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山吹 ・ シジュウカラ

我が家は山の谷にあるので、鳥の声がよく響く。

うちの庭に遊びにきてくれるのはほぼ雀のみで、たまにガビチョウ、山鳩くらい。トンビもよく上空を旋回していて、風に乗って気持ちが良さそうな様子をついぼーっと見てしまう。

囀りだけはものすごい種類が聞こえる。と言っても聞き分けられるのは数種類で、ほとんどが何の鳥か分からない。もっと知りたくなったので、「日本野鳥の会」についに入会してしまった。

シジュウカラは声とともに、たまに電線に留まっているところをみる。
散歩中に見かけると「うちにおいでよ」と声をかけたりもするけれど、一度も遊びには来てくれない。なかなかつれない。

あの背中のグラデーションは本当に魅力的だと思う。草木のような緑から青みがかった薄いグレー。お腹には黒いネクタイをしたような縦じま。かわいすぎる。

今年の3月の初め頃、神奈川県秦野市の弘法山公園内にある「権現山バードサンクチュアリ」と呼ばれる場所に出かけた。ここはバードウォッチャーには有名なスポットらしく、かなりたくさんの野鳥が見られるらしい。

またまた夫を道連れに出かける。そもそも同じ神奈川県内でも、私の住む逗子市から秦野市までは車で1時間はかかるから、ちょっとした遠足気分。ポットにコーヒーを淹れ、お菓子も持っていく。空は曇り空で、かなり肌寒い。真冬に戻ったような日だった。

弘法山公園の駐車場に車を停めて、公園内の地図をみる。
「権現山バードサンクチュアリ」と書いてある方向に進むと、ありました。

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バードバスが設置されているところを、観察窓から覗き込む。ここで見られる鳥たちの絵が描いてある。先客は二人だけ。その人たちも、すぐにどこかへ行ってしまった。

天気も悪いし、公園内も全然人がいない。
そして鳥もいな・・い・・・あれ???

しばらくすると、年配のご夫婦がカメラを持って現れた。お父さんのほうはバズーカのような、ものすごく大きいかなりガチのカメラを持っている。ボディーはグレーの迷彩柄。ぬぬ、やり手の雰囲気がプンプンするぞ。

お母さんのほうは、観察窓を覗いたり座ったりしながらのんびりしている。どちらかというと、お父さんの趣味に付き合っている様子。

私たちも観察窓にカメラを置いて、辛抱強く待つ。こういうのはきっと、釣りと一緒で根気が大事なんだ・・・と謎の使命感すら持って。

急に、カシャカシャカシャッッッ!!とカメラの連写音が響いた。お父さんが何か見つけたんだ!バードバスを覗くと、二羽のメジロが。そしてその後すぐにシジュウカラが現れた。かわいい!

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しばらくすると、お二人が「今日は何か見れましたか?」と話しかけてくれた。「いや、全然見れていないんですよ」というと、「やっぱりそうか〜こんなに居ない日は初めてだねぇ」とおっしゃられた。いつもは人も鳥も、もっとたくさんいるらしい。寒いからかな、という。

うう、そっか〜〜う〜〜〜ん、そんなことが続いてるな〜、と少し残念に思いつつ、しっかり見れたし良しとする。お父さんたちに、おすすめのバードウォッチングスポットも教えてもらえたし。

基本的に野鳥目的でカメラを構えている人たちは、みんな親切だ。もちろん鳥に詳しいし、大抵上手く撮れた写真を嬉しそうに見せてくれて、こっちもニコニコしてしまう。

そんな日のことを思い出しながら作った作品が「いろとりどり 八角皿」でした。

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あの時出会った3羽のシジュウカラ。一羽は山吹を見つけたようです。山吹は別の日に山の中でひっそりと咲いていたのを見て、何だか「描いて」と言われたような気がして、どこかに入れたいと思っていたのでした。描けて良かった。

それにしても、やっぱり野鳥をしっかり撮れるようになりたいから、ズームレンズが欲しい!と書いてて強く思いました。そのうち頑張って買おう!

ここまで読んでくださってありがとうございます。
また、明日。

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藤井 友梨香
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