
1~3はともかく4だけは絶対にあり得ないという人でも、中間まとめを読み終えた頃には、否応なしに次の疑問に突き当たることでしょう。
誰がなぜ2,000 m滑走路にここまで執着して、「新規事業採択時評価」の評価結果まで捻じ曲げるのだろうか。
その疑問に対する筆者なりのひとつの答えが、民間空港として完全に破綻している本計画が、実は南西シフト(南西諸島における自衛隊の基地強化)の一環に組み込まれている可能性です。
突飛な空想と思われるかもしれませんが、お隣の馬毛島が米軍の陸上空母離着陸訓練(FCLP)の移転先とされ、今現在自衛隊基地の建設工事も進行していることから、本計画を知るなり4の可能性を直感した屋久島町民も、そこかしこにいるのです。
後半ではその直感を少しでも実証に近づけるため、種ケ島、馬毛島、奄美大島から沖縄諸島、先島諸島に至る島々で現在進行形の軍事基地化について、じっくりと調べていきます。こちらも先の長い話になりますので、気長にお付き合いいただければ幸いです。
「屋久島空港の滑走路延伸基本計画(案)について」屋久島空港滑走路延伸協議会 (パブリックインボルブメント/住民参画用パンフレット)
![](https://assets.st-note.com/img/1693453612280-1YOHVdGRJT.jpg?width=1200)
「中間まとめ」までの記事一覧
● この記事がめざすもの #0
【屋久島空港問題 ♯0】 「屋久島空港の滑走路延伸計画」の2,000 m滑走路ができると・・・自衛隊機や米軍機が飛んでくる?! (今ここ)
● 2,000m滑走路について #1 ~ #4
【屋久島空港問題 ♯1】 2,000 m滑走路の目的は、屋久島‐羽田間のジェット機就航。1,500m滑走路でジェット機就航中の空港もあるのに。
【屋久島空港問題♯2】 1,500m、1,800mでもジェット機が飛ぶなら、2,000m滑走路の必要性はない
【屋久島空港問題♯3】 鹿児島県の態度急変と同期する2,000m滑走路。因果関係があるのでは?
【屋久島空港問題 ♯4】 情報隠しとウソとごまかしのパンフ
● 新規事業採択時評価とその基準について #5
【屋久島空港問題 ♯5】 「新規事業採択時評価」と評価の基準
● 需要予測と実績値について #6 ~ #8
【屋久島空港問題 ♯6】 需要予測なんかしないで出した “偽りの需要予測” 14万人
【屋久島空港問題 ♯7】 14万人よりかけ離れて少ない実績値(関東からの鹿児島便乗降客数)
【屋久島空港問題 ♯8】 羽田直行便就航後は軒並み採算ライン割れ それでも就航する航空会社は?
● 費用対効果分析について #9
【屋久島空港問題 ♯9】 関東方面からの旅費低減と時間短縮で、223億5千万円の経済効果?!
● 屋久島の観光問題について #10~#11
【屋久島空港問題 ♯10】 屋久島町の急激な人口減少
【屋久島空港問題 #11】深刻な観光客の減少トレンド
● 中間まとめ #12
【屋久島空港問題 #12】中間まとめ・・・破綻した計画でも構わずに予算がつくという茶番劇