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面接は、会議室内だけ審査されているのではない

これは実際にあった話だ。私の同僚が、とある企業の部長クラスの採用担当をした時のこと。遠方から面接に来たその候補者の交通費の領収書と事前に添付した清算書を回収しに、待機している会議室へ行った。するとその候補者は、無言で書類を同僚に投げつけた。更に、「いつまで待たせるんだ、こっちはわざわざ来てやったんだ」と、同僚に悪態をつく始末。期日までに内定者を決めなくてはならないと、毎日遅くまで仕事をしていた同僚は、心無いその言葉に心が折れ、オフィスに戻ってきた泣き出した、「私、何かいけないことをしたんでしょうか。。。」。

普段の仕事ぶりをよく知っている私からして、同僚が粗相をしたとはどうしても思えない。他の同僚とも相談し、その候補者の面接終了直後、採用マネージャーに同僚と一緒に会いに行った。「どうでしたか、先ほどの候補者は?」まずは、何も情報を与えず、印象、感想を聞いた。「うーん、悪くはないんだけどね、なんか、違和感があるんだよなー。なんかあった?」と聞くので、候補者の同僚への態度を率直に話した。「えっ、そうなの!?じゃ、辞めよう。そんなパワハラめいたことをする人は困るよ!」と、その候補者は不採用になった。

面接が行われる時間、空間、目の前の面接官に意識が行きがちだ。だが、受付の人、面接の出迎えをしてくれる担当者はあなたを見ています。受付や案内係の人は、おおむね女性が多く、毎日いろいろな人と接しているので、人間観察に長けている。だから、「いい人か、悪い人か」を瞬時で判断している。中には、残念ながら、”自分より年下”とか、"女性"ということで、軽く見て、失礼な態度を取る人もいる。だから場合により、この話のように「外野の情報」が、面接の合否決定の重要な要素になることもたまにはある。

私は、面接だけでなく、メールでもその人柄を見ている。候補者とメールでやり取りをしていると、文面のタッチはもちろん、返信までの間隔、送信時間からビジネスセンスが垣間見られる。実際に面接にやってきて、思った通りの人、全然印象が違う人、様々だ。私はあくまでも採用担当だ、合否の決定権はない。だが、マネージャーに「あの人、どう思う?」と聞かれることはよくあるので、「あくまでも私の個人的な印象、及びこれまでの経験から申し上げますと。。。」と前置きをして話す。こんな時はHSPの特質が炸裂するので、「あー、そうなんだ、同感だね。なんだかモヤモヤしていたことが、あなたの意見で核心に変わった」とよく言われる。

最寄り駅を降りてから、最寄り駅に戻るまでが面接

誰かがどこかであなたを見ている、気を付けろっ!

追記:くたくたさんの画像を使わせていただきました。ありがとうございました。

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