好きでたまらない

ひろしとの始まりは、もう16年前になる。

ひろしとは同じ職場だった。
言ってみればありがちた社内不倫。

ひろしは、
いつも猫背気味で、Yシャツの裾がズボンから出てるような、
少しだらしないどこにでもいるおじさんだった。

決して超イケメンでもない。

ても、
私には何か響く本能的な魅力をもつ男だった。

ひろしは公務員。
子供の学校関係ではPTA会長をしていた。
一見とても真面目な男。

朴訥で真面目そうなどこにでもいる
おじさん。

そんな彼に私は惹かれた。

ひろしと初めて食事をしにデートした。

ひろしは車の中で
「いろんなとこに一緒に出かけましょうよ」

私に言った。

その時、
私は「既婚者のくせに軽々しく、
そんなこと言っていい加減な奴だ!」

思った。

でも、
ひろしの言葉は嘘じゃなかった。

それから16年の月日が過ぎた。

私達は、
本当にいろんなとこに出かけた。

アウトドアの好きなひろしは、
私をスキーや釣りや登山にも連れて行ってくへた。

ひろしと16年も付き合いが続くとは
思ってなかった。

別に命懸けの恋でもない。


お互いとも、
つれあいと家族を1番に大切にしてる。

世間的には、
いい加減が不倫関係。

でも、
私は、ひろしが大好きだ。

年上のひろしは、
私よりおそらく先にあの世にいくだろう。

私はひろしのお墓参りに行き、
花をお墓に添える。
そして、
ひろしに話しかける。

少しは、
私のこと心底愛してくれてたの?!

って。

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