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刑務所の独房から特殊部隊へ:ロシアの新兵

FOX News 8/14/22の記事の翻訳です。
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ロシア生まれの人権擁護者が語る、ロシアの刑務所における拷問のような状況。"この世の地獄"
ロシア出身の人権派ウラジミール・オセチキンが、ロシアの刑務所におけるいじめ、屈辱、拷問について語り、また、ロシアの囚人を前線に採用することを「皮肉な行為」であるとした。

ウラジーミル・オセチキンは、戦争で囚人の武装を促進するというコンセプトは全く無責任であると主張する。
ウラジミール・オセチキンが法律を勉強したのは、法執行機関に入りたかったからだと言う。良い保安官になるためだ、と彼は言う。しかし、ロシアの司法制度に何度か触れて、彼の計画は変わった。-  彼は、警察が正しい男を見つけるまで、殺人事件の冤罪で訴えられ、数年後、彼が築いた自動車販売帝国(会社)が大きくなりすぎて、ロシアの利益のために掠め取られたと言っている。 

この2つの体験は、恐怖と暴力に満ちたものだったと彼は語っている。それ以来、オセチキンはロシアの刑務所での拷問を暴露することに生涯を捧げている。あまりの虐待の多さに、多くの受刑者がウクライナの最前線での血まみれの不確かな未来に魅力を感じ、リクルーターの餌に食いつくようになったと彼は言う。

「この21世紀の収容所では、辱められ、殴られ、犯されるかもしれない。最もひどいいじめに遭うかもしれない。あるいは、工業地帯で強制労働させられるかもしれない。 朝7時から夜11時まで、少なくとも1日12時間以上、欠陥のある時代遅れの設備で、手や目を失う危険もある」と、オセチキンはフランスの自宅からZoomでFox Newsに語っている。「彼らは何としてでも拷問牢を出たいのです。 多くの人は、自分が1週間か2週間後に殺される可能性が高いということに気付いていません。」

オセチキンは、人権団体Gulagu.netを運営している。彼自身、サラトフの刑務所での劇的な拷問ビデオを流したり、ロシアの治安維持組織FSBの内部で不満があるとの報告を流したことで、ロシアで最も指名手配されている人物の一人と言われている。

ロシア側は、オセチキンに対して詐欺事件を起こしたと発表している。 ロシアでの詐欺容疑は、アレクセイ・ナヴァルニーなど、クレムリンが照準を合わせた人物に対して自由に使われていると多くの人が言う。

オセチキンは、戦争の最前線で働くためにロシアの囚人を積極的に採用することを、皮肉な行為だと言っている。彼の情報源(彼は囚人の家族など様々な人から情報を得る)によれば、こうした努力は最近になって強化されたとのことである。

ロシア軍は土木工兵を大量に失い、また土木工兵の訓練には何年もかかるため、土木工兵が必要なのだそうだ。ロシア軍がウクライナ兵を追跡し、攻撃するために、ウクライナ兵から砲火を浴びせるための囮のような存在も探しているという。最後に、ロシアは有罪判決を受けた殺人者や暴力的な前科のある者を「殺人旅団」に仕立て、「敵」を撃ち、切り、傷を負わせようとしている、とオセチキンは言う。

FILE - この写真は2022年7月29日、ウクライナ東部のロシアに支援された分離主義勢力が支配する地域のオレニフカの刑務所で破壊されたバラックの様子を動画から撮影したものです。ロシアとウクライナは金曜日、ウクライナ東部の分離主義地域の刑務所を砲撃し、5月に南部の港湾都市マリウポルが陥落した後に捕まったウクライナ軍の囚人数十人が死亡したとされる攻撃について、互いに非難した。(AP写真)

オセチキンによると、「大砲の餌にされるかもしれない」という事実を受刑者が認識し始めたことで、一時は引き受け手が減ったという。そのため、「プーチンのシェフ」とも呼ばれる悪名高い男が自ら刑務所を回り始めたという。 このことは確認されていないが、この報告を聞いたのはオセチキンだけではない。

独立系のメディアゾナと言うアウトレットは、数人の受刑者からそれを聞いた。この "シェフ "は前科者である。ケータリングから傭兵集団「ワグナー」の経営まで、多くの事業に関与して億万長者となったエフゲニー・プリゴージンは、因みに彼は否定しているが、ロシア大統領に近いと言われている。

「どうやら、トランプカードのエースのように、切り札として、プーチンはプリゴージンを引き抜いて個人的に囚人との面会に送ったようだ」とオセチキンは言い、プリゴージンは 「俺自身はかつて刑務所にいたが、今はお前達を募集している。俺はロシアの英雄になった。プーチンの今のシステムじゃ、はしごを登って金持ちになるチャンスもあるんだよ。」てな事を言って、簡単に売り込むことができると付け加えた。

メディアゾナは、プリゴージンが "恩赦と金 "を提供するのを聞いたとされる囚人達にインタビューした。そして、リクルーターとのミーティングで、ある受刑者は、「我々は殺人者と強盗に興味がある 」と言われたと回想している。

2021年12月28日(火)、ロシアのモスクワで、ロシア連邦最高裁判所前に集まった人々-デモ参加者を拘束している警察官。ロシアの最高裁判所は、同国で最も古く、最も著名な人権団体の一つを閉鎖すべきとの判決を下した。 (AP写真)

一方、オセチキンは、囚人が金や名声や名誉を約束させられたり、逃亡の夢を見たりして死に追いやられることを懸念している。また、殺人犯や強盗犯など、既に暴力的な人間に再び武器を持てというのは、全く無責任であり、非難されるべきことだとも言う。

オセチキンは「刑務所というのは、そういう人達を矯正する代わりに、その人達の最も卑劣で悪質な面を取り上げて、自分達の目的のために使っているのです。彼らのほとんどは、もう戻ってこないと思う。 しかし、生き延びてロシアに帰ってきた者は、社会に更なる危険をもたらすだろう」と言う。 私は、このような情報がどのようにして、ロシアの刑務所の独房や有刺鉄線の向こうから伝わってくるのか、尋ねてみた。

「ウラジーミル・プーチンとその広報は、彼が全能であり、超全体主義的なシステムを持っているという神話を築こうとしている。実際には、これはマフィアのシステムです。そして、どのマフィアでもそうだが、人々は主に金と腐敗に関心を持っている」と言い、それだけではないと付け加える。「このシステムには、戦争に反対する人達がたくさんいる。連邦刑務所では何十万人もの人々が働いているが、彼らの全てがプーチンを愛しているわけではない。 プーチンを尊敬している人ばかりではない。 そして、彼らの全てが人道に対する罪や戦争犯罪に参加する準備ができているわけではないのです。」


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