Sunday’s Book 26 「ミステリー作家が書いたある意味怖い恋愛小説」
★Sunday’s Book★
明日が憂鬱な日曜日に、読んだらほんの少しココロが前向きになれるような
「心の体温が上がる」本をテーマにご紹介します。
<26冊目>
タイトル「恋のゴンドラ」
著者:東野圭吾
東野圭吾というと
ガリレオシリーズや『白夜行』、『マスカレード・ホテル』など
ミステリー作家のイメージが強い。
だけど、『恋のゴンドラ』は誰も死なない。
恋愛にまつわる小説なのだけど、
恋愛小説と言うにはある意味怖すぎる。
広太は、合コンで知り合った桃実とスノボ旅行に行く。
ゴンドラに乗った時、同乗して来た女性グループの中に
なんと同棲中の婚約者がいる。
ゴーグルとマスクで顔を隠してはいるが
いつばれてもおかしくない。
世間は狭い。しかも人間は習慣の中で行動してしまう。
浮気相手と馴染みの場所に旅行に行くなんてアホの極みだと思う。
東野さんがこの作品の広告文に載せた言葉は
「ごめんなさい、すみません。男というのはこういう動物です」
「馬鹿だなあ、俺はこんな風にはならない。そもそもこんな偶然ないし」
と思う男性と
「やっぱり浮気男は繰り返す。こういうやつとは絶対結婚しない」
と思う女性で
感想が分かれそう。
いくつかの短編の繋がり方は、さすが東野圭吾。
ミステリーのように、ぞくぞくできる。
気付いたら、思った以上に引き込まれています。
すぐ近くにいそうな人物たちの、
あり得るようなあり得ないような、ある意味怖い恋愛小説。
年末に一度、軽めに、ぞくぞくしませんか。
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