宝塚しか見ない人間がジャニーズ主演舞台を見た話
7/25、宝塚歌劇月組公演「桜嵐記」をマチネで見た後に、ソワレでジャニーズ(Kis‒My‒Ft2)の宮田俊哉さん主演舞台「グレートプリテンダー」を見てきました!
グレートプリテンダーは8/4~8/8、大阪公演があります! が、緊急事態宣言の影響で、8/2の23:59までしか、当日券含めチケット販売ができなくなりました。
このnoteは8/1に書いています。 もし「見ようかな」と少しでも思う人がいたらいいなあと思って書いています。
サクッと書きます。
宝塚しか見てない。生身の男性が出る舞台を見る戸惑い
ご存じ、私の好きな宝塚OGの美弥るりかさんが準主演ということで、それを目的にチケットを取りました。
るりさんは見たい! でも、宝塚しか最近本当に見ていない自分。生身の男性が出る舞台を見て違和感なく楽しめるのか? 一抹の不安がありました。
もっと言うと、私は昨年2月からリモートワークが始まり、ほとんど人に会わない生活をしています。「動く、生身のおじさん」が出る舞台を見るのに抵抗がありました。(もうこれは個人的な事情)
宝塚見た直後に、おじさんが出る舞台かあ… とちょっと戸惑いました。
ですがですが! グレートプリテンダーに出てくるおじさまたちは、皆キュートで、男性みがありつつもコミカルでどこかかわいらしい方ばかりで、後半はすっかりオペラで追ってしまいました。
特に、サラザール役の三上市朗さん!
余韻のある演技、もっと知りたい!と思うような人物像で、プロだなーと感心してしまいました。ご覧になる方是非注目してください…!
ジャニーズ主演舞台を見るという戸惑い
さらに、主演の宮田さんは、ジャニーズのお方。客席で、周りはみんなジャニーズファンの方なのでは?とこれもまた一抹の不安。年齢的にも明らかに浮くので、ちょっと戸惑いました。
私はジャニーズに本当に疎くて… 興味がありません。嫌いとかではなくて、興味がありません。仕事で伊野尾慧くん(めざましTVに出ている方)とお話したときも、周りと違って塩対応してしまい、ご本人にちょっとむっとされたことがあります…
ですが、宮田さんがとってもとっても良かった!
ジャニーズ主演だと観客動員数が作れるから、それゆえの主演なのかなあと一瞬でも思ってしまったのが間違いでした。(性格わるい)本当に無知で反省しています。
一生懸命でピュアでとても目を引きます。応援したくなる。そして、明るいけれど能天気ではない、一通りの体験や人生があってそれの延長線であの人物…という見せ方、さすがでした。ストーリーを追うごとに、エダマメくんの人生が立体的になって、人物により興味が沸くかんじ。
そしてあの、「宮汁」とも表現される、大量すぎる汗! 私はあんなに汗をかいている人を見たのは初めてです。遠目でもぽたぽたと垂れる水滴が目視できるレベル。
彼が抱き着いた人には、彼が抱き着いた証拠として、汗のしみができます。舞台上の板の上にも水滴が落ちているのが確認できるレベル。
本当に一生懸命、フル回転というかんじで、それだけでも感動してしまいました。
演技もとっても自然で素敵でした。私はもともとの人物像を知らないのですが、今度テレビで見かけたらじっくり差分を確認したいと思います。
舞台装置、セット、生バンドが良かった!
生バンドが舞台の三階部分に配置されている斬新な舞台構造でしたが、それがとても良かったです。音が降り注ぐかんじ。
私は一階奥で見ていましたが、迫力の音量で、しかもおしゃれなおじさまたちが楽しみながら演奏されているのが分かって、見ていて多幸感がありました。
そして、場面転換などもおしゃれ。「GREAT PRETENDER」のロゴが天井からゆっくり降りてきてメインキャストに重なる部分、劇画的でおしゃれで感動しました。
時には取調室になったり、寝室になったり化けるセットも洗練されていました。個人的にアビゲイルちゃんが出入りする窓の構造がとても好きでした。
もちろん、るりさんの男役は感無量だった
そしてそして、なんといってもるりさんです。
私の周りはみんな宮田さんファンだったのですが(持ち物から分かりました!)、るりさんが登場した途端に、一斉にさっとオペラがあがったのが感動的でした。
しかも、るりさんが動くたび、出てくるたび、皆さんオペラで追っていらっしゃる…! なんとも言えない誇らしい気持ちと嬉しい気持ちでいっぱいでした。
退団後のるりさんの舞台を見るのは初めてで、男役姿を見るのはもちろん初めてです。最近女性らしい表情、佇まいを見せることが多かったのでドキドキでしたが、…一言で言うと、完全に男でした(笑)
メイクは宝塚時代と比べ物にならないくらい薄いのに、どうしてあんなに男にしか見えないのだろう… これは帰り道、ずっと考えたことでした。
るりさんのなかに蓄積された男役の知見やテクニックが放出されていることと、強弱、緩急のつけ方のテクニックがより磨かれたこと、そして退団後、男性とお仕事をすることも格段に増えて、また引き出しが増えたように思います。
肩パットゴリゴリとかではない、装飾のないシンプルなグリーンのスーツを着ていても、女性がスーツを着ているとは見えなくて、ミステリアスなフランス人男性そのもの。身のこなし?なのか、姿勢なのか?筋力の問題なのか? 謎です。男性にしか見えない。
もっというと「るりさんがやっている」感もなくて、「ローランさん」を見ている!没入感があったのが驚きでした。(もちろんリアルタイムで見ているときはハアハアしながらオペラで追っていたのでそこまで言語化できていなかった)
ところどころ、流し目をしたりクスッと笑ったりするところに「美弥るりか」が残っていて、はっと現実に戻される感じでした。これは、るりさんが好きな方が見たらきっと嬉しいポイントです。ストーリーをぐいぐい引っ張っていくほとんど主役のお役ですが、宮田さんが「僕のローランは美弥さん」とおっしゃったとおり、相性がとてもよくて、お互いがお互いを引き立てる絶妙のコンビだったと思いました。
お歌のシーンはぱっと華やかで、宝塚時代に戻ったような嬉しさでむねいっぱいに。るりさんが笑顔で楽しそうに歌を歌っていると、胸がじーんとします… お歌のシーンは周りの皆さん、本当に本当にるりさんをオペラで一生懸命追っていて…(笑)周りを観察するのも楽しかったです。
ゆきちゃん(仙名彩世ちゃん)もさすがの存在感で、一気に舞台の質をぐいっと上げてくれる役目を担っていました。メリハリのつけ方、単純に美しさとお歌のうまさ、格別でした。
結論から言うと、もっと早くチケットをとればよかった
今回、ブリリアホールでの公演だったこともあり、お席によってはよく舞台が見れない噂をたくさん聞いていたので、満足のいく席のチケットを確保するのにとても時間がかかってしまいました。
納得できない席で舞台を見るのは、いやです。
(黒い噂がありすぎるブリリアホール。早く座席改修をしたほうが良いのでは?機会損失大きすぎます)
結果千秋楽を初見で見るというタイミングになってしまいましたが、結論からいうと、もっと早くチケットを取って、もう一度見たかったです。
舞台そのものとしても、演者やオーケストラの方々の醸し出す空気感からしても、多幸感があって、エンターテインメントとしてとても好きな雰囲気でした。
繰り返しますが、大阪公演のチケットは8/2の23:59までしか販売できないそうなので、是非サイトを見てみてください。