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横浜・伊勢佐木 古書めぐり

つらい時、古い(百年前とかそれ以上前とかの)本を読むと、人類はほんといろんなことを乗り越えて生き延びてきたんだなあって実感できて元気が出るので、今日は古本の話をしたいと思います。

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わたしが毎月必ず通う、横浜・伊勢佐木町の古書店の話よ!

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伊勢佐木町、あなたは行ったことある?伊勢佐木町って、横浜の、馬車道とかみなとみらいとかの明らかなおしゃれデートスポットと違って、こう、ちょっとイナタいというか、ローカル感ただようとこなのね。

あのー、あれじゃない? 「ちゃらっちゃららららっちゃらん あぁ〜ん♡」っていう昭和の歌あるじゃない? 青江三奈さんの伊勢佐木町ブルースって曲なんだけど。ああいうイメージ。ちょっとブルースな感じ。

それがね〜!

絶妙に落ち着くのよ〜!!!

ってことで、少なくとも月に1回くらいは、必ず伊勢佐木町に行って古本を見ています。

お気に入り古書店その1 玩具文庫活刻堂

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まず行くのがここ、玩具文庫活刻堂。なぜかネットに情報があんまり出てない……。伊勢佐木町一丁目、バイアグラの看板のおじさんマスコットの隣にあります(なんという説明)。

ここの店頭の百円本棚の掘り出し物っぷりはものすごくて、昭和のカストリ雑誌「あまとりあ」がガンガン百円で売られてたのにはびっくりしちゃった。今あるかどうかわからないけど……東京都区内の古書店なら千円くらいで売ってるやつよ。どひゃー!

あと、さすが港町、昔の洋書も多いのね。1900年代初頭の人が本に書き込んだメモとかもそのまま残されてて、どんな人だったんだろうなあ、どんなご縁でこの人のメモはこの島国ニッポンまできたんだろう、どんな船旅だったかなあ(まだ飛行機ないもんね)、って、想像が膨らみます。

玩具文庫の名前通り、店内には、なんていうのかな、わたし詳しくないんだけど、セルロイドとかの玩具?とかフィギュアとかも並べられています。あと、古い映画のポスターとか、昔の分厚い学術書なんかも素敵。

お気に入り古書店その2 馬燈書房

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それからここ、伊勢佐木町五丁目の、馬燈書房。ここのセレクションはマジで間違いない。なんでこんなにハイセンスな本ばっかり入ってくるんだろう?って思う。特に探している本がないときでも、必ず運命の出会いがあるから、とっても大好きです。

すっごくドキドキしたのは、ここのお店で、横浜の出版社が1000部だけ作った佐藤春夫の詩集「魔女」が売られていたこと。ガラス玉付きで、すごく美しい本なの。わたし佐藤春夫だいすきだから、もう、この世に1000部しかない佐藤春夫詩集を手に持っただけでドキドキしちゃって。さすがに高くて買えなかったけど、本を通して佐藤春夫が生きた時代とつながったようで、すごく嬉しかった。

他に確かここのお店では、やなせたかしさんのサインが入ったポスターとか、島尾敏雄さんのサイン本とかを見た記憶がある。ちょっとわかりにくいけど、お店入る前、建物の右側のセール棚にも面白い本が数百円で色々あります。あと、レトロなデザインが可愛い昔のマッチ箱を集めて売ってるのも素敵!

横浜や神奈川についての本も品揃えが多くて、かの有名なヨコハマメリーさんの伝記があったのも嬉しかった、タッチの差で他のお客さんが買って行っちゃって「わ〜ん」ってなったわ。

古書店あるあるなんだけど、棚に入りきらない本が木箱に入ってたり単に積み上げられたりしてるのも面白くて、

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こないだ行った時は、本の山の中に、戦争中のものと思われる愛国百人一首を見つけちゃった。「後援 陸軍省 海軍省」って書いてある、もうどっちの省も日本にはないわね。あと大政翼賛会って書いてある。社会の教科書で見たあの会だ……。NHKも「NHK」って言えなくて(敵性語だもんねえ)、日本放送協会って書いてある。

あと馬燈書房、本の配送を頼むと梱包がマジでプロ。ついつい買いすぎちゃうからありがたい……。

他にも、名前はわからないんだけど素敵な古書店が色々あります。伊勢佐木モールの道端で古本ワゴンセールしてることもあります。

それから、ちょっと離れるんだけど、ここも好き!

お気に入りブックカフェ 関帝堂

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伊勢佐木町からまあギリ徒歩で行けるかなー、でもちょっと遠いからだるい人は電車かタクシー使ってもいいのかなあ、という、中華街の中にある中華ブックカフェ、関帝堂です。

写真は、しそソーダと、お隣の廃道楽というお店でオカルト雑貨を買ったらおまけ券がついてきた不気味ゼリー!チョコミント味!!

あっちこっちにパンダさんがいますが、ここは中華文化についての本がびっしり揃っているブックカフェです。上海に移民した日本人の話とか、中華料理、中国茶、三国志、中華街の歴史、漢字、漢詩、ほんと中華に関わることならなんでも揃ってるんじゃないかっていう。うろ覚えだけど、確か、らんまとかドラゴンボールも置いてあった気がする。

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ほんと、伊勢佐木町で昭和のエログロナンセンスな雑誌を見てから中華街のギラギラを歩くと、「アジア〜!」って気持ちになります。このカオスさが好きなのよね、なんか落ち着くの。

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そうそう、そんな風にして集めた古本の一部に、一冊ぶんずつお手紙を添えて、今週末、渋谷での特別な古本市に出品しています。詳しくはこちらのツイートにまとめています。

あなたは最近、何かお読みになった?今まで読んだ中で、一番古い本はなんだった?どんなことが書いてあった?よかったらまたコメント欄でお話ししましょうね〜。

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