若かった私の愛の形
大恋愛と思っていたのは私だけ
私は当時(19歳)付き合っていた彼を追って他県から大阪へ…なんの躊躇もなく彼の元へ行った。彼と付き合って1年だった。
大阪での暮らしは 私が借りていた部屋での半同棲生活。休みは一緒に和歌山や奈良、京都にデートへ出掛けたり 一緒にご飯を作って食べたり…普通に同棲生活を楽しんでいた。約1年が経ったある日。 彼から「地元の彼女が妊娠して結婚をすることになったから 帰郷(帰る)ことになった」と淡々と説明を受け、突然の別れの洗礼を浴びた。何を言っているのかも 全く理解出来なかった。そして…彼の子を身ごもった私が妊娠を確実に知った頃だった。彼にも伝えたが、「好きにしていい」の言葉だけ…
途方に暮れるとはこういうことか…と思いながら 密かに未婚の母を決意していた。
そこに元々知り合いであった男性が声を掛けてきた。「もっと幸せになれるから このお金で堕してもう一回やり直してみたら?」と10万円くれた。何度かデートをしているうちに彼に心を開くようになった。彼は私より10歳上で 罰1の彼だった。妊娠6ヶ月での死産での出産だった。女は損。その言葉が全てをモノ語る。
何度泣いたんだろう。
この最低男を思い出したくなかった。
でも会いたかった。この矛盾に何度も心が崩れていった。私は 平穏な日々を取り戻すため 忙しく働いた。
ある日 ポストに私と彼の写っている写真が無造作に入っていた。郵送でないことに恐ろしさを感じた。
思いっきり全て灰皿の前で燃やした。もう吹っ切れていた私がそこにいた。
幸せの形は…騙す…であってならない。受ける側の心の闇は拭えなくなる。
大恋愛とは かけ離れた恋愛だった。