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誰もが持っていて、気づくのが難しい

「理系でもわからないの?私は文系だから無理だけど...。」
「上司にはなかなか「ノー」と言えない。」
「食事代は男性が払うもの。」
「(会社の飲み会で)お酒飲めないの大変だね。」

このようなことを聞いたり、感じたりしたことはありませんか?
これらの言動は、アンコンシャス・バイアスから起きている可能性があります。
「アンコンシャス・バイアス」とは、無意識のうちに偏ったものの見方をしてしまうことです。

今月、「アンコンシャス・バイアス」をテーマに、有志のPJメンバーで座談会を行いました。

自分の常識が相手に通じるとは限らない

座談会はzoomで実施。オンラインホワイトボードのmiroを活用し、「業務内」と「業務外」で分けて考えていきました。

まずは、「アンコンシャス・バイアス」についてみんなでインプット。

アンコンシャス・バイアスは、誰もがもっているものであり、自分の過去の経験や知識、価値観、信念をベースにしたものの見方や判断が、何気ない言動として現れます。
自分自身では意識しにくく、偏っていると気づいていないため、「無意識の偏ったモノの見方」、「無意識の思い込み」などと呼ばれます。

次に、「どんな時にアンコンシャス・バイアスを意識しましたか」という問いに対して、各自15分間、集中して付箋に書き出していきました。

「業務内」で多かったのが、雇用形態や年齢、性別などに対してのアンコンシャス・バイアス。

例えば、
・「時短勤務だからあまり責任の重い業務は嫌ですよね?」と上司に気を遣われた。
・「派遣社員さんは残業が増えると収入が増えるから、喜ぶでしょ?」という声を聞いた
・飲み会の予約や準備は若手の仕事が当たり前になっている
・子供が熱を出した時、看護休暇を取るのは自分(母親)だと思っていた
・40歳近くで男なんだからそろそろちゃんとしないとと言われた
・男性社員はみな、管理職になることや出世を望んでいるはず

などの意見がありました。

他には、上長や決済者など権威に対しての思い込みや、自分の専門領域でものごとを考えてしまう、国籍に対する先入観など、多様な意見が出ました。

今回の座談会では、これらの多くは「個人の習慣や慣習、社会で常識だと思われていること」が原因と分類しました。

価値観が多様化する中で、既存の習慣や慣習、自分が常識だと思っていることが、相手にとって常識だとは限りません。
そのことを意識することで、今まで見えていなかったことがクリアになり、視野が広がるかもしれません。

座談会で活用したmiroのボード

相手との対話を通じて、自分の思い込みに気づく

業務外で一番多かったのは、LGBTQに対しての言動でした。

例えば、
・「LGBTの人ってオシャレだよね!」
・「普通の人に見えるのに意外」(LGBTQをカミングアウトしたとき)
・「LGBTだと生きるの大変だね」
・「ゲイの人って面白い人多そうだよね」

などと言われたり、特別な存在に見られてしまったりする傾向があるようです。
十分な知識がないうちは、間違った捉え方をしてしまうかもしれません。
相手との対話を通じて自分の思い込みに気づき、変わろうとすることが大切です。

他には、
・暴力的な事件が起こった時に、犯人は男性とイメージしてしまう。
・暗い道で男性とすれ違う時、怖いと感じる。
・公園に大人の男性がいると、不審者かもしれないと疑った。
・女性だけの人間関係で悩んでいたら、「女性らしいね。」と言われた。
・性格が「B型っぽいね。」と言われた。
・「ハーフだからかわいい!」と言ってしまった。

といった、性別や国籍など、その人の属性や一部の特性をもとにした先入観や固定観念に関する話題が上がりました。

このように、アンコンシャス・バイアスは、業務に限らず私たちの日常に溢れています。

誰にでもあり、まずは気づくことが大事

今回の座談会だけでも多様な意見があり、アンコンシャス・バイアスは、決して特定の対象者に向けられるものではないことが分かります。

アンコンシャス・バイアスは誰もが持っているものであり、悪いことではありません。
まずは「自分には無意識の思い込みや偏見がある」と気づき、意識することで、周囲とのコミュニケーションがお互いにとって、より心地よいものに変化するかもしれません。

参考資料
WEB
https://www.qualia.vc/unconscious-bias
書籍
『「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない』
『あなたのチームがうまくいかないのは「無意識」の思いこみのせいです―信頼されるリーダーになるたった1つのこと』

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