りょうちゃんには幸せになってもらいたい #06 ~愛が夢が今日が始まる~
2021年8月15日に宝塚歌劇団を退団したりょうちゃん(宝塚歌劇団・月組トップスター 珠城りょうさん)に向けて、「りょうちゃんには幸せになってもらいたい」と称して、ぽつりぽつりと書いていきたいと思います。
この記事を見た誰かがりょうちゃんに興味を持ってくれたり、何かの間違いでりょうちゃん本人が見てくれたら嬉しいなと思いつつ。
前回の記事はこちら
本日(2022年5月15日)は、りょうちゃんが東京宝塚劇場の大階段を袴姿で降りた日からちょうど九か月です。退団後初のコンサート、珠城りょう 1st CONCERT『CUORE』の大千秋楽を見てきました。大阪公演前楽と配信を入れると、合計三回見ました。
アンコールでは「舞台に立つのが怖いときもあった。でも私を愛してくれる人がいるから、みんなのために頑張りたい」と言ってくれたりょうちゃん。
ちょっとうまく書ける気がしないのですが、今日思ったことをばーーーーっと書いてから寝ようと思います。支離滅裂だと思うけど、鉄は熱いうちに打て。
珠城りょうちゃんは母艦だった
結論から言うと、りょうちゃんのイメージは「母艦」ということでアップデートされました。以前からりょうちゃんのなかにうっすらと感じていた「母性」がさらにパワーアップして「母艦」になった。
CUOREのテーマが時間旅行、タイムスリップということもありますが、あっ!船だ!母艦だ!としっくりきてしまいました。
みんなが戻ってくる場所。
燃料とか元気をもらう場所。
充電できる場所。hubになる場所。
とにかく広くて大きいもの。
いってらっしゃい、と見送って、おかえりなさい、と迎える場所。
あんまり船にたとえられて喜ぶ女性もいないと思いますが、とにかくそんなかんじです。あったかいmother ship。最高だよ。
冒頭の近未来風の衣装でのパフォーマンスは本当に圧倒されました。母艦でありながら司令塔でありながら、男とも女とも言えない、美しい強い生き物、というような。
近未来風って、下手するととてもありきたりだったりピカピカしすぎて安っぽくなってしまうのですが、洗練されていてとても素敵だったな。歌とダンスのバランスも良かった。構成の良さを今頃かみしめています。川崎悦子先生ありがとう。
あざとさゼロ。ハラハラするほどの、どストライク感
今回のコンサートは、懐かしい「りょうちゃんらしさ」をびんびんに浴びることができました。
いいじゃんいいじゃん、やってみようよ、というようなおおらかさ。
すっごく仲間思いなところ。皆さんの紹介をものすごい入れるところ。
知ってるよ、知ってるよ、もう~!というようなお姉さん感。
もっと聞きたい!そこ膨らませて!と思うのに照れ屋すぎて「えーっ、いいよ」とあっさり収束しちゃうところ。
あたたかいまなざし。見守り感。母性。
我々の感傷をハハハッと短く切り上げる爽やかさ。
もうちょっとしんみりさせてよ~と思うのに、間髪入れずに次っ!といってしまうところ。体育会系の部活の部長感。
これまで感じていた「りょうちゃんらしさ」をたくさん浴びてとても懐かしかった。
そしてつくづく思ったのが、本当にあざとさがない、素直なまっすぐな人だなあということです。
この透明感、現代の日本で、本当に珍しいと思います。
これからいろいろな現場に行き、今までに会わなかったような人や文化にも遭遇すると思いますが、どうか傷つかず、頑張ってほしいと、今度は娘を送り出すような気持ちで見てしまいました。
もっと見せてよ、ゆるいところ
これは昨日の配信の話。いやー、歴史に残る配信でしたね。BADDYがサングラス忘れちゃって、素化粧に黒燕尾で、サングラスなしで精一杯悪ぶってBADDYをやるという……
内ポケットにサングラスがないのに気が付いて、一瞬口をあけて天を仰いだあの表情がとてもよかった。リアルなイケメンぽかった。いやあ、とてもよいものが見れました。
むしろサングラス忘れてくれてよかったんじゃないかというくらい。しかも愛月ひかるさんのツッコミがまた絶妙で…… 愛ちゃんがゲストのときにやらかして、つっこんでもらって最高でした。
りょうちゃんは、もっともっと甘えて、こうやって素の部分を出してほしいです。うまくやろう、しっかり努めよう、時間内に収めよう(?)とか、まじめなところをちょっとだけ封印して、ぶっつけ本番タイムを設けるとよいのではないでしょうか。いや、設けてください。私たちはそんな時間を求めています。りょうちゃんの素の部分、甘えた部分、意外とぬけてるところ、もっともっと見たいよ。
Dream Chaser最終章。今日でセンチメンタルは終わり。
アンコールであのイントロが流れてきたとき、会場の空気が変わったように思います。あっ、泣いていいかな。いいよね?というほっとしたゆるみというか。「懐かしい」までまだ行かなくて、「戻っていいよね、少しだけ」という連帯感みたいなものがありました。すすり泣く人が多かった。
私は本当にあの退団公演が好きでした。桜嵐記は素晴らしかったし、最初テレビ越しに見て「えーっ」と思ってしまっていたDream Chaserは本当に素晴らしいショーで、何度も何度も見て、CDも買ってBlu-rayも買って、iTunesも入れて。
博多座も、Dream Chaserの夢の続きを見たくて、行った部分が大きい。(ちなみに博多座で見た大きな「Dream Chaser」ロゴの舞台装飾、Dの部分に亀裂が入っていて修復した箇所があった。オペラでそれを見て、ああ、Dも酷使されてるんだ。月組頑張れ、と謎の感傷に浸りました)
真夏の東京公演は、泣いて泣いておかしくなるくらい泣いて、ショーの途中から少しふらふらしてしまい、帰宅したら脱水症状になっていてぶっ倒れたことがありました。そのくらい熱中しました。おそらくずっと私の中で特別なショーです。その象徴が、あのイントロ、あの歌です。
「ひとつ高いキー」のDream Chaserは、私の知っているDream Chaserの夢の続きでありながら、全く違うものでした。りょうちゃんが黄色に輝くブレスライトをつけて、笑顔で長い腕をぶんぶん振りながら歌っているのを見て、涙をふいたり手拍子をしたり手を振ったりオペラを構えたり、とても忙しかった。でもあの忙しさは、感傷を飛ばすのにちょうどよかったかもしれません。
今でも時々、あの男役のりょうちゃんをもう見ることはできないと思うと、きゅっと切ないような、悲しい気持ちになることがあります。でも、りょうちゃんもこうやって笑顔で走り出してる。「愛が夢が今日が始まる」と歌っている。今日で一区切りな気がしました。センチメンタルは今日でいったんおしまい。
そして意外な着地点をすでに見つけていて、「珠城りょうものがたり」を娘に語るととても喜び、聞きたがるという謎の効用を見出しました。りょうちゃんのつらかったこと、頑張ったこと、結果どんな素敵な物語になったか、娘はたくさん聞きたがります。
娘と一緒にドリチェを口ずさみながら、CUOREのことを思い出しながら、明日からの日常も頑張ろう!と思います。
りょうちゃん、皆さん、本当にありがとうございました。
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