5歳娘の初観劇と、蓮つかさと、武蔵がトートに思えた話
※ブログ移管につき、2019年5月の投稿を再編集しています
人生のなかで「この日のことは忘れないなあ」という日、何日ありますか?
素敵な日。しあわせなとき。泣いた夜。
…すみません、パクりました。(わかる人はルリシタン)
しあわせなとき。おぼえておきたい。
今日がその日だったので記録に残します。
未来の自分のための備忘録。
5歳のタカラヅカ観劇
たまたま会社の福利厚生で申し込んでいたチケットが、通路側の前から10列目という良い席でした。
わあー、万が一トイレ行きたくなっても安心だなあー、なんて思ってたらショーで通路降りがあることを知り、興奮してました。
ネットで通路降りのスターさん配置図をみたところ、私の真横が蓮つかささん。大好きなれんこんちゃん。やさしくてかっこよくて、お芝居に心が見えて大好き。しかもれいこさんも通る!大興奮でした。
そんな折、5歳半の娘が日に日に宝塚にはまり、自分も劇場に行きたいと言い出しました。
キャトルにつれていくと劇場のドアを指さして「あの中に入るのが夢」「あかいお椅子に座りたい」というので切なくなっていました。
連れていきたい!みせてあげたい!
娘が大好きなるりさん、ありちゃん、れいこさん、りょうちゃん、さくさく、見せてあげたい。
でもいくらなんでも、武蔵は5歳には難しすぎます。大人の私でも理解できない単語が多く、和物で、今回の演出脚本は子供向けではないと思いました。
ずっと話し合い、夫と悩み、知恵袋を見てため息を付き、Twitterで相談しつつ、娘の「本当に連れて行って…!」という真剣な表情に心打たれて、心を決めました。
予習はモノマネ大会
私はすでに二回見ていて「これはうちの娘には…😓」と悩んでいましたが、場面転換の多いことに目をつけて、様々なシーンを名場面集的にモノマネして見せて、そのシーンを楽しみに見せることにしました。
もちろんストーリーも話していましたが、誰が何をやるのか、どんな人なのか知っておくと面白いかなと思いました。
「武蔵は最初はシンメンタケゾウって言う名前で悪い子なんだけど、沢庵さんっていう和尚さんに髪の毛ばさーって切られるよ。沢庵さんは、るうさんがやってるよ」というかんじです。結構数日かけて頑張ったとおもいます。
ニセ小次郎がばれるシーン、又八がおこうさんに甘えるシーン、源次郎が斬られるシーンなど、めちゃくちゃモノマネしまくりました。
そして幼稚園に行くときは、バスに乗らずに歩いていきながら「るりさんは何ていう役の名前?」「さ、ささきこじろう!」「正解」という感じでテストしました。
当日。開場してから家を出る…
もうとにかくバタバタ。家を出るのがギリギリに。。
午前中仕事をしていて、娘にはメイちゃんの執事を見せつつ、そこからお昼を食べさせ、劇場でもよおすと大変なので「お願いだから💩して!」と懇願してなんとか💩してもらい…😅、バタバタでした。
娘の髪はヘアビューロンで真っ直ぐサラサラに⭐ お気に入りのワンピを着せました。
家を出たのは開場時間…😓😓
周りの席の方にキャンディ🍬を
周りの席の方にどう挨拶するか悩んで、飛行機に乗る赤ちゃんの親御さんが、周りの方のために耳栓やお手紙を用意した話を思い出しました。
娘と考えて、小さいカードと、キャンディを可愛い袋に入れて用意しました。
もちろん、一言、エクスキューズというかお声がけをするつもりでしたが、何かモノがあったほうが、声をかけやすいかなあと思いました。あと、貰って嫌なものではないなと。
「さのまるを連れて行く!」
タクシーでのりつけ、開演15分前に滑り込み、チャイルドクッションを借り、evianを買い、お席へ。
10列目、めちゃくちゃ近いです!
娘は前から楽しみに計画していて、るりさんの大好きな「さのまる」を持っていきました。万が一目線をくれたときに視界に入ったらいいなあという気持ちでした。本当はこんなことしてはだめですよね。なのでおとなしく膝の上に握りしめるだけにしました。
周りの席の方にお声がけして、持ってきたキャンディをお渡ししようとしましたが、「いいのよー、そんなの!かわいいわねえ、いいわねえ!たのしんで!」と言ってくださって嬉しかったです。特に隣の方はとてもいい方で、たくさん話しかけて下さりました。(「おじさん言うな」のあたりも盛大にオホホホホと笑っていらっしゃってとても和やかな方でした)
チャイルドシートの罠
さて、興奮の中、幕があがり。
娘も夢中で見ているのですが、劇場で借りたチャイルドシートが…やはり、座り心地悪いみたいでした。上体がずり落ちてくるんですね。
しょっちゅう態勢を整えるために勢いをつけるので、椅子は揺れるし後ろの人は気になるしで大変でした。
シーーーーッ!とすごい形相で睨みつけたのですが👹、「え、なあに?」とか平気で返してくるし。それでまた、シーーーーーッ!👹です。完全に寿命が50年位縮まりましたし、もう私のほうが集中どころではなくなってしまいました。
また、途中からオペラグラスの醍醐味を知った娘が、ありちゃんが出てくるたびに使いたがり、取り合いでした😥
途中、芍薬のあたりでやはり飽きてしまい😥、体をムズムズ動かし始めて大変でした。
カサカサ音がならないようにジップロックにつめてきたグミを一つずつ手渡すのですが、動きが気になってここでもまた寿命が50年位縮まりました。
(私の感想を軽く)
ムラで見たときと、千秋楽ライビュで見たときと比べて、りょうちゃんがますます、「大地の子」になっていました。こんな土の匂いのするトップさん、いますか?女性でここまでやれますか?
りょうちゃんの魅力の一つに、いままでのトップさんにない新鮮さ、があると思います。スーツがめちゃくちゃ似合ったり、誠実な役柄が本当にぴったりだったり、そして、こんなふうに武者っぽいお役もこなせて。
だから齊藤先生、どうしても武蔵をやらせたかったんだろうなあと思います。「珠城ならやれるだろう」「見てみたい」と思って提案して、周りの男の先生も「見てみたい」となったのだと思います。
るりさんの退団公演だから、できればもうすこし、るりさんの出番や見せ場を作ってほしかったなあとは未だに思ってます。静と動、あの脚本の中でしっかりとるりさんならではの魅力を出していて、唯一無二の色気、物語への説得力を付けてくれていて…流石だなあと思ってます。
今書いてて思ったんですが、初日すぐに見て「小次郎は死にたがっている」と感じました。ずっと孤独で、死ぬときを待っているように見えました。そして今回見て「小次郎は殺してくれる人を待っている。それが武蔵だった」と思いました。だから小次郎にとって武蔵は「ずっと誰かが待っている…いつか、たどり着くところ」なわけです。そう、小次郎にとっての武蔵はトートですね。だからあんなふうに、助太刀したり、ニアミスしたり、おにぎり食べさせたりするのだと思いました。(最後のは嘘です)
クルンテープ開幕
トイレ休憩を経て、クルンテープです。家の中で鼻の穴を膨らませてコップンカーコップンカー言っていた娘、念願のショーです。
武蔵よりもやはり集中していたようで、ショーでは私も落ち着いて見ることができました。
そして、客席降りの瞬間はやってきました…
「来るよ来るよ…ッ」と囁き続けていたのですが、目の前に美しい輝くひとたちがわーっと走り寄ってきた瞬間、完全に脳がいかれました。もうこのあたりで一度、白目むいてました。
お手手が冷たい、れいこさん
いきなり目の前に現れたのは、れいこさんです。ウワーーーッと思って、私も目をひん剥きました。そして娘の手をとって、ハイタッチ。。れいこさんの手は大きくて、冷たかったです。目前20センチくらいのところに、れいこさんの整いすぎた美しい顔がありました。娘を見て「お、小さい子」というような親しみを込めた目の表情をされていました。私は娘に「れいこさんだよ」と叫んで、そこで記憶が途切れました。
れんこんが、娘の頭に触ったアアアア…!
れいこさんの衝撃に白目をむいていると、目の前にはれんこんちゃん!なんとなんと、いきなり娘を見つけるとニカーっ😁と笑って、娘の頭頂部に手のひらを置きくしゃくしゃくしゃくしゃ〜っとしてくださいました。周りからウワーーーッともいいなーとも言えない歓声が上がりました。隣のおば様も興奮して私に「良かったわねええ!!!すごいい!!!」と叫んでいました。
当の娘は口の中に🍓キャンディが入っていて、無表情…😥 娘を見てオイ!っと心の中で突っ込みつつ、れんこんがあああと思って椅子の背に頭を打ち付けながら白目を向いて泡を吹いていました(※ショーの途中です)
すると後ろのおば様が私の肩を叩いて「ちょっと!ほら」と呼んでくれました。振り返ると、なんとすぐ後ろにれんこんが立っていて、私達親子を完全にロックオンして笑いながら踊っているのです…すごい優しい目をして、笑いながら私の反応を見ているようでした😂 私は「もう…ムリっ」と叫んでまた白目をむきました。
れんこんはステージに帰るときも、娘のほっぺたをつんつんつん、としてくれました。「楽しんでねっ」と言っているかのようで、とても優しげでした。そのあと娘役さんも娘をかがみ込んで見てくれて、ほっぺに手のひらを当てて笑って帰っていきました。
こんな幸せなことってあるんですかね?
れんこんが娘を見て笑って、たくさん触ってくれたんですよ。。
私はそこで意識がなくなってしまって…気がつくとムエタイも終わってました…💦
娘は案外平静で、ムエタイのシーンを見て笑ったりしていました。私は本気で「む…娘連れてきて良かったーっ!!!娘産んで良かったーーーっ!ありがとう、夫!ありがとう、受精卵!」(なぜw)と心の奥底から思い、いままでにない喜びで打ち震えていました。
その後娘は「ピンクピン太郎…」と適宜つぶやくなど熱中して、拍手し、無事お利口に初観劇を終えることができました。
終演後も周りのお席の方からもたくさん声をかけていただいて、とてもあたたかい気持ちのまま、赤い大階段を降りることができました。
「客席の中のone of themから抜け出せた」体験
今回のこの体験の素晴らしいところは、娘が喜んだこと、タカラヅカに入る気持ちが高まったこと、親子で大好きな月組を見れたこと…など無数にありますが、なんと言っても「あの日客席降りで、あなたに頭をくしゃくしゃにしてもらった女の子です」とれんこんに伝えたら「ああ、あのときの」と分かってもらえる可能性が高いということです。たとえ1000回客席で普通に見てても、「あのお客さんだ」と舞台の上から認識してもらうことは難しい。でも娘はたった一度の観劇でそれを得られたのです。
こんなことって、素晴らしすぎると思います。。本当にラッキーな体験でした。
私達はれんこんにお手紙を書きました。
観劇後娘はキャトルで
「ママ、わたしがタカラヅカ入ったら…一番前の列の、一番真ん中の席にしてあげる」「わたしがタカラヅカいるときにまたクルンテープやりたい。そのときはママにハイタッチしにきてあげる。通路側の席を取ってあげるから」
と、唐突に言いました…😆
一度も一番前の席が羨ましいなどと会話していないので、娘が自分で考えた言葉です。
私は18歳のときからタカラヅカが好きで、でもタカラヅカが好きな友達が周りにいなくて、寂しい思いをしてきました。そんな私に、神様はとんでもない素敵なプレゼントをくださいました…😆
娘がタカラヅカに入りたいと言うなら、私は応援しようと思います。私の思いに答えようとして無理をしないように、そこだけは気をつけつつ。
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