カップ焼きそばに殺されない

※エッセイ文体でカップ焼きそばの作り方を書いた文章です。

カップ焼きそば、というものを、あなたはご存知でいらっしゃるでしょうか。

焼きそばなのにカップ? とお思いになるかもしれません。私もはじめは、こう思ったものです。

「カップじゃなくてパックじゃない?」

だけどね、そんな思い込みにとらわれなくてもいい。世界はいつも、私が知るより広いの。テキ屋の皆さんがプラスチックパックに入れて売るあれだけが、焼きそばとは限らないのよね。具体名を挙げてみましょうか。

・ペヤング
・UFO
・一平ちゃん

ほら! イメージが湧いてきたでしょう? 実は、こうしたインスタント麺の総称を、専門用語で「カップ焼きそば」というのです。でも、それはあくまで言葉の上の分類にすぎません。全てのカップ焼きそばにその自認があるとは限らないし、上記に挙げた以外にも様々な分類が存在します。フランスでは、ヌイユ・アンスタンタネ(nouille instantanée)と呼ぶこともあるんですよ。

そうそう、作り方の説明をしなくちゃね!

1.熱湯を入れる。
2.お湯をシンクに捨てる。
3.ソースを絡める。

これだけです。私はいつも、からしマヨネーズで好きな人の顔を描くのよ。うふふ。まあ、どうせ混ぜちゃうんだけどね。

人は、知らないものを恐れるものです。やってみるまでは、「怖い」「難しそう」「シンクがボンってなったらどうしよう」ってお思いになるかもしれません。けれど、あなたには、食欲がある。作る自由を、食べる権利を、どうか手離さないでいてくださいね。

元ネタの本:

こういう文体で2014年から200本以上書いているcakes連載エッセイ:

https://cakes.mu/series/3068

よろしくお願いします。頑張って文豪になりたい。

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牧村朝子
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