デザイナーになったときから現在までを振り返ってみる|美大卒 × 未経験出身
こんにちは、デザイナーのゆりこです。
自己紹介すると、私は大学は心理学を専攻していて、
最初はデザインとは関係のない仕事をしていました。
クラウドワークスのデザイナーは、それぞれデザイナーになるまでの道のりが同じような人が意外といません。
今回は美大出身のただのさんと私で、デザイナーになろうと思ったときから今日までを振り返ってみたいと思います。
メンバー紹介
■ゆりこ:
弊社のUIデザイン担当。社会人2年目から訓練校で学びデザイナーに。前職はメディア系のキャンペーンデザインやUIデザインなど。
■ただのさん:
弊社のコーポレートブランディングを担当。美大出身。広告業界、家具業界を経て弊社へ。
デザイナーになったきっかけ
■ゆりこ(以下ゆ):
まずはデザイナーになろうと思ったきっかけについて聞いてみたいんですけど、
自分のことをまず話すと、web系の仕事に転職したくて、最初は漠然と営業とか企画とかやれたら良いなと思って、基礎知識をつけるのにWeb制作の職業訓練に行ったんですが、
作るのが面白くてデザイナーになりたい!って思ったのが最初でした。
ただのさんはどういうことがきっかけだったんですか?
■ただの(以下た):
ちょっと、掘り下げて聞いてもいいですか?(笑)
ゆりこさんは、「作るのが面白くて」のどういうところが面白いと思ったんですか?
■ゆ:
おお、了解です(笑)
デザインってもしかしたら正解はあるかもしれないんですけど、同じ題材でもそれぞれの人ごとに違う答えが出るのが面白いなと思いました!
自分だったらどういうのが作れるんだろう?っていう単純に興味があって、自分なりにやるアウトプットが面白そうだな〜って思いました!
ただのさんのデザイナーになろうと思ったきっかけとかタイミングってありますか?
■た:
高校2年のときにNHKの番組に
アートディレクターの佐藤可士和さんが出演されてて、
キリンの商品の「チビレモン」をデザインしてたんですね。
当時の自分には可士和さんの仕事の姿勢とか、オフィスの雰囲気、パッケージデザインしているところとか全部がかっこよく思えて、憧れました。そのときにデザイナーになりたいと思いましたね。
■ゆ:
へえ〜!それまでってデザインや美術に関わりがあったんですか?
■た:
ありましたね。部活動が中学・高校と美術部で、デザインとかはやっていなかったんですけど、油画をやってました。
■ゆ:
油画!(すごい!やったことない・・・)
もともと絵が好きだったんですか?
■た:
絵が好きっていうのはありました。
遡れば、幼稚園から絵が好きで、ごっこ遊びするよりもゴジラの絵を描いてるみたいな子どもでしたね。小学校に入っても、絵を描くっていうことはしていました。
ポートフォリオ・作品作り
■ゆりこ(以下ゆ):
じゃあ、ちょっと飛んでしまうんですが、
大学で、具体的にデザイナーになるために行動するタイミングがあったと思うんですけど、その頃に意識して取り組んでいたこととかってありますか?
■ただの(以下た):
自分がいた学科が、割とグループワークが多い学科で、グループでいろんな作品を作れる環境だったんですが、
大学2年生の頃に就活を意識して、グループワークでは自分のデザインのスキルだったり、表現をアピールしにくいので、自主制作と呼ばれる授業とは関係ないものをかなり作ってました。
■ゆ:
自主制作っていうのは、どういうものになるんですか?
■た:
わかりやすいものだとコンペに応募してみるとか。
コンペだけでも応募していてもあんまり面白くないと思ったので、自分で勝手にテーマを決めて作ってみたりとか。
■ゆ:
グループワークは、グラフィックデザインだったんですか?
■た:
学科はデザイン情報学科だったんですが、アウトプットの種類はグラフィックデザインのときもあれば、環境デザインのときもあったり、webとか、多種多様でした。
■ゆ:
それらを最終的にはポートフォリオにまとめて持っていった感じですかね?
■た:
そうですね。
大学1年にポートフォリオの授業があって、
そこで作って以来、卒業まで6バージョンぐらい作りました。
■ゆ:
ええ!?6バージョンも!
■た:
はい、作りすぎですね(笑)
ポートフォリオを作品みたいに考えていたんですけど、
そもそもそこに乗せる作品作りに力を入れればよかったなと今は思います。
■ゆ:
それに対して見てもらった会社からコメントだったり、反応やフィードバックはあったりしたんですか?
■た:
就活だとフィードバックはしてもらえることは稀で、
結果を見て、良かったかどうか判断して、どこが悪かったかは自分なりに分析したりしてましたね。
■ゆ:
なんか自分とは全然違う環境で、勉強になります。
■た:
僕も逆に聞いてもいいですか?
就活するまでの作品作りとかはどういう環境でやっていたんですか?課題とか。
■ゆ:
大学を卒業して働いてから、6ヶ月の職業訓練に行っていたんですが、
課題は「とりあえず100個作れ!」って言われて。(笑)
6ヶ月で就職するための学校で、「未経験でも100個作ってくれれば会ってくれる企業はいる!」っていう指針のもと、デザインやコーディングでアウトプットを作ってました。
最初は3ヶ月コーディングしていて、
自分でクライアントを見つけてきて、要件定義してデザインから実装までやって、1サイト作るみたいな感じでしたね。
■た:
いきなり実践だったんですね。
色々と練習して学んでからというよりは、実践で学んでみるって感じだったんですね。短期間で学びが多そう。
■ゆ:
効率重視だったのかもしれないですね。
そのせいもあってか、ポートフォリオもデザイン力や技術力が十分にあるわけではないので、過程を載せることに重点を置いていましたね。
■た:
過程を載せるのは考えを載せることに近いですね。
■ゆ:
逆に、美術系だと、載せないほうが美学だったりするんでしょうか。
■た:
ああ、あったりしますね。
でも、プロセスを載せて自分の考えを伝える方が、相手に伝わるという点で理にかなってますよね。美学よりもそっちの方が大事だな。
■ゆ:
なるほど…。
その頃の自分へのアドバイス
■ゆりこ(以下ゆ):
そういった就職までの準備をしていた頃の、その時の自分に言いたいことってありますか?
私は、今やれば絶対簡単なのに、なんでか知らないけど作るのにビビっていたところがあって、「なんか難しそう・・・・!」って思ってなかなか着手できなかったことを覚えてます。もっと気にせずトライすればよかったなと(笑)
■ただの(以下た):
触ったことないものとか尻込みしますよね。一番最初に触るものとか。(笑)
自分は、学生時代、プロの人にポートフォリオを見てもらったことがあって、
「真面目だね。もっと馬鹿やっていいのに。」と言われて。
言葉でわかっていたけど、あんまりわかっていなくて。
馬鹿って言うとアレですけど、自分の表現を突き詰める、何の利益になるかわからないところをもっと掘るとかをすればよかったなと。
世間に評価されるスキルとか、すぐ現場で使えるものとかではなくて、自分の表現の世界を切り開くような、
アートっぽい方向ですかね。ひたすら人の顔を書く!みたいな。
そういうものを突き詰めることでなにか見えた時期だったのかなと。
「左利きのエレン」とか読んでると改めて、その意味がわかったりするので個人的にはオススメの漫画です!
■ゆ:
ちょっとそれは読んでないので読んでみます!(笑)
自分の環境は短期的なスキル開発重視だったので、そういったアートっぽいものの考えや、自分の表現を深めるみたいな観点は、あまり通ってこなかったです。勉強になります。
■た:
ゆりこさんは学生時代は心理学の専攻だったということで、
どこかで心理学とデザインが交差するところってあったりしましたか?
自分は、他分野を学んでない分、何かと何かが混ざる科学反応が起きる感覚がないので、いろんなバックグラウンドがある人がデザインの世界に入るとなにかがつながる感覚ってあったりしますか?
■ゆ:
心理学って気持ちとか感情を統計分析するのに、調査したものを数値化したり、尺度を使ったりするんですよね。
そういった曖昧なものを具体的な表現に変換する作業は、デザインに近いなと思ってました!
■た:
課題の解き方にシナジーがあったりしたんですね。
■ゆ:
デザイナーっていっても特技が違うように、心理学にも色んな分野があるので、動物心理学だったり、臨床心理学だったりで全然違うんですよね。なので課題の分野に合わせてヒントを得て、効果的な使い方をしている人はいるかもしれないです。自分はできていないですが・・・(笑)
振り返ってみて現在
■ただの(以下た):
大学時代の方があんまり気にせずに作っていた分、
インパクトがあったり、誰かの記憶に残りやすいものを作っていた気がします。
ゆりこさんは学び始めたときの感覚と比べて今はどうですか?
■ゆりこ(以下ゆ):
その時はデザインの力だけでいろんな解決が出来ると思っていたんですけど、
デザインを実現していくためのビジネススキルっていうんでしょうか、そういったものが同時に必要だったんだなと感じています。
社会に出てからエンジニアやPOの方とか専門の方がいることで、助けてもらったり実現できるものがあるというのは、実感したかもしれないです。
■た:
わかります、デザイナーだけでデザインしてる感覚じゃなくて、営業さんとかエンジニアさんとかマーケの皆さんとか、みんなで一緒に作っているという感覚が、社会人のデザイナーの面白さですよね。
おわりに
■ゆりこ(以下ゆ):
そろそろ締めましょうか(笑)
どうしましょう、今後の野望を言い合って締めるのでどうでしょう?
■た:
ああ、野望、いいですね(笑)
最近、サスティナビリティにすごい興味があって。
そういう社会実現をサポートできるデザイナーになっていきたいと思ってます。
■ゆ:
サスティナビリティっていうと環境問題ですか?
■た:
環境問題もそうですが、貧困問題や働き方もサスティナビリティの一つで。
もともと貧困問題や働き方に関心はあったんですが、2030年に訪れると言われている環境問題もあって、それらを全部まとめるとサスティナビリティだったなと。自分がやりたかったことはこれなのかなと気づいたのがきっかけです。
ゆりこさんの野望はなんですか?
■ゆ:
私は、今まで自分がやってきたものってUIにしても、結局デザインは一枚の画像でしかなかったりすると思うんですけど、
最近は動画の需要も増えてきたり、AIとか、自分が勉強してもわからないような新しい技術がもっと増えていくはずで。
そう思うと、そういう新しい技術とデザインの関係性を勉強したいなと!そこでやれる新しいデザインの表現にトライしてみたいですね!
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