ファクト・チェック ： ウクライナの映画制作の映像を誤報する投稿

AP News 8/12/22 の記事の翻訳です。

主張：ウクライナの映画セットからのビデオは、ウクライナが、ロシアの民間人に対する残虐行為を演出していることを示している。

APの評価：誤り。キーウ近郊の町で撮影されたこのビデオは、『Region of Heroes(英雄達の地)』という戦争の出来事を題材にしたウクライナ映画の制作風景を映したもので、映像を記録したスタッフにAP通信が確認したものである。

事実：ロシア政府関連のアカウントを含むソーシャルメディアユーザーが、金曜日にウクライナでの映画制作について誤った報道をした。映像には、ホストメルで破壊された建物の近くを走る人々の群れを撮影するクルーが映し出されている。背景には、大きな穴が吹き飛んだアパートが映っている。

ソーシャルメディアの投稿では、このビデオは、ウクライナ人がロシアの民間人に対する攻撃を演出している証拠だと誤って主張されている。

「これがウクライナで、ロシアに爆撃されたとされるビデオを撮影する方法だ 」と、あるツイッターユーザーは虚偽の主張をした。

「ロシア軍の残虐行為が存在しないなら、それは捏造に違いない 」と、マドリードのロシア大使館は金曜日にスペイン語でツイートしている。「ゴストメルでロシアの「侵略」から逃げる市民を撮影した演出」

しかし、このクリップは、実際には、『Region of Heroes』という戦争についてのウクライナの映画のためのシーンを再現した俳優を映しているのである。

この映画のキャスティング・アシスタントを務めるYaroslav Forsikは、8月9日にTikTokにこのビデオを投稿し、TikTokのクリップは90万回以上再生された。彼はAP通信に、この動画が映画撮影現場のものであると言う事実確認をしてくれた。

「私は視聴者のためにビデオを投稿した 」と彼はウクライナ語でAPに書いた。「この話題で100万回再生され、憶測が飛び交うとは思っていなかった」 Forsikは、ストレッチャーに横たわり、血まみれのように見える特殊メイクを施した、撮影現場での写真を公開した。

Aleks Komarovskiiが製作中のこの映画は、7月27日にFacebookページに投稿された説明によると、「占領下におけるキーウの住民の英雄的行動」を描くという。「この人達のおかげで、何万人ものウクライナ人の命が救われたのです。」

ウクライナ国立映画庁も7月27日、Facebookに映画の写真を掲載し、こう書いている。「この映画プロジェクトは、キーウ地域と全ウクライナの感情的・道徳的復興のための要素である。