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シャルコー・マリー・トゥース病の妹の話

三姉妹のシングルマザー、ゆりこです。

私には2つ下の妹がいます。

妹は生まれつき障がいを持っています。
病名はいくつかありますが、シャルコー・マリー・トゥース病と脊髄小脳変性症と診断されています。

10年ほど前から、いわゆる寝たきり状態となり、気管切開しているので、声を出すことができません。
食事は、胃ろうから栄養を確保しています。

2年ぶりの面会

妹の病院は、重度の障がいを持つ方が入院しており、面会が大変厳しく、昨年1度、2年ぶりに会うことができました。

面会できたのも、パジャマが合わなくなって、別のものを買って届けてほしいと病院から連絡があったから。妹の好きなキャラクターのものをいくつか買い、記名をして持っていきました。そして特別に面会許可がおりました。

意思疎通ができる喜び

妹は、三姉妹の話をすると、笑ったり、表情を出してくれるので、面会時間中はずっとエピソードトークをしています。

「りりこが中学生になって、私の身長を越したかもしれないの!」
と私が言うと、
妹は
「でかっ!」
と言って(声は出てないけど)笑ったり、

「ももこはピアノ習ってないのに上手にピアノ弾けるようになったんだよ」
というと
「えー!」
と驚いてくれました。

ゆっくり進行していく病気

妹の病気は、ゆっくり進行していく病気です。二女ももこが離乳食の頃、妹も離乳食のようなとろみのついた病院食を食べていたのに。
その頃は、自分で車イスに乗り、病院の庭に行き、ももこのベビーカーと妹の車イスと並んで散歩したりしていたのに。
病気はゆっくりですが、確実に進行します。

ふたりで歩いた通学路

私と妹は2年程一緒に小学校に通いました。学校までの長い通学路を、足が遅い妹とゆっくり歩いて登校したことを覚えています。
妹が2年生になると、病気が進行してきて、手術をしたり、入院したり、さまざまな治療が行われました。その後、車イス生活となるため、養護学校(今の特別支援学校)へ入り、施設へ入所しました。

車イスとラブラドール・レトリーバー

高校を卒業して施設から実家に戻ってきた妹は、好きな音楽を聴いたり、お友だちと遊びに行ったりして過ごしました。
いとこがラブラドール・レトリーバーを連れてきて、車イスでよく散歩するようになりました。リードを引っ張ることがないように、ドッグトレーナーさんについて訓練したこともありました。

長女りりこを車イスに乗せて

里帰り出産をした時は、それはそれは長女りりこを可愛がってくれました。車イスに乗ってベビーベッドを何度も覗きにきて、一緒にお世話をしてくれました。
りりこが歩き出すと、車イスをよじ登っていくので、車イスに乗せて散歩するようになりました。りりこの服やおもちゃを何でも買ってくれる、太っ腹なおばちゃんと化した妹でした。

心のバリアフリー

私は障がいを持つ妹と小学生まで一緒に暮らし、その後は障がい者施設に妹に会いに行っていたので、いろいろな障がいを持つ方と接してきました。
当たり前のことですが、障がいを持っていても、それぞれ性格があって、個性があります。妹は今でこそ声を出せませんが、音楽とお笑いとディズニーが好きで、明るい性格の持ち主。話してみないとわからない、パーソナルがあると思います。

車イスの方が手動のドアの前にいたら、ドアを開けて待つ、とか
具合の悪そうな人がいたら、大丈夫?と声をかける、とか
重い荷物を持ってる高齢の方がいたら、運んであげる、とか
障がいがある・ない、に関わらず、心をバリアフリーにして、困っている人がいたら手伝いたいと思っています。
私にできることなんて、大したことではないけれど、少しでも誰かの役に立てたらいいなと思います。

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