人に合わせなくていい時代が静かにやってきた
私が子どもの頃、「ネクラ」という言葉が流行りました。みんなとにぎやかに騒げない人、ネガティブにものを考えてしまう人、静かな人はみんな一緒くたに「ネクラ」と呼ばれていた気がします。
私も女子校の時、先生から「ネクラ」とからかわれたことがありました。みんなと騒いだりつるんでトイレに行ったりするのが苦手だったからです。1対1なら平気ですが、3人以上になると気を遣いすぎて頭をフル回転させたり心がザワザワしてとっても疲れました。それで「それならいっそ1人のほうが気楽でいいや」となり、他教室への移動も1人で行くことが多かったり、クラスでも自席で静かにしていることが多かったのです。
HSPという自覚がある人は、生きやすさを自分で確保しなければなりません。人と同じようにしていると無理してパンクしちゃうからです。平気な人はそれがナチュラルなのに、それに合わせてずっと無理し続けると自分を抑え続けているので、そのうち自分の感じていることがわからなくなって、無感動・無感覚になっていきます。もしくは病気になるなど体調に変化が現れます。
また、HSPの人はストレス耐性が少ないので、ストレスを回避することが重要です。それが、自分自身を守ることになります。私も若い頃は「逃げるのはよくないこと」と思って立ち向かおうと努力していましたが、一向に慣れることはありませんでした。それもそのはず、HSPは生まれ持ってのものなので、特訓や修行でなくなるものではないからです。
なかには苦手なことでも何度も遭遇していれば、そのうち慣れてストレスが軽減するものもあるかもしれません。でも、それはHSPでない人の何倍も努力しなければならないでしょう。
そこまでして人と一緒である必要はありますか?
もし、あなたの性格や特性を理解してくれる人がいたら、とてもラッキーです。そういう人と一緒ならストレスをあまり感じずに穏やかに過ごせるでしょう。
ただ、今回の新型ウィルスの件では誰もが強制的に家にいなければなりませんでした(家族単位の人もいますね)。つるむことができなかったんです。そうしたら、家の中で人と同じにしなきゃならないということはなくて、それぞれ自分の大切なものや価値観などを認識できる時間になりました。
これから先はWithコロナの時代。何の疑いもなく出社して場所と時間に縛られていた働き方もゆっくりだけど確実に変わるでしょう。一緒にいても、お互いを大事に考えて行動することが増えるでしょう。
みんなと一緒にする・同じにするというよりは、一人ひとりが考えて自と他を大切にする時代の到来です。HSPという概念や生き方も少しずつ認知されてきて、浸透していったらいいな。