見出し画像

クリス・オウエンのツイート - プーチンが復活させた軍事政治総局(GVPU)

全文リンク
ウクライナでロシア兵になるのは楽しいことではない。食事はまずいし、汚れた環境で生活し、常に銃撃を受け、部隊のほとんどは既に死亡または負傷している。どうすればいい?同志よ、最寄りの軍事・政治活動拠点に報告せよ!

共産主義の崩壊は、ロシア軍にモチベーションの問題を残した。世界的なプロレタリア革命のために戦うのでなくなったら、一体何のために戦うのか?プーチンのロシアは、さまざまな方法でこの問題に対処しようとしている。

2018年初頭、ロシア国防省は「主軍事政治総局(GVPU)」の再導入を発表した。1991年を最後に廃止されていたGVPUは、もともとソ連軍の「政治将校」- ザンポリットと呼ばれる -を担当していた。

GVPUは、「軍事・政治的宣伝と扇動」、「軍の道徳的・政治的状態の維持」、「思想的に納得のいく軍人の人格形成」に従事していると説明している。

これは特に、「祖国を守るという理念のもとに隊員を結集し、国民と祖国への献身、軍人の誓い、戦旗への忠誠、更には敵への憎悪、その残虐行為を討つという精神で教育する」ことによって行われる。

要するに、GVPUの役割は、部隊を教化し、動機づけることである。(ロシア兵のモチベーションについては、今度長いスレッドを立てる)

2020年、GVPUは使用するツールの一部を明らかにした。

ロシア軍を主な顧客とするハイテク・ソリューション企業であるルスビテックは、GVPU向けに「軍事・政治用モバイル多機能情報複合体(PMIK VPR)」というキャッチフレーズを制作した。

PMIKのVPR「コンプレックス」の要素について見ていこう。まず、MP VPR(Mobile Point of Military-Political Work)である。これは基本的に、6x6「パトロール」車両をベースにした装甲オフロード車と上級ザンポリの移動事務所を組み合わせたものである。

MP VPR(Mobile Point of Military-Political Work)
移動オフィスになっている

次は、軍事的・政治的宣伝と扇動のための移動拠点(MP VPPiA)だ。APE-5自動化移動ユニットに似たプラットフォームをベースに、移動宣伝チームを収容する移動オフィスで構成されている。その任務は以下の通りである。

MP VPPiA
  • 戦闘作戦を支援するプロパガンダ活動

  • 移動式プレスセンターの提供

  • 視聴覚資料やグラフィック資料の処理

  • 配布用のDVDやUSBメモリへのプロパガンダの複製

  • ビデオや写真を提供する

  • 印刷されたプロパガンダ資料の作成

軍事・政治的プロパガンダと扇動のモバイル拠点には、2軸のトレーラーが含まれており、このトレーラーには外部に大きなビデオスクリーンが組み込まれており、プロパガンダビデオを流すことができる。また、ワイヤレスネットワークも提供され、おそらく部隊が接続できるようになっている。

MP RVV(Mobile Point for Work with Believing Servicemen)は、屋根に大きな十字架を載せた、車輪のついたロシア正教会のようなものである。軍の聖職者が「神事や宗教儀礼」を行うために使用される。

MP RVV

MP KDR(Mobile Point for Cultural and Leisure Work)は、車輪のついたステージだ。複数のスクリーン、ステージ、スピーカーが組み込まれており、「軍人や民間人を集めて大規模な文化・レジャーイベントを開催する」ためのものである。

MP KDR

MP PSR(Mobile Point for Psychological Work)は、KAMAZ 8 x 8 トラックの車台をベースにしている。車両自体には小さなオフィスと従業員用の寝室がある。また、心理的な宣伝活動を行うための大型の膨張式テントや、教室も備えている。

MP PSR

追加要素として、"身体志向のセラピーセッションを行うためのマッサージチェア、無重力状態を体感できる無重力リラックスチェアに基づく抗ストレス心理生理学システム、視聴覚刺激キット、音楽センター、マルチメディアプロジェクター、LEDおよび3Dメガネ、ステレオヘッドフォン、気泡柱、(中略)臭気発生装置 "が含まれる持ち運び可能型ジオデシックドームの「ジオスフィア」。Zapad-2017とVostok-2018の演習で使用されたと伝えられている。

ジオスフィア

ウクライナで実際に使用されたことがあるかどうかは不明だ。ソ連時代、軍部ではザンポリット(政治将校)が広く蔑視されていた - 今もそう違わないと思う。いわゆる「軍国主義的な仕事」は、戦闘の厳しい現実を克服することはできそうにない。/終

このスレッドは「ロシア兵はなぜウクライナでの戦闘をやめて家に帰るのか?」パート6まであるシリーズヘと続きます。リンク

いいなと思ったら応援しよう!