ギリギリ大学生の内に大学生活振り返る①
コロナ禍の中で迎えた大学入学。
約2年間、キャンパスに足を踏み入れることもなく、オンライン授業の日々が続いた。
さらに、自分にとって本意ではない進学先であったことも重なり、1年目は仮面浪人を決意した。
しかしながら、その決断も明確な目標や学びたいことがあってのものではなく、“ただ父親にもう一度振り向いてもらいたい”、“優秀な姉や友人たちに堂々と進学先を公言したい”という一心からでしかなかった。
自分の人生に責任を持つ感覚は乏しく、自律心も欠如していた。
その結果、日々怠惰に過ごし、会話の相手は母親のみ。
家に閉じこもる生活が続く中で、外の世界を持つ母親に対してさえ嫉妬心を抱くようになった。
自分の現状に対する焦燥感や情けなさが募るばかりで、この時期の記憶は曖昧で、できることなら振り返りたくない。
世の中への不満や憤りばかりが心を占めていた。
受験の結果は補欠合格。
この通知を受け取った瞬間から、最終結果が出るまでの1カ月間は、まさに生きた心地がしなかった。
受験結果の確認画面を開くという行為そのものが、並大抵の胆力では耐えられない苦痛を伴い、毎日16時に結果を確認する時間が恐怖の儀式と化した。
画面に表示される「繰り上げ合格終了」の赤字を恐れる日々は、受験からの解放感を奪い去り、ただ不安に押し潰される時間の連続だった。
最終的な結果は不合格。
この瞬間、立っていることすら困難なほどの絶望感に襲われた。
仮面浪人の結果が芳しくなかった場合、現在の進学先での大学生活を受け入れて前向きに楽しもうと考えてはいたが、実際には切り替えることなど到底できなかった。
入学式にも出席せず、気持ちは宙に浮いたまま。あの時の虚無感や喪失感は、今でも心の奥底に沈殿し、思い返すことすら辛い記憶として残っている。