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ドイツで専業主婦が社会復帰するために知っておきたいこと


こんにちはユリコです。日独を往復しながら13年間専業主婦をしてきました。2年前に子供たちの就学を機に社会復帰を志し、現在はミニジョブとミディジョブ、フリーランスという3刀流で働いています。社会復帰をしたい、ドイツで働きたいけどどうしていいか分からない、そんな方に読んで頂けたら嬉しいです。

単刀直入にいいます。社会復帰の最短コースは《コネ》です。人脈がある方は万国共通で強いですよね。

でも安心して下さい。この記事は、私のようにコネも資格もないただの専業主婦が、ドイツでいかに社会復帰していくかをリアルにお届けします。

私のスタートラインと現在

スタートライン:
人脈なし、ドイツでの資格なし、ドイツ語B1まで修了
オンラインで出来る仕事のスキルはゼロ

現在:
Gewerbeフリーランス
Midijob Therme マッサージセラピスト
Minijob 近所のパン屋さん

始めに申し上げると、わたしは専門家ではないので、細かい税務関係の知識はありません。記事は、私が社会復帰をするうえでつまづいたこと、調べて解決したこと、トライ&エラーを通して経験したことをシェアしています。

わたしと同じような方、もしくはそれ以上で、社会復帰したいけどどうしていいか分からない方はこの記事を読む価値があります。
そして有料記事にした理由は、本当に悩んでいる人に読んでもらいたいからです。悩んでも調べても解決できない。実際に社会復帰した経験を知りたい、その人たちの力になりたいと思っています。

あともう一つは、個人的な内容も含まれるからです。
この記事は何年もかけて経験してきたリアルな内容で、よりイメージがわきやすいように、自身の体験談が含まれます。真剣にお伝えしたいので有料にしました。

誰でも調べればわかるまとめ記事ではなく、給料に関してリアルに感じていることや、3通りの働き方で分かったメリットとデメリット、自分の将来に対してのビジョンを踏まえてどの働き方が、一番自分にあっているのかなど、具体例をあげて説明していきます。


無料で得られる情報はまとめ記事が多く、個人のリアルな情報は少ないんですよね。無料情報から自分に落とし込めることが出来たら良いんですけど、時間と労力が必要ですので現実的に難しい人が多いのではないかと思います。


前置きはこれまでにして、それではまず、働き方についてざっくりと理解しておきましょう。
2024年5月時点での情報になります。

1、ミニジョブ、ミディジョブ、フリーランス

ミニジョブとは


ミニジョブとは月に538€まで稼げて納税義務なしの仕事です。日本の扶養内パートと同じ感じで、ドイツでもパートナーの扶養内で健康保険も自分で払う必要はありません。


最低賃金は2024 年に時給総額 12.41 ユーロに引き上げられました。2025 年には最低賃金がさらに 12.82 ユーロに引き上げられる予定です。

実はわたしがミニジョブを始めた2022年は9.82 ユーロでした。
そこから約2年弱で2ユーロ程上がったことになります。1 年間で計算すると、最大 6,456 ユーロまで収入を得ることが可能。

私の場合、夏の6週間日本へ一時帰国するため仕事を休みますが、その代わりほかの月で538€以上働いたとしても、年間の最大収入を超えない限り大丈夫というフレキシブルな仕組みとなっています。

良くも悪くもミニジョブの雇用形態は柔軟で、雇用主によってかなり契約内容がかわるようです。

例えば、契約を交わして毎月決まった勤務時間と決まった額をもらう契約形態と、わたしのようにAushilfeのように休みも勤務時間もわりとフレキシブルに対応してもらえる反面、ミニジョブの保障でも謳われている有給休暇はがなかったり。どちらが良いとか悪いとかではなく、自分の生活に合わせた勤務形態を雇用主と話し合いで決めることが大切になります。

細かいことは後述のミニジョブのメリットとデメリットで言及しますね。

アウスヒルフェ(Aushilfe)とは


ミニジョブに似たAushilfe(アウスヒルフェ)という勤務形態もあります。
この雇用は最初から 3 か月または 70 労働日 (収入無制限) に制限されているのが特徴で、ミニジョブとの違いになります。

短期バイトというところでしょうか。最低賃金はミニジョブと変わりません。フレキシブルにシフトが組めるメリットはありますが、定期的な収入を得る意味では少し心もとないので、社会復帰の第一歩目などであればお勧めです!変な話、少し働いてみて嫌ならやめることも出来ますし。

ミディジョブとは

ミディジョブは、月に 538.01 ~ 2,000 ユーロを稼ぐことができます。

この雇用形態は雇用主にとってもメリットがあり、従業員を低い税率と社会保障で雇うことができます。そして従業員も社会保障を享受しながら、パートナーとの収入の兼ね合いで家庭としての納税率を低く抑えることができるのが特徴です。

私が本業としてミディジョブで働いています。
現時点ではっきりとわかるメリットデメリットがあるので、ミニジョブと照らし合わせて後述したいと思います。

フリーランスとは

フリーランスといっても医者から、農業、林業までもフリーランスということができます。ただ、その中でもはっきりとした区分けがあり、私が現在登録しているのは、中小企業者登録(Kleinunternehmer=Gewerbe)になります。
記事内でいうフリーランスはこちらを指しますのでお間違いのないように。

私は日本で個人事業主をしていたのですが、言葉の壁のせいか?ドイツの税手続きが煩雑なのかわかりませんが、、、圧倒的にドイツの手続きが面倒くさいです。

フリーランスは趣味であろうが営利目的であれば、収入の大小に関わらずフリーランス登録が必要です。ということは、売り上げがあってもなくても確定申告をする義務が発生します。

フリーランスで税務署がまず気にするところは年間22,000€以上の売り上げがあるかないかです。月にすると、1,800€程。所得税は純売上に対してかかりますが、22,000€を超えていくと、売上税という別の税金がかかってくるからです。

フリーランス登録後に税務署に質問票を送らないといけないのですが、分からない部分がいくつかあり、税務署に聞きに行きました。その時に言われたのが、22,000€/年を超える見込みがあるかないかが一つの重要なポイントになるという事でした。

フリーランスは自分で時間管理、ビジネス展開を考えられるので夢がありますよね?日本は副業禁止が多いですが、ドイツは違います。本業があっても趣味でフリーランス登録している人は沢山いますし、登録にマイナスはありません。



ミニジョブとミディジョブの相違表


2、ミニジョブのメリットデメリット

メリット

何といっても所得税がかからないこと。538€/月までは無課税なので、税金を引かれることなく、働いた金額がそのまま入ってきます。私を例で挙げると、面接時に私がだした条件は、学校休暇は休ませてもらいたいこと、夏休みは6週間日本へ帰るので働けないことでした。雇い主にもよりますが、私の場合はそれが可能だったため助かりました。この時点で1週間に10時間ほどの勤務なので生活にほぼ支障がなく最初の1年はストレスフリーで過ごせました。

デメリット
社会保障がないこと。時給が上がりづらい事
ミニジョブ規定には病欠や有休もあると記載されていますが、現実的にはないことが多いです。契約書も交わさないことも多いので、働いたら働いた分だけの給料という形がリアルなミニジョブ業界と言えるのではないでしょうか。特に私のように資格なしの人間がミニジョブとして雇われる場合、時間給は最低限のままという悲しい現実もあります。
社会保障がないと病欠、有給がないだけでなく、仕事が出来ないときの給料保障も受けられない(給料70%)ですし。いつ何があるか分かりませんからね。。。

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